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君を殺す夢を見た  作者: Luckline
君を殺す夢を見た第一章 - ウルスナヤ連邦編/起死回生
1/1

第一話「味気のない日々と夢の始まり」


1月12日/8:10

「あ、遅刻だ……」


 思わず口をついて出たその言葉に、自分で苦笑いを浮かべる。もう学校なんて行っていないのに、未だに習慣の名残があるのだろうか。普段なら7時前には目が覚めるのに、今日はどうにも寝過ごしてしまったようだ。


「……変な夢でも見たっけ?」


 何も思い出せない。昨日のことも、何をしていたのかも。ただ毎日同じような景色、同じような日々が繰り返されるだけだから、覚えておく必要も感じないのだ。


「久々に外に出るか……食べ物もそろそろ無くなりそうだし」


 そう思ってみても、体は動こうとしない。けれど、このままでは本当に飢え死にしかねない。ようやく重い腰を上げて、近くのコンビニに向かうことにした。


「いらっしゃいませ~」


 無機質な店員の声が店内に響く。いつものように店内を歩き回りながら、ふと棚を見てため息をついた。


「うーん……こないだ買ったパン、もう売ってないのか……困ったな」


 手に取りかけていた別のパンを戻し、他の商品を眺めるが、どうも気が乗らない。いつもと違うものを選ぶのはリスクが高い気がしてならない。だが、その時ふと目に留まったのが、コーヒーゼリーだった。


 「これだ……!」


 ゼリーと一緒に、ミルクティーも手に取る。


 「よし、これで決まり」


 「二点で、合計320円です」


 「また値上がりしてる……」


 1000円札を渡し、レジから戻ってくるお釣りを受け取る。


 「ありがとうございました」


 商品を受け取ると、少し歩いてから家に戻ることにした。


-----------------------------


1月12日/10:20

 コーヒーゼリーを砕いてコップに入れ、そこにミルクティーを注ぐ。簡単なのに驚くほど美味しい組み合わせだ。


 「やっぱり美味しいな……でも、値上げはちょっと辛いかも。最近バイトしてないし、家賃ももう1ヶ月滞納してるんだよな……そろそろ働かないとマズいかも」


 働かないといけない。そう口に出してはみたものの、自分にはそれが難しいのではないかと思っている。高校生だが不登校という状況では、バイトにちゃんと行ける自信がないのだ。


 「でも、やってみないと……」


 ふと思い出した。数日前に応募したバイトの結果をまだ確認していなかったことを。


「あ、不採用……やっぱりか」


 簡単に採用されるはずがないとわかっていたことだが、少し心に引っかかる。コーヒーゼリーとミルクティーだけで過ごした今日。明日こそ何か食べ物を買わなければ、本当に飢え死にするかもしれない。


 でも、そんな些細な悩みは脇に置いておいて――


 「Lamentum!!!」


 自分には楽しみにしていることが一つだけあった。それは、ゲームだ。


 Lamentum (ラメンタム)

 Lamentumは、現代を舞台にしたアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは普通の一般人となり、各国の陰謀や争いに巻き込まれながら生き延びることを目指す。セーブポイントはあるが、回数は限られており、その限られたリソースをどう活用するかが鍵となる。


 だが、楽しみなのはゲームだけではない。自分には推しキャラがいるのだ。


 「今日もメルさん、かわいい……」


 自分は推しのために生きていると言っても過言ではないのだ。


-----------------------------


1月12日/夕方

 ふとした違和感を覚える。いつもの景色が、どこか歪んで見える。体が軽く、現実感が薄れていくような感覚があるが、疲れているだけだろうと自分に言い聞かせる。


夜9:33

 「ふぁ〜……ねむい。あ、もうこんな時間。そろそろ寝ないと」


 見た目に反して、自分は意外と規則正しい生活をしている。食事と運動不足を除けば。


 「よし、寝よう……明日も一日ダルいなぁ」



 布団に潜り込んで目を閉じる。


???月???日 ???時???分

 「……」


 目を瞑っていると、いつもの部屋が静かすぎる。まるで何もないかのような、異様な静寂。


 「……?」


 頭の中で、かすかなノイズのような音が響いている。遠くから誰かが囁いているような――


 「聞こえますか……?」


 耳を澄ますと、その声が徐々に鮮明になり、体に感覚が戻ってきた。


 「……?」


 「目が覚めましたか?」


 次に目を開けたとき、そこに広がっていたのは、見慣れた暗い部屋ではなく、瓦礫と廃墟が広がる荒れ果てた都市の景色だった。


 「……え?」


 「落ち着いてください」


 「え?どうして……ここは……?確かに家にいたはずなのに……」自分は突然の出来事に心臓が早鐘のように鳴り、冷たい汗が背中を伝う。何が起きているのか理解できず、混乱で頭がいっぱいに。


 「家……?ここ一帯は完全に破壊されているからどれが君の家なのかはさっぱりだ☆」


 少女の冷静な声が、より現実感を強める。


 「私はMertensia La Kazver'l、志願軍に所属しているマルチ戦闘員です治療もできるので任せていいですよ。あと私の事ばメルって呼んでくださいね!!ところであなたは?」


 メルテンシア……?その名前と顔に、聞き覚えがある。まさか――


 「え、これは夢?」


 「何を言ってるんですか、これは現実ですよ?」


 現実……?自分は思いっきり頬をつねる。痛みがしっかりと感じられた。夢じゃない、これが本当なら――


 「名前を教えてください、生存者名簿に記載します」


 「あ、えっと……水紀みずき しゅんです……」


 「水紀……しゅん?変わった名前ですね、この国の人ではなさそう」そう言ってメルテンシアは首を傾げ、名前を読み上げる、初めてこのような名前の人に出会ったのか....??


「え……?あ、はい……」


 推しキャラが、目の前にいる……!実物!? だが、興奮を抑えなくては


 「それで……ここで何が起きたんですか?」と自分はメルテンシアに問いかけた。


 「ここはウルスナヤ連邦のウルジス市。君がどうやってここに来たのかは分からないけど、今この都市は戦争の最前線になってるの。」とメルテンシアは落ち着いて自分に説明した


 「ウルスナヤ連邦……?確か、資源が豊富で急成長している国だったはずだけど、戦争中なのか?」


 「そう。シュヴェッツェン帝国との間でね。この街は帝国の奇襲を受けて壊滅状態になっているの。」


 これは、ゲームの世界なのか...??本当に。

その考えが、一番現状に合っている気がした。


 「まずは生き延びないと……」


 「頭は働いてるみたいですね。まずは安全な場所に移動しましょう。現在、帝国軍がそこら中にいるから、私の分隊と合流して、小隊と一緒に安全圏へ向かいましょう」とメルテンシアが言った


 「ちょっと、言い方キツくないですか……?でも、わかりました……」


 「まぁまぁ、ごめんなさいね(棒読み)」


 「絶対謝る気ないでしょ!」


 メルテンシアはわざとらしく微笑みながら返事をする。その 軽口に、少し安心感を覚えた自分がいた。




 --- 味気のない日々と夢の始まり

異世界に飛ばされた主人公、果たしてこの後は...??

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