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大きな栗の木の下で!

今後の「俺様の野望23」のアップデートについて運営から発表があった。

細かなバランス調整は逐次あるとして、大きな変更は2点。


まずは、領地の拡張限界の上昇。現在の拡張限界は7*7マスだが、

これが、1か月後に8*8マス、3か月後に9*9マスになる。


第二に、9*9マスに拡張するとフリーエリア上に「出入り口」が作られ、

フリーエリアと領地の間を、自由に出入りができるようになる。

合戦のように兵士を引き連れた部隊をフリーエリアへ出撃可能になる反面、

フリーエリアからの敵の侵攻を受けることにもなる。

NPC大名の治める城、たとえば稲葉山城や小田原城を「攻め落とす」ことができるが、一方で、信長や道三に「攻め込まれる」ようになった。「野戦」「攻城戦」「籠城戦」が発生する。

今までは無視されていた地方豪族(ぷれいや)が、群雄として時代に割り込んでいくのだ!


ちなみに、NPC大名の城は落とすと占領ができ、第二の領地として開発ができる。

PCの本拠地は、落とされると施設の一部が破壊され、銭や食糧、配下武将の一部を奪われるが、占領はされない。一族武将や忠誠度の高い武将は奪われない。

さらに、一旦攻め落とされて施設が破壊されると、施設総数が規定値を超えるまでは「保護期間」として攻めることも攻め込まれることもなくなるので、再起するまでの時間が稼げる。


実際の話、それだけの規模になってくると、戦争するのに配下武将がたくさん必要になる。

冷静に考えれば、武将ゼロから始める戦国乱世 って、難易度★5だよね。

普通のSLGなら、地雷大名もいいとこだ。



遅まきながら、うちも領地の拡張を行い、5*5マスから、6*6マスへと拡張させた。

人口500以上と合戦参加1回以上が条件なので、既に拡張可能だったが忘れてた。

そこで、拡張したのを機に、少し気になっていた事を行うため、

佐野の知り合いの技術重視プレイヤー、波野愛香の領地を訪れた。

領地には、生産系らしく、鍛冶屋や木工所、研究所といった施設が数多く立ち並んでいる。


「悪いな。押し通る!」佐野が吠えた。

「ロン!立直一発一通平和ドラ1」キラリと波野の眼鏡が光る。

「跳ねた!波野つえぇ」

俺たちは麻雀していた。

メンツは、俺、佐野、波野、波野の配下武将の4人。

波野愛香は、名前の通り女性。技術重視で弓矢や銃を得意としているが、本命は生産系。

麻雀牌も、彼女が一個づつ作り上げた手製のものだ。

いや~、戦国時代で麻雀ができるとは思わなかった。


小一時間ほど麻雀に興じたあと、本題にうつる。

佐野は、波野にかなり巻き上げられて、放心状態だ。

俺は、今回、彼女に生産の事について、アドバイスをもらいに来た。

波野は、大学生くらいの年齢の女性。もちろん、リアルも女性。

そのちゃんほどではないが、なかなか可愛い眼鏡っこ。


「俺様の野望 23」では、各地の豪族プレイヤは、生産プレイをすることもできる。


生産に関する能力値は「技術」。

生産の手法は、レシピ生産と手作り生産の2通りの方法がある。

レシピ生産は、登録してあるレシピを使用して一瞬で生産する方法。

良くも悪くも、レシピにあるものしか作れないし、通常品質のものしか出来ない。


手作り生産は、リアルと同じように手作りで地道に作る方法。

システムに無いものでも作れるし、品質も様々。

手作りで生産されたアイテムの属性や能力は、材料や工法が類似したレシピアイテムの中からランダムで選ばれる。

このシステム、わざとそうなっているのか、稀に面白い結果を産み出すことがある。

金属と木で「おたま」を作ると、普通は類似レシピ無しとして扱われ「工芸品」という特徴の無いアイテムになる。形状は「おたま」なので、料理に使う分に支障はない。

だが、作り方によっては、ごく稀にレシピ「小刀」が適用され、「おたま」が武器属性を持ってしまう事があるのだ。

運がいいと、武力ボーナスまで付く。

「おたま」としても使えるし、ぶん殴るときっちり「小刀」相当のダメージが入る。

普通の工芸品「おたま」なら、ダメージは発生しないんだけどね。

こうやって、一度手作りすると「オリジナルレシピ」としてレシピ生産ができるようになる。

レシピ生産は、特殊施設「工芸所」でも可能なので、六古窯のように、

領内を工業化させてオリジナルブランドを立ち上げることもできるのだ。



「まずは、どういうモノを作りたいか、からね」

「そうだな。公家の贈り物にしても、恥ずかしくない様なものがいいなぁ」

「じゃ、お勧めは食べ物、特にデザート系かな」

「どうして?」

「この時代、砂糖って貴重なのよ。

信長が、正親町天皇に砂糖を献上した というくらいにね。

だから、デザート系の甘みが強いものは、受けのいい贈り物になるわ」

「ほうほう。でもデザートを作るのにそもそも砂糖が要るんじゃないか?」

「そこで、砂糖だけ使わずに、デザートを作るのよ。

うまくいけば、類似レシピと誤認識してくれるから、

砂糖を使わなくても、甘いデザートができる ってわけ」

「なるほど!」目からうろこだ。そういうやり方があるのか。

「ここから先は、自分でね?美味しいのができたら、味見させてね」

良い事が聞けた。

早速領地に帰って、じゃなくて、リアルに帰って、ネットでお菓子の作り方を調べる。

俺の狙いは既に決まっていた。モンブランを作るのだ!


「ようかん」というレシピが存在するのは確認済み。

第一段階として、ようかんから栗風味ようかんに派生させる。

「小豆」と「栗」の違いということでなんとかならんかな。


施設に「果樹園(栗)」を設置。

ゲームなので、四季に関係なく、少しづつ「栗」が倉庫にたまる。

栗を倉庫から持ってこさせ、小刀で皮をむき、鍋でことこと煮込む。

煮込んだ後、葛粉と混ぜて、型に入れて成型。

固まったところで、型からだして味見する。

おいしくでき……ませんでした。塩辛い。

食糧アイテムにはなっているんだけど、なんだろうこれ。

栗の風味と、どこかで食べたことがあるような塩辛さが混ざりあっている。

でも、そこまで悪い味ではないな。もう一口。

これ、味噌だ。栗風味のみそだ。熟成させればなかなかイケるんじゃないか?

このレシピはとっておこう。


配分割合を変えてみたりして、試行4回目で、甘い栗ようかんのレシピが出来た。

栗の風味と羊羹の甘さがよくあう。


第二段階。

この栗ようかんを柔らか~く練り、モンブランのくるくるを作る。

土台は、クッキーで代用。クッキーのレシピは予め購入済みなのですぐ作れる。

クッキーの土台の上に、栗ようかんクリームをもりつけ、完成。


よし、佐久間家特産品、もんぶらん完成だ!

これを名物として、目指せ、パティシエ大国。


次回は、ついに初の公式イベント発生

「平安京エイリアン!」

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