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第10章1

震災で怖い思いをされた……、されている皆様、お見舞い申し上げますm(__)m

大変お待たせ致しました。

お待ち頂いた皆様、有り難うございます。

フリードルはランドンと配下のサビエルとミゲルを伴いザンゾール公の領地バラサインへ向かった。

トランゼの街からバラサインまで50マイル弱。

通常馬で移動出来ると言われている1日の最大距離の倍になるが、皆騎士の称号を受けた者たちで馬も鍛えられている。

強行すれば半日でも十分移動できる距離だった。

早朝にトランゼを出ると正午過ぎにはザンゾール公の領地に入った。


領地に入って間もなくプリムナド牧場が見え始めた頃、空が黒い雲に覆われ薄暗くなって来た。今にも雨が降り出しそうだ。


「ついてるな。小屋でも借りよう」


フリードルがそう言った。


牧場に着いた頃に丁度雨が降り始めた。


「御免下さい。旅の者ですが突然の雨に降られて難儀しております。雨宿りに小屋の片隅をお貸し頂けないでしょうか?」


ミゲルが交渉に赴くと主は留守らしく不機嫌そうにその妻らしき者がのぞき窓から顔を出て来た。

主の妻はミゲルの風貌を見定めるように吟味すると、その後ろに居る者等にも目を向ける。


「物取りでは無さそうだが、信用できないねぇ。物置小屋なら1人1£だ。無いなら他を当たっておくれ」


ミゲルが後ろに居るフリードルに確認を取るために目を向けるとフリードルは大きく頷いた。


「有り難うございます。お借りいたします」


「厩舎には入らないでくれよ。よそ者は何をするか分からないからね」


「勿論です」


そう言い、ミゲルが銀貨を3枚支払いかけた時。


「待て! 私が支払おう」


後ろに居たフリードルが制止させた。

場所の提供を快く承諾してくれた場合、礼に少し包むのが礼儀と言うものだ。今までも何度もそうやって過ごしてきた。人によっては受け取らない者もいるが、大体はそれを快く受け取ってくれる者が多い。先に場所代を要求される事もたまにはあるが、ここまであからさまなのは一度も無かった。

どうやらこの者は警戒心が強く金に固執する者のように見受けられる。

ならば付け入る所はあるとフリードルは見た。


「ご迷惑をおかけするのだからそれでは少なすぎるだろう。奥方、雨は何時上がるか分からない。とりあえず手付けと言う事でこの金額では如何でしょう?」


そう告げるとフリードルは覗き窓越しに5£紙幣を夫人の手に握らせた。


「手付け?」


「実は少しお願いなのですが、もし雨がこのまま振り続けた場合、そちらの厩舎の隅にでもお泊め頂けないでしょうか? 飼料用の藁の上でも何処でも構いません。勿論その場合は更に追加でこちをお支払いさせていただきます」


そう告げるとフリードルは、今度は10£紙幣をちらつかせた。


「ほお、あんた羽振りが良いようだね」


「お陰様で金には不自由のない生活をさせて頂いてます」


すると奥方は手のひらを返したように急に笑顔になり、いそいそと家の者を呼び出した。


「厩舎に案内しておやり。金持ちなら心配はいらないだろう」


「はい、奥様」

雇人らしき者に案内をさせた。



厩舎の中では農夫数名が急に降られた雨に濡れた馬や牛の背を拭いたり、藁を入れ替えたりと忙しく作業をしていた。


「この人たち、雨が止むまで隅にでも置いてやって」


そう告げると雇人はそのまま去って行った。

何とか厩舎の中に潜入することに成功した一行は、腰を下ろして寛ごうとする素振りを見せながらも、この機を逃すまいと皆農夫の中に詰所に金を取りに来た男が居ないか探し始める。


「あの男……」


目敏く最初に声をあげたのはランドンだった。


「やはり、似ています」


見れば見るほどランドンの中では記憶の中に残るニクソンと重なる。


「何かニクソンにしか分らない言葉や暗号のようなものはないか? 特にお姉さんと関連するような……」


「どうでしょう。何かあったでしょうか?……」


フリードルから尋ねられ、ランドンは必死で6年前の記憶を辿る。

姉が話してくれたニクソンとの事の中で良く出て来たのは星に関する話題が一番多かった。

2人共星がとても好きだった。

中でも姉はタウリンの丘から今の時期だけ良く見える星が大好きで……。確か……。

そう、季節になると二人で馬に乗り良くあの丘に出かけてサザンクロスとか言う星を眺めていた事を思い出した。

その事をフリードルに伝えると季節的にも見える時期だしそれは丁度良いと、その事を話題にしようと言い出した。


「星を見に来たのに残念だなぁ。今夜はこれでは見えないか……」


「そうですね。サザンクロスが良く見える丘があると聞いて来たのに、本当に残念です」


「なんて名の丘だったか?」


「確か……、タウリンの丘って言ってませんでしたか?」


わざと大きな声で会話をしながらニックと言われる男の様子を気にしつつ伺っていると、こちらを気に掛けるような素振りか見えたような気がした。

反応したのは偶然か!?

カマをかけてみる。


「タウリンの丘ってここから近いのか?」


「さぁどうでしょうか。私は亡くなった姉から聞いただけですから何とも……」


“ガタン!! ガラガララッ……”


ニックが傍にあった桶に躓いた。

平素を装おうとはしているが、それは明らかに動揺しているようにも感じられる。

そして更にはこちらを向き、ランドンに目を止めると驚いたような表情を浮かばせる。


「!!……ゴード……」


何か言葉を言いかけてハッとしたように息を止めると、ニックと呼ばれていた男は何事も無かったかのようにまた作業を始めた。


「……間違いありません。彼は姉の婚約者だったニクソンです!」


ランドンは、そう確信した。

大変ご無沙汰してしまい申し訳ありませんでした。

活動報告書きました。

お読みいただければ幸いです。


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