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第5章3

ツイッター予告よりかなり遅くなりました。スミマセン。

4人は1日目の目標地点である街を目指し走っていた。

その速度は予定よりもかなり速く進んでおり、道も分らずただ先頭のフリードルを必死に追いながら走っているローレライは当然その事に全く気付いていない。

今まで目的も持たずに時折ふらりと旅を楽しんでいたルシオンなどは、疾走するが如く走る体制自体に文句を垂れていたが、それは問題外だ。

だがランドンは、如何言う経歴を持っていてこの事に気付いたのかはわからないが、途中小休憩を取った折、ペース配分を如何考えているのかを問うていた。

フリードルが出来ればより安全を期する為にもう少し先の大きな街まで行ければと思っている旨を話した所、二人が大丈夫そうならば異存は無いと言っていた。

彼としてもやはり主人のより確かな安全は確保したいと思っているようだった。



今日は陽射しも強く、体力を奪われる。

その事だけが唯一心配ではあったが、何とかこのハイペースに二人は何とかついて来ているようではあるし、馬達は全然まだ大丈夫そうだ。

たが、先程から少しローレライの様子が気になる。

汗が絶え間なく流れ落ちていると思い心配していたのだが、少し前からその汗も段々乾いて来るようになり、見ていると息遣いも少し浅くかなり辛そうな気がする。


「ローレライ、大丈夫か? もう少し先に良い影場があるからそれまで我慢できるか!?」


フリードルが心配し、そう告げるとローレライは大きく頷く。


「大丈夫ッ。私の事は……気にしないでッ」


中々どうして根性だけはあるようで、そこは昔から全く変わらなくて頼もしいのだが、根性だけで乗り切れないのがこの症状で、そう長くはこのまま放置できないと認識した。

中間ポイントとなる場所まで後少し。

ローレライのその言葉を信用して、そのまま馬を走らせた。


やがて、昨夜目安として定めた休憩ポイントの一つが見えて来て、フリードルは少し横道を外れそこで休憩を取ることにした。



緑の草原が広がり少し先に小川も流れている。

大きな岩陰に荷物を降ろし、馬達を放してやると各々もその場所に腰を下ろした。


「風がとっても気持ちいいわ」


ローレライは少し乱れた髪を結わい直すと、中着のボタンを少し開けて胸元にパタパタと風を仰ぎ入れている。


その姿を直視したルシオンは、慌てて手を大きく広げ前を遮った。


「レライ、それは止めようよッ」


「だって、とっても暑かったんだもの。どうせ見えないんだし、何も気にする事なんか……」


ローレライの今の風貌は、外見は15歳位の少年風。

女がいると思われるだけで何かとトラブルの素にもなり得る事から、胸には布を巻き付け見分けがつきにくいように少年のような身なりにしているが、仕草が女のままなのでルシオンはそれが気になったのだ。


「そんな問題じゃないと思うんだけど……」


17歳の若い娘の姿でそれをされるのもかなり不味いが、今の格好でそれをされるのも如何なのだろうか?


滅多にそのような顔をしないルシオンが困惑して眉を顰める姿を見て、フリードルも口を開く。


「ローレライ、世の中には抽象的な少年を好んで近寄る輩もいるから、その風貌でそれをやられると別の意味で危険が伴う事も稀にあるんだ。知って見ている私たちがそう感じる位だから仕草や行動にも外では気を付けた方がいいと思うよ。誰に見られているか分らない。それにここには私やルシオンのように君を妹と思っていない年頃の男がもう一人いると言う事も認識しておいた方が今後の為になるのではないかな?」


フリードルは皮肉でも何でも無く、ローレライが今後困った状況にならないようにと気にかけてそれなりの配慮を踏まえてそう言っただけなのだったが、それを更に深く捉え『心外だ』と訴えるような眼差しで、こちらに目を向ける者がいた。


「まさかと思いますが、私の事でしたらお気遣いなく。私の目は常にルシオン様中心に向いておりますので、そのような配慮は無用です。しかしこの件につきましては既にルシオン様のお心を悩ませているご様子。私もここはお止めて頂いた方が宜しいかと。ルシオン様はローレライ様の事となると、いつも以上に気が散漫になる傾向がお有りですので、他に対する注意力が欠かれるやもしれません。御身の安全を期す為にも、そのご判断に従う事が賢明かと存じます」


ランドンの言葉は従者としては完ぺきで、彼が居てくれるのであれば、先ずルシオンの事は彼に任せておいても大丈夫だとフリードルは確信し頷いた。


「従者の鏡だな。ルシオンには勿体ない位だ」


「何だよそれーっ。失礼だなぁ」


「お褒めに預かり、光栄です」


「礼なんか言ってないで、お前も少しは主を立てろよ」


「フリードル様の洞察は懸命だと思われますので、他の言葉は見つかりません」


「お前も無礼だなだな!」


「ルシオン様ほどではございませんよ」


ルシオンの小言を無視し、ランドンは微笑を浮かべると深々と頭を下げた。

当のルシオンは少し面白くなさそうだが、どうやらこれは何時もの事のようで、早々に反論する事を諦めたようだった。


結局話の流れで、状況的に自分が何とかしなければならないのだと自覚したローレライは、どうやら考えを改めたようだった。

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