暁の水平線
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念願の「港」を手に入れた!
(毛利から)造船技術を手に入れた!
そして建造が始められたのが、安宅級戦艦。
甲板には2門の単装国崩しが並び、物資や兵員の輸送ができる。
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いつものように高田城に集まった面々。
今日の議題は「新型戦艦の名前を何にするか」であった。
「ごほん。では頭領の俺から案を発表させてもらおう。
『雪風』だ!大戦を生き残った奇跡の駆逐艦!喰らった砲弾は全て不発。
これにかなう命名はあるまい」
自信満々で提案する。
自画自賛ではあるが、これにかなう命名は無い と思っている。
そして、次の人を指名する。
「じゃ、次に軍師のぽえる」
「はい」
俺が指名して座ると、ぽえるがおさげを整えながら立ち上がる。
「まさか『雪風』が来るとは……。
やりますね。佐久間さん。
ですが、安宅船は近代でこそ駆逐艦クラスですが、この時代ではれっきとした大型艦です。
ここはドイツ最大最強戦艦の名を取り『ビスマルク』。どうですか!?」
予想外のカタカナ名に沈黙が流れる。
「いやぁ、さすがに日本語じゃないとだめだろ?」
赤影さんが呆れ顔で突っ込む。
ぽえるは、取り出した紙に、さらさらと『美須丸九』と書いた。
「次は切り込み隊長の佐野さん、お願いします」
ぽえるに変わって、佐野が立ち上がる。
「ちょっと、みんな考えすぎだぜ?
日本の船なら、なんとか丸が定番だろ」
佐野が取り出した紙には『真田丸』と書いてあった。
「戦国の荒波をものともしない船だ」
「おぉ、うまいうまい」
ぱちぱちと赤影さんが拍手をする。
「僕の考えてきた『オアシス・オブ・ザ・シーズ』より格好いいです」
御神楽が悔しそうな顔をする。彼の家、実はプチセレブらしい。
「いや、お前それ、世界最大の豪華客船……」
平常運転であるとはいえ、真面目に考えてきた自分が正直バカらしくなってきた。
投票の結果、無難(?)な『真田丸』に落ち着いた。
引き続き、セクハラ荒木どんの攻略に移ります。




