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とある領地の日誌!

8*8マスに拡張したので、領地内では建設ラッシュ。

政治能力のエース、三毛村さんと相馬は慌ただしく立ち働いている。

そのちゃんは予定日も近いので、しばらく前から侍女を連れて病院に入院中。


俺は寺でひなたぼっこをしながら、

和尚が元太と中原に稽古をつけているのを見学中。

「次は、この振棒を1000回、振りぬけ」

「はい!」「押忍」

頑張ってるな。

最近の元太は、嫁効果のせいか、張り切っている。

和尚から剣だけでなく、故事や軍学についても学んでいるらしい。

「お館さまもやりますか?」和尚が俺にも振ってくる。

「さ~て、見回り見回り。お茶ありがとな」


まずは、兵舎。

最近、舞蹴がよく働いてくれる。

ぼったくられた飲んだくれが、どんどん兵士として送り込まれてくる。

ベテラン兵士は森部の奇襲撃破や稲葉山城の調略を目にしているため、

上層部(われわれ)への信頼が厚く、士気は高い。

だが、歌舞伎用から送り込まれた、飲んだくれ新兵は鍛えなおす必要があった。

そこで、かえでさんを新人兵士たちの教官役に据えてみた。


「全員整列!」

かえでさんの号令で、だらだらと50人ほどの新人兵士たちが整列していく。

「私は、お館さまから貴様たちの訓練を仰せつかった、相馬かえでだ」

「相馬さまの奥さんですかぁ?」

兵士たちの一人が、質問する。

「姉だ」

「歳はいくつですかぁ?」

ひときわガタイの大きな男が調子に乗ってNG質問を聞く。

「聞きたいか?なら、教えてやろう、前へ出ろ」

「へへへ」男はにやけながら最前列へ出る。

かえでさんは、女性にしては背が高いほうだが、大男と並ぶと小さく見える。

「何歳ですかぁ?」

「いち!」かえでさんのパンチが男の腹にめり込む。

ごすっと鈍い音がして、男は崩れおち、白い泡を吐きながら地面に転がって呻く。

武力80台の猛者に、モブ兵士が適うわけないよね~。

「あぁ?私は1歳か?それは気の利いたお世辞のつもりか!」

「い、いえ、それは」何かを喋りかけた横の兵士に、かえでさんが近づく。

「に!」ごすっ。

そして、阿鼻叫喚の地獄が始まった。

かえでさんは羅刹のごとく、新人兵士たちをぶちのめす。

「四十九!」ごすっ。

残る新兵はあと一人。なんか、方向性が変わっているな。

「ひっ、ひええええ 許してください、ゆるしてぐだざい……」

最後の一人は、泣きながら土下座を始めた。

「そうか。立て!お前には任務をやろう。何だかわかるか?」

「わ、わかりません!」あわてて立ち上がり、直立不動で返答する新兵。

「寝ているこいつらを叩き起こす事だ」

「は、はい!」

現代ならアウトだろうが、戦国時代ならセーフかなぁ。

次の日から、見違えるように規律がよくなり、士気が上がっていった。


特産物工場、もんぶらん製作本部を覗く。

ここはいつも激務だ。

「ピンチの時こそ、チャンスだろ!

踏み込め、いや、住み込め!」

阿部がスキル『鼓舞』を使用し、絶叫していた。

適材適所だったらしい。



旅先で見た、各地の温泉がうらやましかったので、大浴場を作った。

施設効果は民忠上昇。温泉って何処でも出るもんなんだね。

もちろん、男湯と女湯は別だ。

ふと番台を見ると、かえでさんの十字槍が立てかけられていた。

彼女も大浴場に来ているらしい。

浴場では、領民とも裸の付き合い。

「お館さま、こんな時間から風呂ですかい?豪勢ですな~」

「お前もだろ」

「はっはっは」


「よ~じょ、よ~じょ、ろりろり~」

聞きなれた阿倍の声が浴場の外から聞こえてくる。

酔ってるなアイツ。

「きゃ~!」「変態」「阿部よぉ~!」

女湯から、黄色い悲鳴が聞こえてくる。

「なんだなんだ」「行ってみっか」

エロ親父たちが、ここぞとばかりに女湯へ向かう。

俺も阿部を止めに行った方がいいのか。そう逡巡したとき、

ごすっ という聞きなれたパンチ音が聞こえた。

その音は、何度も何度も、女湯のほうから聞えてくる。

「そういえば、女湯にかえでさんが居たな」

男湯と女湯を仕切る壁に、固くて柔かいものがぶつかる鈍い音がした。

音で判断するに、それは、湯船に落ち、沈んで行ったようだ。


ふるいけや、かわずとびこむ、みずのおと  か。

風呂を出た時、女湯の前には「立ち入り禁止」の札が貼ってあった。

扉の隙間から、赤い空間がちらりと見えた。



「お館さま!探しましたぞ」

風呂から上がると、相馬が息を切らしながら、走ってきた。

「先ほど、病院から急報があり、ご子息が産まれました!

男の子です。母子ともに無事とのこと」

「よし。幼名は決めてある。栗丸だ」

前から考えておいたんだ。名物は栗だからな。

「舞蹴に、宴会の用意をさせろ」



■ここは、忍の里

「師匠。今月の甘栗広報は、このような形で行こうと思います」

流水斎と健太郎が闇の中で話しあっている。

「健太郎よ、時代は「萌え」だぞ。くのいちを混ぜとんかい」

「お言葉ですが、「萌え」の合う、くのいちは我が里にはおりません」

空気が揺れ、配下の忍者が部屋の片隅に現れる。

「頭領、監視対象が酒場で泥酔し、全裸になりました」

「ふむ。舞蹴(まいける)がなんとかするだろう。

それに、お館さまから3回に2回は大目に見ろ と言われている」

再度、空気が揺れる。

「頭領、監視対象が、栗林で嘔吐を始めました」

「肥料と考えれば問題は無かろう」

続々と忍者が入ってくる。

「頭領、監視対象が、ようじょの歌という卑猥な歌を歌い始めました」

「監視対象が、全裸で女風呂に突入しました」

すっくと立ち上がる流水斎。

「いかん!これはいかんぞ。健太郎、早速ワシが取り押さえてこよう!」

「師匠、くのいちに行かせた方が良いかと」

「何を言う。無粋、いや無礼である。ひとっ走り行ってこよう」

空気が揺れる。

「頭領、監視対象が、女風呂に居合わせた相馬かえで様に全殺しにされ、

病院送りになりました」

流水斎は、無言で座りなおす。

「師匠、行かないんですか?」

「くのいちに任せておけばよかろう」

「では、甘栗広報についてですが……」


次回「本気で合戦!」

佐久間家現在総兵力3000弱と、

配下武将8名を投入した、総力戦!

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