ぷろろーぐ
時は遡り、前回の大規模バージョンアップの前夜。
俺様の野望のユーザたちは、自分の領土がフリーエリアと繋がるのに備え、
準備に余念がない。
仮想世界上のある場所に、「俺様の野望」第一サーバの猛者たちが集まっていた。
彼らは、ある共通した「野望」を秘めている。
全員を見渡し、リーダーらしき男が口を開く。
「本日、集まってもらった理由だが、ある興味深い情報が手に入った。
それを皆に聞いてもらいたい」
「情報ソースは信頼できるんだろうね?」
「あぁ、開発陣の一員からのリークだ」
リーダーは、その情報を話し始める。
「我々が、半ば絶望的に語っていた野望が実現できる好機だと思わないか?」
「かなり念入りな準備が必要になるな」
「だが、これで得られるものを考えてみろ。やりがいはあるだろう」
集まった者たちは、感慨深げに深く頷く。
「この作戦は、秘密裏に進めなければならない。
もし、反対派に知られてしまえば、水の泡と消える」
「最大の敵は、石川ほえもんか……」
「あぁ。奴に知られれば、全力で妨害に来るだろう。
我々は、水面下で信頼できる同志を増やして、事に当たらねばならない」
「オラ、ワクワクしてきたぞ」
彼らは、「その日」のために綿密な準備を始めた。




