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バットエンド・キャンセラー  作者: 赤槻春来
第1部.彼の過去と彼女達
11/110

彼女達との出会いは



「あたしはユリ。誇り高きダークエルフの末裔まつえいよ」


 勝気そうな銀髪の少女─ユリは全く無い胸を反らしながらそう言うと隣にいたユリと瓜二つの茶髪の少女もユリと同じように無い胸を反らした。


「わたしはサクラです。お気づきのようですがわたしはエルフの末裔です。助けていただきありがとうございます」


 サクラはユリよりも言葉遣いは丁寧だが、ユリと同様、少し勝気そうにも感じられた。


「気にしないでください。私は食料を調達しているところでしたから」


 ユウは2人に微笑みながらそう言うと2人は顔を見合わせた。


「食料…?」

「そんなものこの森にありましたっけ?」


 その反応を見たユウはまわりに落ちているオークの死体を指差すと2人のほうに向き直した。


「これですよ?食料というのは」

『えっ⁉︎』


 2人はユウが何を言っているのかわからないというような声を上げるとユウは不思議そうな顔をしたがすぐに言葉を続けた。


「美味しいんですよこの肉。…あぁ…想像したらお腹が空いてきました…どうです?貴方達も一緒に食べませんか?」


 2人は青ざめた様子で首を振るが、ユウはそんなことには気づいていない様子で火打ち石のようなもので火を起こしていた。



「できました!ただ焼いただけですけどとても美味しいんですよ!」


 ユウは慣れた手つきでオークの皮を剥がし肉を焼くと、こんがり焼けた肉を2人に差し出した。


「どうしたんですか?食べないんですか?」

「いや…あたし達はちょっと…」


 ユリはそう言い断ろうとするが、


『ぐうぅぅぅ…』


 サクラのお腹が鳴り言葉を止める。

 サクラは真っ赤になるとユリはユウの持つ肉を二つ受け取った。


「あ、いただきます…」

「いただきます」


 2人は食べ始めると表情を変えた。


「お、美味しい!」

「美味しいです!ユウ!」


 2人が顔を上げるとユウの姿はそこにはなかった。


「あれ…?ユウ?」

「どこに行ったんですかね…ユウ…」


 2人はあたりを見渡すもユウの姿は見当たらなかった。



ーーー



「来たぞッ!気を引きしめろッ!」

「「はいッ!」」


 コウスケが声を上げるとミリンは杖、ユウは銃を構えた。それを見たコウスケは黒い剣を構えた。


『ヴォォォォォォッ‼︎』


 巨大な身体を揺らしながら二本足で立つブタの魔物・オークが5体、現れた。

 コウスケはオークのボスであろう、1番大きなやつのところへ走ると振り下ろされたオノを避け、その首めがけて剣を振った。


「はぁっ…!」


 次の瞬間、そこから大量の血が吹き出した。ソレがゆっくり倒れるとそれを確認したコウスケは2人のほうを見た。

 ユウのまわりには全身が穴だらけになった残骸が2つ転がっていて、ユウはミリンのサポートへまわっていた。


「さすがだな…ユウさん」


 どうやらミリンは魔力を使いすぎたようで少しぐったりしていた。ミリンが使える火属性魔法はオークにはあまり効果がないようだった。

 そんな2人の様子を見ていたコウスケは背後からくる影に気づかなかった。


「コウスケッ!後ろッ!」

「コースケさんッ!後ろッ!」


 2人に名前を呼ばれ、コウスケが振り返った瞬間──


 ───コウスケの意識は闇に飲まれていった。

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