滅び行く街
「ローズ様、何故ポリオはいないのですか?」
コウスケ達が帰ってから数日、エルフ達の村にローズと2人の女のオーガが訪れていた。
「ポリオは別の任務中だサーズ。今回は下等なエルフ共相手だし私とあんただけで充分だろ」
「うるさいわねマーズ!そんなんだからあんたはいつもローズ様に迷惑をかけるのよ!」
「2人共」
サーズ、マーズと呼ばれた2人は、ローズの感情のない一言にその口を閉じた。
「今回父様から受けた命は一つ。人族と共存しようとしてる裏切り者のリザードマンを始末すること。残りはいくら殺しても構わないと」
「「御意」」
ーーー
「ユウ…また会えるかなぁ…」
「アヤメまたあの冒険者様のこと言ってるー!」
「ねぇねぇ、そのユウって人どんな人なの?アヤメがそんなに思ってるってことはめっちゃイケメン?」
村に保護されたアヤメは、すっかりエルフ達に溶け込むと、友人のエルフ達と遊んでいた。
「いや、綺麗な人だよ。私達リザードマンと違う、本当の竜人」
「えー!私も会いたかったー!」
「ねぇ、今度私にも紹介しt…」
「「え…」」
不意に、エルフの1人が腹部から血を流し、その場に倒れ込んだ。アヤメ達の周りにあった楽しい空気は、その光景を前に恐怖の一色はと書き換えられた。
「チッ…手応えねぇな…もっと強い奴いねぇのかよ」
「ねぇマーズ。この子、もしかしてローズ様の言ってたリザードマンじゃない?」
突然背後に現れたサーズとマーズに、アヤメが恐怖で固まっていると、もう1人のエルフが叫ぶ声をあげようとした。
「きy…」
「叫ぶんじゃねぇ!」
サーズはエルフの首を掴むと、そのままぐしゃりと握りつぶした。
「う、嘘でしょ…ねぇ!」
「あ?なんだコイツ現実逃避し始めたぞ」
「えー…壊れるの早すぎィ…」
目の前の光景に、先日のことがフラッシュバックしたアヤメは、その場にへたり込むと、笑っている2人を前に意識を失った。
「2人共。余計なことはいい。早くそのリザードマンを始末しなさい」
「ろ、ローズ様」
「いつの間に…」
「早くしなさい」
「「ぎょ、御意!」」
無表情のまま指示をするローズに、2人が慌てて返事をすると、アヤメに襲いかかろうとした。
──が、その瞬間。
数本の矢が3人の足元に突き刺さった。
「な、なんだこれは…」
「一体誰の…」
2人が狼狽していると、ローズがピクリとその眉を動かした。
「久しぶりねローズ。それと…たしか護衛役のオーガ達だったかしら」
「…姉様」
アヤメの背後からゆっくりと歩いてくる影に、ローズはそう呟いた。
「え、姉様…?」
「まさかイヨ様が…!?」
影は笑いながらその姿を見せると、気絶したアヤメを担ぎ上げた。
「相変わらずの無表情ね、ローズ」
「…姉様には関係ありません。それよりも、そのリザードマンをよこしなさい」
「嫌よ。そんな命令口調で言われたって私が聞くわけないじゃない」
「いくら姉様でも、命令を邪魔する者は排除します」
「…やれるものならやってみなさい」
影─イヨはニッと口元を歪めると、持っていたクロスボウをローズ達に向けて構えた。
「私はこの娘に用があるからね。悪いけどもらっていくわ」
イヨがクロスボウの引き金を引くと、飛んできた矢から煙のようなものが周囲に撒き散らされた。
「また会いましょう。可愛い私の妹…」
煙が晴れると、3人の前からイヨとアヤメの姿は無くなっていた。
「姉様…また私の邪魔ばかり…サーズ、マーズ。任務は失敗です。帰りますよ」
「で、でも…」
「帰るよマーズ。ローズ様の言葉は絶対だ」
マーズが渋々頷くと、3人は空気に溶けるように消えていった。
みなさんこんにちは!赤槻春来です。
今回は第10章!節目でございます!いえーい!まだ折り返し…というわけではないのですが、この物語を語る大事な章になったと思います。
前半はユイ姉とのお風呂回!前回できなかったのでここに入れたって感じです。私個人としてはこの2人の関係結構好き。(真顔)…ってか女体化したときの自分にコンプレックス持ってるユウちゃん可愛い!
そして後半は…色々詰め込みすぎましたね。はい。竜人を名乗る外道か現れたり、コウスケがまた暴走したり…
個人的にはユウがコウスケの心の中で言い合うシーンが好きです。男同士の語り合い…なはずなんだけど、構図が主人公を支えるヒロインみたいになってしまった…何故だ…
終盤に登場した新キャラ、イヨ!実は回想シーンで一回出てます。はい。これからどうやってみんなと関わっていくのやら。
さてさて次回は第11章!改めてお互いの存在を確認したコウスケとユウに一体何が起こるのか…!
まだまだ完結まで遠いので気長にお付き合いしていただければなと。
面白いと思ったら今後も読んでくれると嬉しいです。
感想やアドバイスなどありましたらコメント欄やツイッターなどに書き込んでくれると幸いです。
それではみなさん、またどこかでお会いしましょう。ちゃお!




