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第1章☆ドングリ池

「まあ、本当?それは危なかったね」

この森の世話焼き係のお人好しのキツネ、フォックスさんがクックロビン夫婦の話を聞いて、そう言いました。

「だけどね、敵はヘビだけじゃないよ。クマだって小鳥の雛を食べるって言うじゃないか」

それを聞いて、クックロビンの旦那さんは武者震いをしていつもよりいっそう甲高くさえずりました。

「ちっちゃいのに勇敢だねぇ」

フォックスさんが感心して言いました。

この森は川で二分されていて、こっちの方にはクマはこないだろうけれど気を付けて。川を繋ぐオンボロ橋の存在を忘れちゃいけない。

川向こうでは去年の冬、シマリスがクマに食べられちゃったらしいよ。


      ☆


 今年生まれたいたずら好きのシマリス、チップマンクは、せっせとドングリを集めては掘った土の穴に埋めて、食べ物が無いときに食べようと大忙しでした。

リスがこんな風に集めたドングリを埋める習性があるから、うっかりリスが忘れちゃったドングリは次の年に目を出してやがて森の木の仲間入りをするんです。

森はリスがいてくれると都合が良いんです。

あれれ?

チップマンクはなにを思ったか、集めたドングリをアライグマの巣穴に投げ込みました。土を掘るのが面倒だったみたいです。

穴の中から暴れん坊のアライグマ、ラクーンが飛び出して来ました。

誰だ俺んちにドングリ投げ込んだのは?

プンプン怒ってる!

チップマンクは物陰に隠れてやり過ごしました。

ラクーンは誰も見つからないので八つ当たりでドングリを撒き散らしました。

コロコロ、コロコロコロコロ・・・

ちゃぷん。

近くのドングリ池にドングリがいくつか落ちました。

このドングリ池はよく澄んだキレイな池で、ドングリを投げ込んでお願い事をするとかなうといいます。

ちょうどドングリが池に落ちた時、チップマンクはぼんやりお嫁さんが欲しいなーと考えていたところでした。

チッチ。

どこからか誰かが呼んでいます。チップマンクは持っていたドングリを放り出してドングリの木にのぼりました。

茶色い尻尾が見えました。チップマンクはそれを追いかけて木の上を走り回りました。

見つけた!

ぱっとつかまえた相手は可愛い女の子のシマリスでした。

きゃっきゃあ!

二匹はもつれあってじゃれあいました。

「僕のお嫁さんになってください」

チップマンクが言うと、彼女は首をかしげてチップマンクを焦らしました。

「ドングリ、いっぱい集められる?」

「もちろん!」

「じゃあ、考えても良いわ」

「やったー‼」

チップマンクは大喜びです。


ラクーンはドングリを拾ってドングリ池で丁寧に洗っていました。食べたらイライラもきっとおさまるでしょうね。

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