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バットエンド・キャンセラー  作者: 赤槻春来
第3部.兄を超えたその先へ
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兄を超えて

「あれが『竜人』…兄様とはいえ、とても厄介な存在になりますね」


 崩壊したダークエルフの街で1人、遠目に竜人ユウと双頭竜の様子を見ていたローズは、相変わらず表情の無い声でそう言うと、周囲に散乱しているダークエルフ達の屍と共に空気に溶けていった。



ーーー



「本当にドラゴンだらけ…」

「こんなに高い場所なんて聞いてないよ…」


 目を覚ましたユリとサクラは自分達が寝ていた部屋から出ると、ユイ達のいる部屋から見える縦穴を前にそんな声を漏らした。


『2人共、そんなに近づくでない。いくら頑丈なダークエルフであれこの高さから落ちれば大怪我じゃ済まんぞ』


 そんな黒竜の忠告するような言葉に、2人はそっと後ろに下がった。


「ま、あいつらは飛翔魔法が使えるし落ちても問題無いと思うが…」

『飛翔魔法ねぇ…また珍しい魔法を覚えているのね、貴女達』


 ユイの言葉に白竜はそう言いながら2人に近づくと、まるで何かを感じ取ろうとしているのように2人を見つめた。


『…貴女達は娘婿(あの子)の事どう思ってるの?』

「リーダー、ですか?」

『えぇ…』

「ぶっちゃけ別になんとも思ってないですよ。あたしはユウ以外興味ないんで」

「私も…そうですね。ユウが信用してるから信用してるってだけです。あ、でもミリンの恋は応援してますよ?…ユウは渡しませんけど」


 ユリとサクラがそれぞれそう言うと、白竜はなんと反応していいのかわからなかったのか苦笑いを浮かべた。


「ま、相変わらずだなお前らは…」

「義姉さんには言われたくないですよ!」

「そうですよ義姉さん!血縁者同士なんてタブーですよ!」

「ッ!…そんなもの愛の前には無力だッ!」


 言い争いを始めるユイ、ユリ、サクラの3人。

 黒竜や白竜、ミリンがそんな3人の様子を生暖かい目で見守っていると、不意に3人の間に割り込むように空間が裂けた(・・・・・・)




