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戦国時代風VRMMOSLG 「俺様の野望」!!  作者: めへめへさん
大更改時代 ~上月城の戦い~
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これからの在り方

情報を整理するため、自分の城に戻る。


9*9マスに拡張すると、本拠地は「城」に変化する。

今までは平屋だの二階建てだの言っていたが、もはや縄張りが組まれたお城だ。

二の丸と本丸があり、門もしっかり作られていて、弓矢倉も整備。

食糧庫、武器庫もある。井戸も掘られており、籠城戦に耐えられる。

この辺は、改修を重ねていくことで強化できる。


わが身周辺について、わかってくれば来るほど、すごい状況に置かれていた。

このゲーム世界、1570年代の勢力図が混ざっているため、中国/近畿の中間地点では1570年代後半であるが、東方では武田家の西上作戦がまだ実行されておらず、武田信玄が存命している。

結果として、シナリオ的に、「信長包囲網」が強調されている形だ。

さらに、地勢においても「ゲーム世界」はリアルと違う。

「本城」、「支城」、「砦」という、3種類の防衛拠点タイプしか無いため、

リアルでは存在していても、ゲーム中では省略されている城も存在する。

一方、リアルでは微妙な城でも「話題度、期待度に応じて」広さが拡張されていたり、矢倉が増設されて防御力が上がっていたりする。


ここ、播磨の国南部について考察してみると、

西の尼子家が籠る上月城、中央に黒田(小寺)氏の姫路城の2つが明確な織田側。

東の三木城、別所氏は、最初織田家に与していたが、後に毛利家側に鞍替えする。

置塩城、御着城は、旗色次第。

近隣に目を向けると、播磨国の東隣は摂津の国(大阪)。

後に荒木村重が織田家に反乱を起こす場所。

摂津の東隣には当時の首府、山城の国(平安京)がある。

すなわち、播磨を毛利側で統一できれば、播磨>摂津>山城(兵庫、大阪、京都)を結ぶ、

「ゴールデン毛利ロード」が形成される。

こうなると平安京まで毛利家の勢力地域を並べることができ、本願寺への補給も思いのまま。

打倒信長も夢ではない。

最大の敵は、姫路城の黒田官兵衛と秀吉になるのかな……



「お館さま、ご客人がお見えになりました」

妄想にふけっていたら、取り次ぎ役の役人Aに呼ばれた。


「おぉ、佐久間殿 ひさびさじゃぁ!」

新築の我が城の中を大声でがなりながら、木下藤吉郎改め、この年代では羽柴筑前守秀吉がやってきた。

会うのは、東方ぶらり旅の時に、酔いつぶされたとき以来。

彼は、2人の武将を引き連れていた。

「行こう、行こう とは思っていたが、

こうやって佐久間殿の領地に来るのは初めてだのう。

病院とかいう白い建物はなんだ?歌舞伎町とかいう面白げなところもあるのう」

「お、お久しぶりです。ご無沙汰しておりました」

「固い挨拶はよせよせ。貧乏長屋で一緒に酒を酌み交わした仲じゃろ。

今日は、佐久間どのに会わせたい武人がおるのじゃ。

一人目は、この、小寺孝隆(黒田官兵衛)。わしの知恵袋じゃ」

そういって、傍らの武将を示す。

「よろしく、お願いいたす」

鋭い目をした武将は、俺に向かって軽く一礼をする。



……AIが予想以上に優秀すぎた。

向こうから、知己であることを幸い、先手を取って会いに来た。

今現在、まだ毛利家とは何の繋がりも無い。

ここで彼らに手を出したら、確実に織田家から狙われることになる。

「助けて、毛利えも~ん」と毛利家の助けにすがるしか手が無くなり、それ以降は毛利家に最前線でこき使われるのがオチだ。


「もう一人は、そこな上月城の城主、尼子勝久殿じゃ。

若齢にして、尼子家再興の為に立ち上がった武人ぞ。

懇意にしてもらえると助かる」

「佐久間どのの武名は、かねがね聞き及んでおりました。

よろしく、ご鞭撻をお願いいたします!」

こっちは、20前半の色白いイケメン。

武士の正装である狩衣がいまひとつ浮いていて、

入学式の大学生のように初々しく見える。

尼子家は、元は出雲の覇者。

だが、武運つき、毛利家に滅ぼされた。

いまは、毛利家に保護された本家があるが、それとは別に尼子勝久を戴いた再興の一派が上月城で頑張っている。


【黒田孝高とコネができました。知力+1】

【尼子勝久とコネができました。】


このゲーム、「コネ」というのは顔を見知っていて、親しい関係と思われていることを表す。

そのため、なにかと相手に便宜を図ってもらえる。

今回の秀吉の来訪にしても、黒田家や尼子家とつながりができた と思えば、悪い事ではない。

魅力が低いとなかなか顔や名前を覚えてもらえないらしいが、魅力特化だとほぼ一発でコネができる。

これで、姫路城や上月城に立ち寄ると、暖かく迎えてもらえる。

そして、さようなら、ゴールデン毛利ロードの夢……


「佐久間殿もご存じのとおり、上月城は毛利、宇喜多に対する最前線である。

ここ、高倉山と上月城は、一朝一夕の距離にある。

迷惑とは思うが、有事の際には尼子殿に手助けしてもらえると、わしも助かる」

「微力ながら、ご助力しましょう」


史実通りに動いてしまえば、上月城は10倍の敵兵に十重二十重に囲まれ、凄惨な干し殺しによる物資の困窮の中で、尼子勝久はじめ、主だった守将は自害することになる。

ゲーム世界なので、必ずしも史実通りに行くと決まったわけではないが、

秀吉の話を聞くと、既に別所氏は三木城で反乱を起こし、毛利到来を打診しているらしい。

こちらも、早めに対応策を講じておかねばならないようだ。



秀吉の来訪から数日もたたないうちに、忍者の健太郎から、毛利・宇喜多家連合総勢4万超が進軍を開始 との速報が入った。

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