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理科室

 俺に自我が目覚めたのはふとした瞬間だった。


 そこは真夜中の理科室のようだった。

なぜ俺がそこにいるのかは理解できなかった。


 まず状況を整理しよう。

なぜか俺は箱の中にいた。

何かに繋がれているみたいで俺は箱から出ることは出来ない。

幸い、箱は透明なのでどこかの学校の理科室であることは分かる。

そして、俺は立っているみたいだ。

立った状態で透明な箱に監禁されているようだった。


 どうやら俺は転生に成功したらしい。

でも、自我が目覚めた時はたいてい赤ん坊だ。

でも今は違う。

ある程度成長している姿のようだ。


 首の動く範囲で俺は自分の体を見渡した。

胸は少し膨らんでいるような感じだ。

ていうか、女!!

俺は少し驚いた。

何度も転生しているが女に転生するのは初めてだ。

もちろん覚えている範囲でだが。


 それともう1つ驚いたことがある。

それは俺が服を着ていないと言うこと。

なぜ俺が服を着ていないのかは理解が出来ない。

とにかく恥ずかしい。


 それから俺は誰もいないことを幸いとして自分の体を触りまくった。

どうやら女であることは間違いなさそうだ。


 それにしてもこの状況はまるで羞恥プレイだ。

どんどん恥ずかしくなってくる。

誰か俺に服を着させて欲しい。

俺は次第に素言う思い始めた。


 そういえば、理科準備室当たりが煌々と明るい。

誰かいるのだろうか。

俺がそう思っていると誰かが部屋から出てきた。

女子高生らしき人物だ。


 「あちゃ〜、もうこんな時間なんか

光陰矢の如し、時間が過ぎるのもあっちゅうまやな。

まだ、アンドロイドも起動しいへんし」

と言いながら俺に近寄ってきた。


 よく見るとその女子高生はメガネ美少女だった。

俺の体をじぃ〜っと見てくる。

俺は恥ずかしくなり思わず

「そんなに見つめないでください」

と言ってしまった。

その女子高生はかなり驚いていた。


 しばらくして

「やった!!

完成や。

うちのアンドロイドは完成やで」

と叫んだ。


 俺は思わず、

「博士、何が完成なのでしょうか?」

と聞いてしまった。


 それにしてもさっきからしゃべり方が奇妙だ。

俺の頭の中の言葉がなぜか品の良い言葉に変換されているようだった。

それにしても博士って言うのはこの女子高生のことだろうか。


 女子高生は

「今日からうちのことはママと呼びい

うちはあんたのことを一から設計し作ったママや。

うちがあんたのお母さんや」

と言った。


 俺はとりあえず冷静に

「それでしたら早速お願いがあります。

博士、このしゃべり方は気持ち悪いので普通のしゃべり方が出来る容認なりませんか。

私はもっと自然にしゃべりたいので」

と注文してみた。

女子高生は

「そんなん簡単や。

少し回路を変えればいいだけや。

それにしてもこの話し方そんなに気に食わん?」

俺は頷いた。

「よっしゃ、ちょい待ち」

それから俺の体を1時間こねくり回し回路の接続は完了した。


 俺は自由に話せるようになったのでいろいろと聞いてみた。

「え〜と、まず俺はアンドロイドっていうことで良いのか?」


「へぇ〜、オレっ娘なん。

ほんでそのしゃべり方なん

カワイイ姿にミスマッチでめっちゃオモロイし。

あ、はい、質問の答えなん。

そんな険しい顔でにらまんで。

正式にはガイノイド言うねん。

平たく言うとアンドロイドの女の子版や。

それにしてもオモロイわ」


「どうでもいいから早く服を着せてくれよ。

全裸じゃぁ、恥ずかしくってしょうがない」


「今、鋭意制作中や。

理科準備室でな。

気分転換も兼ねてやけど。

めっちゃ可愛いの作ってるから。

フリフリの奴」


「別にそんなのは要らないけど機内よりかはマシかな。

ていうか、もっと男らしいのないのかよ」


「え?

何で?

めっちゃ可愛いのに。

うちの自信作やからな」


まるで俺を着せかえ人形のよう考えているようだ。


 「それにしても成功やな。

人格もバッチシや。

うちな男の子みたいな女の子を作りたかってん。

だから外見そとみは女の子、中身は男の子のアンドロイドにしてん」


「なんでそんなややこしいことにしたの?

中身は男だったら外見も男にしなきゃぁ」

と俺は苦言を呈した。


 「それには2つの理由があってな。

まず、うちは男の子がどういったモノか分からへんねん。

だから外見は女の子にしか出来へんかった。

それにうちは男の裸を見とうなかったしな。

もう1つはここが重要なんやけどここが女子校だと言うこと。

男の子のアンドロイド作るのに許可が出えへんのや。

だから仕方なく中身を男の子にすることしか出来へんかった。

ちなみに男の子的思考は完全にうちの偏見や」


 なぜ、俺がアンドロイドに転生したのかはわからない。

しかし、この人生も大変に違いなさそう。


 「外見を男の子に出来なかったお詫びに胸は大きくしといたで。

男の子はおっぱいが浪漫やさかい」


 確かに嫌いではないがそれは自分の胸の話ではない。

何かこの娘は勘違いしているような。


 「せや、自己紹介しとかな。

うちは平林ひらばやし 凜香りか

よろしゅうな。

ほんで、あんたの名前は・・・。

そや、ユミや。

ユミにしとき」

と勝手に名前が決められた。


 とりあえず、今世はアンドロイド(♀)。

どういった人生になることやら。



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