「…何をやってるんだお前ら…」


 そんな台詞と共に、『裂け目』から『竜人』が現れると、その『裂け目』はまるで何事も無かったかのように消え去った。

 ユリとサクラは突然に現れた竜人を前に、理解が追いつけていないのか固まってしまった。


「…久しぶりだな。叔母上、叔父上」


 竜人は白竜と黒竜をその視界に捉えると、どこか懐かしむようにそう言った。


『えぇ…久しぶりね。ユウ』

『…しかし、お前…雰囲気変わったな。我が知ってるお前はもっと可愛らしかったのだが』

「…別に今でもそうさ。この時代の俺はまだ、な」


 竜人は黒竜の言葉にそう答えると、ミリンのそばで未だに気を失っているコウスケの元へと歩いていった。


「ちょっと待って。貴方、本当にユウなの…?」


 竜人がコウスケ前に止まった瞬間、ミリンはその2人の間を遮るように手を広げながらそう言った。


「…あぁ、俺はユウ。ただし、未来から来た、な」

「未来から…?」

「…別に信じなくてもいい。後のことは姉さんの言う通りにしてくれ。俺は用が済んだらまた眠る」


 竜人はミリンの手を退けると、そっとコウスケの頭に手を触れた。


「…バックアップは頼んだぞ」


 竜人はボソッとそう呟くと、力が抜けたようにその場に倒れ込んだ。


ーーー



「…ん…」

「…起きたか、ユウ」

「…姉さん…?」

「あぁ…急に倒れたから心配したんだぞ」


 目を覚ましたユウは、ゆっくりと身体を起こすとキョロキョロと周囲を見回した。


「姉さん、ここって…」

「俺達の部屋だ。竜の里の、な」


 ユイの言葉を理解したユウは飛び跳ねるようにベッドから飛び降りると、慌てた様子で廊下へと繋がる部屋の扉を開けた。


「あ、ユウ起きたんだ…どう?身体のほうは大丈夫…?」

「み、ミリン…いえ、のほう身体は大丈夫ですけど。私は一体どうしてここに…」


 扉の前でミリンと鉢合わせたユウは混乱した様子でそう言うと、不意に背後からユイが肩に手を置いた。


「どうしたユウ。悪い夢でも見たか?」

「えっと…夢、だったんでしょうか…?たしか私は竜の里(ここ)に帰る前にダークエルフの街まで戻って…あれ?」

「やっぱり混乱してるみたいだね、ユイさん」

「あぁ…」


 未だに頭にハテナを浮かべているユウ。

 2人はそんなユウの目をジッと見つめると言葉を続けた。


「ユウ、お前は竜の里(ここ)に来る直前にいきなりぶっ倒れたんだ」

「倒れた…?コースケさんじゃなくて私がですか?」

「そうだよユウ。いきなり倒れたと思ったらなんかうなされてたし…多分、相当疲れてたんだと思うよ」


 ミリンの言葉にコクリと頷くユイ。

 心配している2人の様子を前に、ユウは半信半疑だったその考えを振り払って無理矢理それを納得させた。


「えっと…では、ミリンのお母さんに会うという目的は果たせたんですか?」

「あぁ」

「でもお母さん、またどこかに行かなきゃいけないってもう出て行っちゃったんだけどね…」

「そう…ですか…」

「まぁ、ユウも機会があれば会えるよ。別に永遠の別れってわけじゃないし。ね?」

「貴女がそう言うのなら別にいいんですけど…」


 ミリンの言葉にユウがそう呟くと、そんな2人のやり取りを見たユイはニコリと微笑んだ。




「──では、ご迷惑をお掛けしました」

『問題ないわ、ユウ』

『我らも久々にお前達と会えたのでな。迷惑なんて思ってないぞ』


 ユウの言葉にそう返す白竜と黒竜。

 ユウは再び一礼をすると、縦穴の下で待っているコウスケ達の元へと飛び降りた。


『…さて、この嘘がどこまで持つかしらね』

『我らにはわかるまい。双頭竜(アヤツ)が死んだことにしろ、これからユウ達(アイツら)がどう生きていくのかも…』


 黒竜の言葉に白竜は頷くと、目下にいるコウスケ達が出るのを確認するとともに再び部屋の奥へと歩いて行った。


『姉上、何をするつもりで…?』

『そんなの…結婚式の準備に決まってるじゃない。ミリンとあのコウスケって子の』

『はぁ…相変わらずブレないな、姉上』


 嬉しそうに笑いながらそう言う白竜に黒竜はそう呟くと、縦穴を通って下層にある自身の部屋へと戻っていった。

 竜人強い。(確信)


 みなさんこんにちは!赤槻あかつき春来はるきです!


 第17章、いかがでしょうか?

 私的には最近、この後書きなんで書いてるんだろうと思い始めまして…みんないる?この私の感想みたいなやつ?好きだから書いてるけど、書くことなかったらやめようかなぁ…


 と、まぁ私の事情は置いておいて…今回のメインはユウvs双頭竜(お兄さん)!ミリンも目的を達成したし、あんまりメイン主人公のコウスケが活躍しなかった気が…(ずっと気絶してたし)

 あの結界を空間ごと破って入ってきた竜人はやっぱスペック壊れてるわ。


 さて、次回の18章は…ついにあの男が動き出す…!そしてユウも…出来るだけ早く書き上げるので気長に待っていただければと。


 面白いと思ったら今後も読んでくれると嬉しいです。

 感想やアドバイスなどありましたらコメント欄やツイッターなどに書き込んでくれると幸いです。


 それではみなさん、またどこかでお会いしましょう。

 バイバイ!

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