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バットエンド・キャンセラー  作者: 赤槻春来
第1部.宿敵と奇妙な薬
23/112

リベンジマッチ



「…スケッ!コウスケッ!」

「…!」


 コウスケはミリンに呼ばれたのに気付くとハッとした様子で顔を上げた。


「なんだ?ミリン」


 コウスケがそう返すとミリンは不満気に顔を歪めた。


「さっからぼーっとしてて呼びかけても反応しなかったくせに」

「えっ」


 コウスケは慌てて辺りを見渡すとそこは先程までコウスケがエイズと戦っていた場所だった。ただ、エイズとの戦いで凹んだ壁も壊れたケースも存在しなかったが。


「よかったぁぁ!ユリぃぃぃ生きててくれてぇぇぇ!」

「ちょっとユウ!?どうしたの急に」


 コウスケがチラリと目をやると泣きながらユリに抱きついたユウがいた。ユリは驚きの表情を見せていたが背後に『役得』の二文字が浮かんでいるようにも見えた。


「これは一体…」


 ユウの行動に違和感を覚えたコウスケは銃の反動で動かなくなったはずの右手を見つめるとこれと似た感覚を思い出していた。


「タイムループ…」


 コウスケがそう呟くとそんな4人の背後から小爆発が起こった。


「ほう…まさかキマイラを倒すとは…自信作だっただけあってこれは期待以上だ…」


 怪しい笑みを浮かべながら煙の中から出てきたのは先程コウスケ達を殺した張本人…エイズだった。


「やはりこういうことでしたか…やり直すというのは」


 ユウは武器を握る両手に力を込めると何かを覚悟したようにエイズのほうを見た。


「ほう…これはもしかしてあのときの生き残りか…俺はディザスター帝国四天王の1人、エイズ。さぁ…そこの竜人を渡してもらおうか」


 エイズはそう言うと手招くように右手を動かした。


「はっ!誰が性病なんかにユウさんを渡すと思うかよ!」


 コウスケは挑発するように大声で言い放つと2本の剣を構えた。


「戦えるよな…ユウさん」

「!えぇ…!やってみせますよ!」


 ユウは武器を構えるとコウスケの横に並び立った。


「ちょっと!あたし達も忘れないでね!」

「わたしの戦うから!」


 ミリンとユリはそう言うと2人の後ろに構えた。


「それじゃ…本日2回目のりますか!」


 コウスケの声を合図にユウは銃の引き金を引くと4人はエイズに向かって走りだした。


「ホルマリン漬けにしてやるぜ…!」


 エイズは不敵な笑みを浮かべながらそう言うと向かってくるコウスケ達を迎え撃つように両手を広げた。


「はぁっ…!」


 コウスケはエイズの正面に来ると右手に持った《ダークスレイヤー》を振り下ろした。

 エイズは無言でそれをかわすと宙を待ってミリン達のいるほうへと飛んでいった。


「今です!ユリ!ミリン!」


 ユウがそう言うと待っていましたと言わんばかりに2人は首肯するとユリは地面を殴りつけた。


「はァッ!」


 ユリに殴られた地面にヒビが入るとすかさずミリンが口を開いた。


水素爆発ハイドロジェン・エクスプロージョンッ!」


 ユリは後方に地面を蹴るとヒビの入った部分から爆発が起こった。爆風とともに飛び散った地面だったものは形をより鋭利なものに変えながらエイズのほうへと飛んでいった。


「…チッ」


 宙を舞っているエイズはソレをかわそうと身を捩るがソレは容赦なくエイズの身体に突き刺さった。


「やったか…?」


 コウスケはエイズが地面に落ちる光景を見てそう呟くとそれを見たユウが慌てた様子で口を開いた。


「コースケさんッ!後ろッ!」

「えっ」


 コウスケが振り返ると全身に地面の破片が刺さったエイズが右腕を振り上げていた。


「死ね」

「…ッ!」


