朝の一時
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一部分を書き直しました。
ひさしぶりに登ったがやはり祠は見つからなかった。
昔ドクターがこのように言っていた。
「この樹木のどこかに祠がある。
入り口は一族にしか見えないようにしている。
いきなりは難しいからヒントを出そう。
祠は明るいと見つからない。
樹木は生きている為、常に同じ場所には、存在していない」
自分なりの解釈で日の出までの時間にしか見えないとして探しているが未だに見つからない。
おそらく解釈が間違っているのだろう。
他の解釈が思いつかないまま今に至る。
部屋の前に戻ってきた。運動をしたあとはお腹が減る。
「アルスー朝ご飯一緒に食べよー」
クリスタが樹木の周りの段差の下から、声をあげた。グットタイミングだ。
「わかった今降りる」
クリスタは川の近くの小さな屋根のついた小さなテーブルにかわいらしいバスケットを持って移動した。
この段差の高さは5mといったところか、飛び降りても大丈夫だろう。
グキ
足首に落雷をしたかのような激痛が走った。
大丈夫だといったがそんな事はない。
なにも起きないわけがない。
よく考えたらきっと防げたはずだ。
俺は右足を引きずりながらテーブルに向かった。
「そこまで急がなくてもいいのに」
「せっかくお前が作ってくれたんだ。
時間がたって美味しくなくなっていたらどうするんだ」
「なにいっているの、私が作った物が美味しくなくなる訳ないでしょ」
「それはごもっとも。それで今日は何を作ったんだ?」
「今日は山菜のサンドイッチを作ったんだ」
「どれどれ」
バスケットに手をのばそうとしたらバスケットを持って行かれた。
「ちょっと待って、手を洗ってから食べてね」
小さな子供にいうようなセリフを言った。
「相変わらず厳しいな」
「そんなこという人にはあげませんよ」
少しクリスタの機嫌を損ねてしまったようだ。
料理を作るのはこの村ではクリスタしかいない。
もし食べれなかったら断食するしかなくなる。
「わかった、わかった、洗ってこればいいのだろ」
「分かればよろしい」
クリスタに言われたので手を洗いに川に行った。
クリスタはアルスの2歳上です。
アルスにとっては、幼なじみというより、お姉さんのような存在です。
昔アルスに怪我をさせてしまってから、過保護になってしまいました。
その怪我についてはまだまだ先の話になっています。
次話から少しの間は登場人物の紹介となっております。