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0007 攻略戦開始

垢名変えました。これからは畑渚(はたなぎさ)で投稿していきます。

それと今回の最後らへんグロ注意と一応言っておきます。それほどでもないですが。



 「なんとか間に合った……」



 美佳子は自分の部屋に入るなり、ゲーム機の電源をつける。



 「室温よし、日程よし、戸締りよし、じゃあ行きますか」



 楽な姿勢になり、ゲームのスタートボタンを押した。







 「お待たせしました」



 「おっアオイちゃんも来たね、じゃあ行こうか」



 「準備は大丈夫か?」



 「はい、問題ないです」



 「とりあえずは発見したこところに案内します。人型のエネミーが多いので私が前に出ますね」



 「クロハちゃんよろしくね。じゃあ俺はいつも通り一番後ろをいくからアオイちゃんはクロハちゃんの後ろ、デリクはその後ろで」



 「了解だ」



 「了解です」



 「じゃあしゅっぱーつ」



クラン白百合の新エリア攻略が始まった。







 「この付近です」



 「確かこのあたりの壁にスイッチがあったんですよ」



 アオイがライトで照らすと、確かにそこには一部へこんだタイルがあった。



 「これだな、じゃあ俺から行く。簡易テントを先に建てるからこちらから連絡するまで待てくれ」



 「了解だデリク。3分待ってもこなかったから突入するからな」



 「まあ任せとけって、すぐに連絡するさ。じゃあな」



 デリクがへこんだタイルをおすと、カチッという音ともにログアウトと同じエフェクトで消えた。



 「このあとデリクの姿を見たものはいなかった」



 「ちょっ何不吉なことを言ってるんですかリーダーさん!」



 「冗談だよアオイちゃん。それよりも何か様子がおかしくないかい?」



 「えっ?何がですか?」



 「はい、確かに今回は接敵数が少ないです」



 「クロハちゃんの言うとおりだ。二人とも警戒は怠らないようにね、っともう3分たったが……」



 「連絡はないみたいですね。突入しますか?」



 「ああ、順番はクロハちゃん、アオイちゃん、最後に俺でいいかな?」



 「はい、じゃあ行きますね」



 クロハが消えるとすぐにアオイもすぐにタイルを押す。







 アオイが目を開けると森の中だった。以前きた場所と同じである。



 「あっデリクさん、無事だったんですか」



 「ああ、なんとかな。まったくルーキーにすら心配されるとは情けないぜ」



 「で、何があったんだ?」



 「おっリーダーもきたか。じゃあ説明させてもらうとこっちにきた瞬間にすでにここに何匹も犬型エネミーがわいてたんでな。対処してたら3分過ぎちまった」



 「クロハさんはどこですか?」



 「私ならここですアオイさん」



 「うわっ!びっくりした。突然背後をとらないでくださいよ」



 「驚かせるつもりはなかったんです、すみません。周りを見てきましたが残党はいないようです」



 「おっさすがクロハちゃん。ありがとね」



 「いえ、これも私の役割なので」



 「まあいいや、まずは安全地帯作りからかな。ちゃんと作成アイテムはもってきたかい?」



 「はい大丈夫です……ってこれなんですか?」



 アオイが端末でアイテムを実体化させると、でてきたのはショベルだった。



 「これで掘れってのか?おいおいまじかよ」



 「そうみたいですね、でもみんなでやればすぐ終わりますよ」



 「いや、ここは手分けしよう。穴掘りは男に任せとけ」



 「いえ、そんな悪いですよ」



 「えっ?いいんですか?よしじゃあ探索しに行きましょう」



 「でもアオイさん……」



 「いいですよ、それに周囲を警戒する人がいなきゃいつ襲撃されるかわかりませんし」



 「ああ、アオイちゃんの言う通りだな。ここは俺たちに任せて2人でデートでもしてきなよ」



 「はぁ!?でででデート!?」



 「まあリーダーがそういうなら周りの警戒をしてきますね。アオイさん行きましょう」



