表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

未完成

作者: 木村乃村
掲載日:2026/05/09

先客が1名いた。


一席空けて腰を下ろす。

背の高い椅子は、足が床につかない。


皺ひとつないシャツの袖を軽く直す。

磨いた革靴の先だけが、薄暗い照明を反射していた。


「いつものを」

注文と一緒に小さく息を吐く。

 

マスターは小さく頷き、

メーカーズマークのロックを静かに置く。


先にチェイサーで口を湿らせる。

少しだけ酒を舐める。


隣の男は、グラスを持ったままほとんど動かない。


長い前髪が目元に落ちている。

シャツには細かい皺が残ったままだった。


氷が、静かに鳴る。


ふと隣を見る。

視線が重なった。

その目は希望に満ちた目だった。

 

ああ…そうか。


グラスには、長い前髪が映る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