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猫と嫁!

三毛村さんと出会った翌日。

リアルで会ったときに佐野に話したが、まるで信じてくれなかった。

だが、俺は佐野が信じたくない理由に心当たりがある。

彼の領地のしゃべる生き物は、あの人魚(仮)の可能性があるからだ。


昨日は、三毛村さんと一緒に、館まで帰ってからログアウト。

三毛村さんは、領内では有名猫のようで、領民から慕われていた。

「あっ、三毛村さん、お館さまに仕えたのですね」

「うむ、そうじゃぁ」

「三毛村さん、また飲みにいきましょうよ」

「牛の乳ならいいなぁ」

配下武将たちも普通に三毛村さんと接していた。

本人いわく「神通力」とのことだが……

このゲーム会社、三国志に始皇帝、劉邦、李世民の三大皇帝オンパレードとかしてるから気にしたら負けか。


今日は「武将探索」の報告会をする。

バージョンアップで追加された、8*8マス拡張クエストは、超混雑しているのようなので、もう少し我慢。

このクエストは、日本各地の大名に手紙を届けるというものだ。

各国の本城城下町に一度でも行ったことがあれば、転移でその国に一瞬で行けるが、行ったことが無ければ、地道に歩いていくしかない。

その結果、移動力増強アイテム「名馬」の値段が高騰している。

「名馬」は、領地に牧場を建設すると、稀に出現することがある。

うちの牧場からは、まだ「名馬」は出たことが無い。

今日、「乳牛」が出たという報告があったのが不思議ではある。



まずは、景気づけに、こないだ貰ったスキルガチャを引いてみる。

【魅力系スキル『脅迫』を入手しました】

「NPCの弱みに付け込んで、自分の思い通りに行動させる

ただし、対象NPCからの友好度が一段下がる」

と説明文に書いてあった。

今回のバージョンアップで新規追加されたスキルらしく、スキル名だけは一覧にあるが使用例がネット上に上がっていない。

一応は、出現率「レア」のスキルなのだが、当たりなのか外れなのか、判断に困る。


気を取り直して「武将探索」の結果報告会を館で開く。

まずは、相馬を配下PTに入れる。

俺の知力は30台。決して高い数字ではない。

他人のステータス確認は知力値依存の行動だ。

そのため、他人のステータスを見ても「?」と表示され能力値が解らない。

だが、相馬をPTに入れると、知力補正とスキル『人物評価』のおかげでステータスの数字がある程度見えるようになる。


気になっていた三毛村さんのステータスを確認。

『武:10未 知:100超 政:100超 魅:50超 技:10未』

空いた口がふさがりません。うちの軍師は猫ですか?


「お館さま。うちの姉です」

相馬が連れてきたのは、ほっそりとした、日に焼けたこげ茶色の髪の女性。

「お館さま、うちのバカ弟が、いつもお世話になっております」

『武:80超 知:60超 政:20超 魅:50超 技:60超』

さすが相馬の姉だけあって、高い能力。武力に偏ってるのが、姉弟間の力関係を指しているようで怖い。

2人で組ませて1隊任せられそうだ。

「うむ、姉弟ともども、よろしく頼むぞ」


次は、八野行ってみるか。

「すげぇ奴を連れてきました。歌舞伎町の顔役、舞蹴(まいける)です!」

「ヨロシクゥ!」

背の高い、色黒のマッチョマン。

黄色と黒の虎縞模様の着流しに、熊の毛皮の羽織。傾いた男だ。

『武:50超 知:20超 政:30超 魅:40超 技:10超』

「帰れ」「シット!」

また、飲み仲間ネタか、八野!

「お館さまぁ。ちょといいか?」

三毛村さんが肉球でつんつんしてくる。

「この領地で、一番人が集まるのは歌舞伎町だぞ。

そこの顔役を押さえておくことは、領地管理の観点で損は無いよ?」

猫のくせに、なかなかいいこと言いやがる。

「むぅ、確かに。舞蹴、採用だ。歌舞伎町の情報収集と、

暇そうな奴らの寡兵を命じる!」

「イエェェェ!」舞蹴は、八野とハイタッチしている。

大丈夫かこいつら。



阿部は危険なので今回は工場で働かせている。

どうせ行かせても、オチが見えている。



「健太郎、頼むぞ」

健太郎は忍者だ。

変装に優れ、いつも違った風体をしているので本当の姿は俺もわからない。

「は。修験者上がりの老人を連れてきました」

入ってきたのは、60歳くらいの白髭のお爺さん。

中肉中背で、髪も眉毛も白いものが混じっている。

「ほっほっほ、お館さま、いつもいつも腰痛の薬草を頂き、

感謝しておりますぞ」

よく見たら、いつもの薬草クエスト爺さんだった。

あのクエストは毎回山賊が湧くので、兵士数確保のためにヒマな時は何度もマラソンしている。

いちおう、ステータス確認。

『武:隠匿 知:隠匿 政:隠匿 魅:隠匿 技:隠匿』

ステータスが見えない。スキル『隠匿』とスキル『人物評価』がかち合うとこうなる。

といっても、能力値に大きく差があれば、情報を引き抜けるはずなのに。

今のPT構成は、三毛村さん(知力100超)と相馬(知力90超)が居て、知力特化になっている。

これでも抜けないというのは、ただものじゃ無いぞ、この爺さん。

「健太郎も人が悪いぞぉ。君のお師匠さまじゃないかぁ」

三毛村さん、なんでそんな事知ってるんだ??

「さすが三毛村殿、バレておりますか。

お館様、ワシは健太郎の忍術の師匠ですわい。老い先短い命、好きなように使って下され」

「採用!諜報活動と、忍者集団の技能向上を頼む」

即決。忍者という、特殊技術者は喉から手が出るほどほしい。

「承知。血が湧きますなぁ ククククク」

あの薬草、なんかヤバい成分でも入っていたのじゃなかろうか。


「じゃ、中原はどうだ?」

「面目ない。拙者は、今回は見つけられなかったでござる。

元太殿に期待しておりまする」

中原が、にやにやしながら、元太の方を見ている。

2人で協力して見つけて元太に功を譲った とかかな?


「という事らしいが、元太。締めを頼むぜ」

「は、はい。入れ」

元太が、やけに緊張して固くなっている。

入ってきたのは、10代後半の、可愛らしいが少し大柄な女性。

元太の隣に並んで座る。元太も体が大きいので、並んで座ると良い感じ。

「中原の姪で、けい と申します」

ステータスを確認する。まさか、また忍者とか言わないよな。

『武:30超 知:20超 政:20超 魅:30超 技:20超』

一般人よりは上だが、それほど高くは無い。

源三のときみたいにスキル持ちか?

「父上、元太は、けい殿と夫婦の契りを結びたく思う次第であります!」

婚活か!?

「お似合いだにゃぁ」「ほうほう」「イェェ」

ぱちぱちぱちと誰かが拍手を始める。

絶句していた俺をしり目に、大広間の中はお祭り騒ぎだ。もう何も言える雰囲気では無い。

まぁ、いいか。元太の嫁取りどうしようかって悩んでたから渡りに船だ。

「よし、許す!」


今回の武将探索は、猫に始まり、嫁に終わる、上々の結果で終わった。

これで、現実的に4,5部隊は構築できる。

選りすぐりの精鋭武将たち。

大大名と全面戦争でもしない限り、まず問題は無い顔ぶれだ。


早速、8*8マスに拡張して、次のバージョンアップに備えよう。


武将が増えてきたので、

次回は情報まとめておきます

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