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とある死と始まり

「Art is born of sadness and suffering」

 芸術は悲しみと苦しみから生まれる。

 尊敬する画家の一人、パブロ・ピカソの言葉だが、恐らく今の私には当て嵌まらない。悲しみが、苦しみが、あまりに深過ぎる。

 妻が死んだ。それももう・・一週間も前の話になる。それともまだ・・一週間だろうか。


『現代絵画界の巨匠……氏の最愛の妻……さん他界。享年七十三歳。死因は心不全』

『……氏、活動を休止。「今の自分には人の心を動かすものは描けない」』


 葬儀一切を取り纏め、連日の取材にも出来る限り応じた。だが、本音では静かな場所が必要だった。自宅の静けさでは胸が詰まった。仕事場アトリエは落ち着かない。

 どこか、一人になれる場所が欲しかった。静かに涙を落とす場所が。そんな時だった。

 私の望みは、思わぬ形で叶ったのだ。


『……氏、突然の失踪。関係者「何も聞いていない」』

『後追い自殺か。警察、連日の捜索も、……氏の行方未だわからず』


 私は見知らぬ土地にいた。

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