 「ひゃ、ひゃい」







 「うーん、何もいませんね」



 「エネミー1匹見えないのは少し不自然ですね、前回はあんなにいたのに」



 「まあ平和に越したことはないからいいんですが……」



 アオイとクロハは森の中を歩く。



 「あっ、見てください。リスですよ」



 「環境生物でしょうか?エネミーではないようですが」



 「いままでに環境生物なんていましたっけ?」



 「いえ、ないですね。新エリアからの新要素みたいですね」



 「複数のエリアにさらに新要素、そうとうな負荷がかかりそう」



 「ユーザーのほうには負荷があまりきてないことから察するに大幅なサーバー増強があったんでしょうか」



 「このゲームってそんなに人気ありましたっけ?」



 「一部熱狂ファンがいるくらいでそこまでな気がしますけど」



 「そういえば友達にこのゲームしてるって言ったら知らないって言われました」



 「……そうですか。確かにこのゲームをしてる人は私の周りにもほとんどいないですね」



 「やっぱりクロハさんもそうですか。まあそんなもんですよね、あまりにもリアルすぎて、ゾンビもので、キャラは自動生成……人気がでないのも納得ですよ」



 「私はそういうところに逆にひかれてしまったんですけどね」



 「私もです!しかし思ったよりもこのゲームって女アバター率すら低いですよね。ほかのゲームでは女アバターが半分超えてたりするのに」



 「女アバターって正直見た目以外のメリットないですからね。STR重視の風潮があるので、それに制限がかかってしまう女アバターはこのゲームではデメリットの方が大きく見えるのかもしれませんね」



 「それと確か装備も違いましたよね。実在の装備モチーフでも女用が用意されていないものがたくさんありますし、そういった面では見た目すら劣っているんでしょうか?」



 「それでも私は女アバター一択なんですけどね」



 「私もです。かわいい女の子を着せ替えする楽しさが好きなので」



 「それわかります……っと感知になにかひっかかりましたね。すこし行ってきます」



 「お願いします。背後の警戒と援護射撃は任せてください」



 「はい、お願いします」



 クロハが前に走り出す。さすがDEX重視型なだけあって、目で追うのがやっとだ。



 「さすがクロハさん。完全に障害物の位置を把握しているかのような無駄のない動きをしてる」



 「アオイさん、犬型エネミーを見つけました。2匹いるので同時にやりましょう。そちらでタイミングをいってくれれば左のほうをやります」



 「わかりました。3……2……1……0」



 ほぼ同時に2発の銃声が静寂な森に響く。



 「さすがですクロハさん」



 「今日は小銃も持ってきましたからね。さすがにシステムアシストがあればこのくらいの距離なら当てられます」



 「犬型が多いからしかたないですね。私としてはいつもの格闘もみたいんですけどね」



 「……!さらに奥のほうにいるようです。数は……1匹ですか。やってきますね」



 「はい、お願いします」



 クロハがさらに前の方へと進む。アオイは後ろを振り返る。



 「背後に敵影なし。休憩しようかな」



 目視のみの確認で安心しきってしまったアオイは端末をいじりはじめてしまった。



 「知ってたか嬢ちゃん、目視による確認はあまりあてにならないぜ」



 「なっ!誰?」



 どこからともなく聞こえてきた声にアオイは小銃を構える。



 「背中がガラ空きだ」



 「なっ!うっムググ」



 勢いよく振り返ると大柄の男に仰向けに押し倒される。首と同時に口まで封じられ、窒息のダメージフィードバックがアオイを苦しめる。

 あまりの苦しさにアオイは小銃を手放し、男に殴りかかろうとするが、足で片腕を押さえつけられる。



 「悪く思うなよ。これがゲームだ」



 男はさらに体重をかけていく。窒息ダメージはすでにアオイのHPゲージを半分以上削っていた。


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