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エピローグ☆逆さ虹の秘密
たいした収穫もなくすごすごと人間たちがひきあげたあと、クマのベアーが川下の渓谷から命からがら戻ってきました。
「大丈夫かい?」
キツネのフォックスが声をかけました。
「俺はこの目で見たんだ!」
「何を?」
川下には水晶の渓谷が広がっていて、一番高い山に巨大な水晶の結晶がありました。
それがプリズムの役割を果たして、虹を逆さに投影していたのです!
あの水晶がある限り、この森に逆さ虹が架かるでしょう。
「人間だって知らない謎だぜ。俺の胸にしまっておくんだ」
怖がりのクマは思わぬ大冒険をして、興奮して帰ってきました。
ところが。
「聞いちゃった、聞いちゃった!」
コマドリの子どもたちがぴーちちちちちーと噂を広めます。
いたずら好きのリスたちが噂をさらに広めます。
「やれやれ。今日も逆さ虹の森は騒がしい」
フォックスが肩をすくめて見せました。
「こらー!」
誰かが今日も何かをやらかして森は大騒ぎ。
そんな毎日がいつまでも続いていました。
おしまい