終わりは突然やってくる
はじめまして赤槻春来です。
私の時間や機器の関係上この作品は小分けにして出すことが多いと思います。
一部わかりにくくなっているかもしれませんが楽しく読んでくれると嬉しいです。
「 なんだ…これ…」
目の前に広がる竜とも呼べる生物の死体…
そして先ほどまでは生きていたであろう、首だけが飛ばされた男達の亡骸…
そんな血だまりの中に倒れた長い髪の人物にコウスケは不覚にも見惚れてしまった…
ーーー
「明日は午後からだ。では解散!」
コーチの声に生徒たちはぞろぞろと帰路に着いた。
コウスケは顔を水で洗うと鏡に映る目つきの悪いスポーツ刈りの少年を見て「はぁ…」と軽いため息をついた。
昼が日に日に短くなってきたこの季節は陸上部の短距離であるコウスケにとってあまり活躍の場がないのである。
今日で17になったというのに普段と何も変わらない1日…コウスケはそんな日もあるかなどと考えながら正門をぬけ、家へと足を運ばせた。
コウスケが公園前を通るとそこから子供たちの元気な声が聞こえてきた。
「サッカーか…懐かしいな」
そう呟いたコウスケはそこを通り過ぎようとした…
「危ない!」
道路に飛んで行ったボールを取りにいったのだろう。1人の少年が道路に飛び出した。ちょうどそこを通りかかったであろう大型トラックはスピードを落とさず少年に突っ込んでいった…
コウスケはそれを脳で理解するよりも早くその少年をつき飛ばしていた。
人間死にそうになると周りが遅くなるとはこういうことか…などと考えながらコウスケは目をつぶった。
そして…
痛みは襲ってこなかった。