 コウスケは反射的に目を瞑るが振り下ろされたエイズの拳はコウスケには触れなかった。そして代わりに生暖かい何かがコウスケの身体を濡らした。


「ぇ…」


 コウスケは恐る恐る目を開けると、今までエイズが立っていたそこには巨大な鎌を持ち、黒い布を身にまとった人物が立っていた。


「死神…」


 死神はコウスケのほうを振り返り骸骨のような顔を覗かせると変声期越しのようなノイズがかった低い声でゆっくりと口を開いた。


「お前、馬鹿か?お前達程度のレベルじゃ300を超えてるあいつは倒せない。この中でまともに戦えるのはユウしかいない」


 死神はそれだけ言うと地面をコンと蹴った。


「上からの命令だ。悪く思うな」

「おい!それってどういう…」


 コウスケが言い返そうとするもその身体は自分の足元にある影に飲み込まれていった。


「貴様…よくも俺の右腕を…ッ!」


 いつのまにか壁まで飛ばされていたエイズは膝から先が切り落とされた右腕を抑えながら瓦礫の中から這い出てきた。

 死神はそんなエイズを無視するとえぐれた地面のそばに立つユウ達のほうへと歩いてきた。


「死神…」


 ミリンはこの顔を見るにそう呟くと不意に死神は笑ったような感じがした。


「お前も俺を死神と呼ぶのか…まぁいい、忠告だ。今すぐここから立ち去れ。ユウ以外はアイツとまともにやりあえない」


 死神の声にミリンとユリは顔を合わせるとユウが口を開いた。


「それは一体どういう…」

「そんなレベルでは『また』死ぬのがオチだ」


 死神は戸惑うミリンとユリの前で踵を鳴らすと2人が抵抗する間も無く足元の影に飲まれていった。


「ミリン!ユリ!」


 ユウが慌てた様子で声を上げると死神はなんともないといったように口を開いた。


「…安心しろ。あの男と同じで安全な場所へ送っただけだ」

「安全な場所…?」



ーーー



 影に飲まれたミリンは遺跡前の建物の影から姿を現すとそのまま重力に従って下に落ちていった。


「ぐぇ…」

「ん?」


 ミリンの身体は地面に触れず、かわりに柔らかいクッションのようなものの上に乗っかった。


「『ぐぇ』?」


 ミリンは下から聞こえた珍妙な声に恐る恐る視線を下げるとコウスケがミリンの下敷きになっていた。


「わわっ!ごめんコウスケ!」

「…いたた…ミリンか。大丈夫だよ俺は。うんあばらが何本かいったくらいだから大丈夫大丈夫」

「いや全然大丈夫じゃないよね!?」


 ヨロヨロと立ち上がろうとするコウスケ前にミリンは思わず叫び声を上げた。



ーーー



「それで?コースケさん達は今どこに?」

「それは後で教える。今はアレをどうにかするのが先だ」


 死神はエイズを指差すと先程より強い殺気に身を包んだエイズの姿がそこにはあった。


「この俺を無視するとは…許さん…許さんぞ貴様らァァァァ!」


 エイズはそう叫ぶとものすごい形相でユウ達のほうへと突っ込んできた。


「ユウ」

「わかってますよ」


 2人はエイズをかわすと身体を反転させて体制を整えた。


「消えてください」


 ユウが右手に構えた銃の引き金を引くと、そこから放たれた濃密な魔力の込められた弾は一直線にエイズの左腹部を貫いた。


「き、貴様…!」

「油断したな」


 エイズがユウに気を取られた瞬間、その背後から音もなく現れた死神は持っていた大鎌を振るとエイズの首を通り抜けた。


「ミッション…コンプリート」


 死神は静かな声でそう呟くとエイズの身体は電池の切れた人形のようにパタリと倒れた。


「本当に首の皮一枚だけ残ってる…」


 息をしなくなったエイズを見たユウは驚き半分感心半分といった様子で呟くと死神のもとに歩いていった。


「死神…あなたは一体何者ですか?」


