始まりの日
この作品は昔ネットで調べ物をしていたときに、
アカシックレコードに関する小説がないなと思い執筆しました。
執筆時のタイトルは、村人Aの心で主人公の名前はAでした。
追及2016/2/19
書き直しました。
追記2/26
書きたしました。
ここは、ハテノ村。
名前の通り地球の果てのような場所にある寂れた村だ。
この村には、有名な物とかはなく、印象に残るものを一つだけあげるとしたら巨大な樹木が河原の近くにある。
この樹木には大きな穴がいくつか空いており中に人が住めるようになっている。
この樹木は俺の一族が代々住み続けている。
「ねえ聞いているのアルス」
俺は今、村を囲んでいる壁に背中を付けている。
目の前にいるポニーテールの彼女が話しかけてくる。
彼女の名前はクリスタ・エンコード。俺の幼なじみだ。
俺は数時間前に村から出ようとしたところを捕まえられた。
俺の周囲には矢がいたるところに突き刺さっている。唯一動ける場所の正面には彼女が居るから動けない。見た目は即席の檻のようだ。
これで何度目だろうか。こっそり抜け出そうとしてもなぜかいつも見つかってしまう。
「聞いてるよ。クリスタでどうしたらお前に見つからずに村を出れるんだ?」
「まだ懲りていない。男の子だから活動的なのは良いことだけど、いい加減アルスはこの村のしきたりを覚えてよ」
この村にはしきたりがいくつかある。
1つ 村から無断で外出しない
1つ 村を改造する場合は毎回会議をする
1つ 今ある物を大切にする
1つ 旅人には常に問題を起こさないように見張る
1つ 人を傷つけない
1つ 間違いを正す
最も、しきたりは村長のハロルドが大昔につくったものだ。人のほとんど住んでいない今の村には必要のないものだと俺が思っているがクリスタはそれをよしとしなかった。
「しきたりぐらい知っている。でも、こんな時代遅れのしきたりを未だに残しておくなんてどうかしているぜ」
何気なく呟いたことにクリスタの顔つきが少し変わった。
「村長の孫としては聞き捨てならないなかな!。アルスがいつまでもそんな気のまんまだからいけないんだよ。
爺様だって本当は気が利く人だから言えば分かるはずだよ」
とてもじゃないがそんなようには見えない。村長はかなりの高齢者だが、己の身体を巧みに操り獣を一人で狩るような人なのだ。
「アルスがいつになっても爺様の所に行かないから一緒に行こう。躊躇してしまうような風貌なのは私が一番知っているから手助けしてあげる」
「イヤだね。誰がお前と一緒に行くか」
俺はボソッと呟いた。昔はそんな事は無かったのだが、年を重ねるにつれて段々と行きにくくなってしまった。別にクリスタのこと嫌いなわけではないが、心の中で何かが妨害してくる。
「そんなに私と一緒に行くのが嫌なの?」
「そんなことはない。一緒に行けば良いいのだろ、行けば」
「わかればよろしい」
俺はクリスタに連れられて村長の家(クリスタの家)に向かった。