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探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の日々
14/109

守護者の誓い

今回は、A・レコード一族とエンコード一族の役割についての紹介です

追記2/29

地の文を追加しました

 村長と少しばかりの会話を終えてクリスタの待っているテーブルに戻ってきた。


 「手を洗うだけにしたら随分と遅かったね」

 「少し村長と話をしていた。」


 「そうか、おじいさまがねー。そろそろ一緒に食べよう。

 待っている間に、サンドイッチにトッピングして置いたんだ」


 具材の追加と言っても、樹木周辺に食えそうな動植物は見当たらない。何を入れたのだろうか?


「そうか、どれどれ。」

 

 一切れを口に運んだ。柔らかいパン生地の間に少しばかり青臭さの感じる山菜に、苦さを中和する油分を含んだタレにより、山菜の甘さと隠れた旨味を引き出している。実に美味である。

 ただ、一つだけ正体が分からない物体が入っていた。


「なんだ、これは?」


 白色で、周りが赤い皮に覆われて、ちょうどよいかみごたえで、噛む度に内なるさわやかな甘さが口の中に広がる。

 

 「多分、リンゴだと思うよ」


 リンゴが育つ木は、この村では目の前に見える大きな樹木だけだ。

 昔は生っていたが、いつからかリンゴが実らなくなっていた。

 リンゴはよくクリスタと分け合って食べたな。

 

 「この樹木にリンゴは実っていないはずだ。花も咲いていない」

 「でも上から落ちてきたよ」


 世の中不思議なこともあるもんだな。

 樹木にはつぼみが存在しない。今日登ったからよく知っている。どこから出てきたのだろうか?


 「リンゴか。久しぶりに見たな。何十年ぶりだろうか」

 「アルス、私達はまだ若いのになに年寄りみたいなこといってるの。

 正確に言うと私達はまだ20にもなっていない青年の部類の人だよ」


 ボケに対して、正確なつっこみがされた。


「それもそうだな。少し貰っていっても良いかな。ドクターに分けようと思っている」


 ドクターは俺の父親だ。本名はアラン・A・レコードと言う。基本的に樹木の中に引きこもっているため食事を取っているか分からない。

 息子として、少しばかり心配だ。


 「放っておいても、良いんじゃない。

いい年したおっさんだし、樹木に登ると無駄に時間が立つだけだし」


 意外にも、今日のクリスタはドクターに対して冷たかった。 


 「確かにそうだな。放っておこう。」


 俺はその話に納得した。

 息子だというのに冷たいと我ながら思った。


 それにしても、このリンゴはみずみずしい。

体の中に吸収されていくようだ。


 「おいしかったよ」

 「アルス、ご飯食べたからには、ちょっと頼みたいことがあるんだ」


 クリスタに頼み事をされるのは久しぶりだ。


 「何をすればいいんだ?あまり難しいことは頼むなよ。上手く出来できる自信ないから」

 「家の中を掃除してほしい。勿論私の家のことだからね」


 「昨日は綺麗だったのにどうしてだ?」


 俺は少し気になった。


 「おじいさまが朝から変なものを拾ってきて足の踏み場もない状態になったの」

 「さっき川の中から何かを引っ張り出した所をみたがそういうことだったのか」


 「練習場にいるから、終わったら報告してね」

 「わかったよ、でもいいのか? 男に部屋の掃除なんてさせて」


 「アルスは変なことしないでしょ。それに見られて困るものなんて置いていないし」


 「じゃあ掃除してくる」

 「頼んだよアルス」

 こうして朝食を食べた俺はクリスタに掃除を頼まれたのであった。


 クリスタの頼みは断れない。

 それには、A・レコード一族とエンコード一族の昔からの関係がある。

 A・レコード一族は樹木を守り、エンコード一族は村を守る、一見すると関係なんてものはないようにおもえる。

 樹木は村中に根を伸ばして村に流れる地脈を守っているが樹木が枯れてしまえば村に危機が迫る。

 村は結界によって守られてるが正門にだけ結界が無い。そこから邪悪な様々なものが入ってくる。

 そのものを追い出したり、無力化する事で村を護っている。

 どちらにとってもいなくなると村を護ることができなくなる。

 互いに助け合いをする事でこの関係を崩さないようにしている。

 最も、村に住んでいるのは2世帯だけだから、関係なんか無くても協力しあうのだが


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