 ユウの言葉に死神は一瞬、少し俯きがちなるとすぐに顔を上げてユウのほうへ向き直った。


「いつか…近いうちに教えてやるさ。それよりも早く遺跡の入り口に戻れ。仲間が待ってるぞ」


 死神はそのまま自らの影の中に沈んでいくとそれにと付け足した。


「俺は上の指示に従ってるだけだ。…今はな」


 死神の姿が完全に見えなくなった時、ユウの頭の中にはそのノイズがかった低い声が響いていた。



ーーー



「お待たせしました」


 遺跡の入り口まで戻ったユウはすでに集まっていたコウスケ達を見つけるとそう言った。


「あ!ユウ!よかったぁ…殺されたりしてなくて…」


 ユリはそう言うなりユウに抱きついた。


「大丈夫ですよ。おそらくですが死神はいい人ですから」


 ユウが自然にユリを抱きしめ返すとコウスケの後方から叫ぶような非難の声が響いてきた。


「あー!ユリッ!抜け駆け禁止!僕のユウから離れてよ!」


 4人が振り向くとスミレとカイトがものすごい勢いでコウスケ達のほうへ走ってきた。


「『僕の』?ユウはあたしのだから!何勝手に自分のだって決めつけてんの?」

「いや、私は誰のものでもないんですけど…」

「昨日ユウの入浴中に風呂に突っ込んでったくせに!」

「君だって僕がいないとき毎日一緒に風呂に入ってるくせに!」


 ぐぬぬ…と、ユリとサクラ、スミレがいがみ合いを始めると拉致が開かないといった様子でコウスケに回復魔法をかけていたミリンが慌てて止めに入ると事態は収束した。



ーーー



 コウスケ達が宿に戻るとお使いに行っているのかハルナはいなく、リビングには宿にいるはずのサクラの姿も見れなかった。


「ハルナちゃんはお使いだからわかるけど…サクラは?」

「さぁ?」


 ミリンの問いかけにコウスケとユリが首をかしげると先に自室に戻っていたユウが自室で驚愕の声をあげていた。


「ユウさん!どうしたの!?」

「あ!コースケさんは今見ちゃダメです!」


 コウスケ達はユウの部屋に向かうと入り口にいたユウが右手で勢いよくコウスケの目を攻撃した。


「ぎゃァァッ!目がぁ!目がぁッ!」

「ごめんなさいコースケさん。これを見せるわけにはいかないんです…」


 転がりまわるコウスケにユウはそう言うと部屋のほうへと目を向けた。


「あー…たしかにこれは…」

「リーダーには見せられないね…」


 2人はユウのベッドの上で気持ち良さそうに寝ている半裸のサクラを見ると現実逃避をするようにそう呟いた。




 はい!みなさんこんにちは赤槻あかつき春来はるきです!(大声)最近は時間がなくてあまり書けないです…


 というわけで今回は第6章どうだったでしょうか?

 私的には前半ネタ後半本編って感じで書いてました。まぁ作品上仕方ないんだけど重い内容多いですからね…(遠い目)

 前半のアレはネタです。はい。ちょっと際どいけど直接的な描写じゃないし大丈夫じゃね?って感じで書いてました。(後で読み返して大丈夫か?と不安になった)

 きっとみんなの脳内では謎の光で全年齢対象になるから大丈夫ですよね!(現実逃避)

 実際小学生でもそういうのは見れますから…

 女バージョンのユウもいい!(あんまり変わってない)

 これからもこんな感じでおかしな内容と重い内容を交互に混ぜていくと思います。(宣言)


 第7章は…なにやろうかな…今回とは違ってネタ回になると思うので楽しみにしてくれれば幸いです!


 面白いと思ったら今後も読んでくれると嬉しいです。

 感想やアドバイスなどありましたらコメント欄やツイッターなどに書き込んでくれると幸いです。


 それでは!また!どこかで!お会いしましょう!

チャオ〜♪

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