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弟!!

第三王子を阻止できないまま、だらだらしている内に、お母様が臨月を迎え、出産された。

生まれたのは、弟!!


お父様の取引先や、お母様の実家の伯爵家、第三王子からも祝いの品がたくさん届く。

生まれたばかりの弟は、きれいな赤色の髪を頭部にぽやぽやと生やしており、まだ目を開ける時間は少ないが、父に似た金色に近い琥珀色の目をしていた。


「おとうしゃまににてるー!かわいい!」

初めて弟に会った時は、とても嬉しくて飛び跳ねて叫んで、周囲からたしなめられた。


まだまだお猿さんみたいだけど、とても小さくてとても可愛い私の弟。

(大きくなったら、お父様似の美少年から、『ねえさま』、とか呼ばれるの?きゃー!萌える!!)

弟の成長がとても楽しみである。




※※※


弟と言う男の跡継ぎができたから、私への教育が緩和されるかと思ったが、全くそんなことはなかった。

今日は、家庭教師から国の歴史を学んだ。

私がいる国は、ヴァルテリッド国と言い、王族が国を治めている。王族は、ギルちゃんのように高確率で黒髪、黒目が生まれるそうだ。

ヴァルテリッド国は、色々な国と接しており、経済の要として賑わっている。商品を運ぶ商人たちはこの国に本店を置くことが多い。

王家は、多くの国と婚姻などで友好を築いているが、問題は西に接しているルケンティヒ国だ。

この国は宝石や金の産出国であり、裕福な国だが、昔からヴァルテリッド国と仲が悪く、お父様が勲功を挙げたのもこの国との戦争だ。

何度も小競り合いを続けており、何度目かの和平協定もルケンティヒ国が破り、戦争に発展したのだと言う。

国境には、国境警備隊が常にかの国を見張っているが、国交がないわけではなく人々は国境警備隊の確認を受けて互いの国を行き来している。


「もし、バッドエンドになった場合って、やっぱりルケンティヒ国に追放なんかなー。生きていく為に隠し口座とか作りたいよ」

お父様もあの国に取引で行くことがあるらしいけど、支店があるわけではなく、ルケンティヒ国の商家との業務提携らしい。


「今からそこと仲良くなっとく?いやいや、そんなことしたら、あの国と通じてるって思われちゃうかー」


バッドエンドになった場合を考えるのではなく、バッドエンド回避をやはり考えるべきか。

逆ハーを阻止する為には、攻略対象者のうち、唯一人と結ばれることが一番の道なのか?


(ギルちゃんとは身分差ありすぎるし、セッちゃんは従兄で血が近いし。後の3人は、宰相の息子も身分差あるから、騎士2人だな)


騎士2人は伯爵家、侯爵家出身だが、跡継ぎではないから一代男爵家の娘でも、持参金を積めば結婚を反対されることはないだろう。


「でも、好きになれるかな・・・」


前世で人を好きになる気持ちを知ることができなかった私が、ゲームの中のトゥーリアのように、恋ができるだろうか?







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