僕たちは冷たい漆黒の宇宙の上を歩いている…
僕達は冷たい宇宙の上を歩いていた…
『なぁ、僕達いつになったら死ぬんだ?』
「さぁな。多分宇宙が生きている間は無理だな…」
『そっか。』
「うん。」
僕たちは漆黒の宙の上で話していた。
周りには漆黒の宙に散りばめられた宝石達が、光を称えあっている…
そして冷たく、優しい宇宙の風。
それは僕たちの頬を滑り、はるか後ろかなたの漆黒の宙へ消えていった……
時折、星が始まって終るんだ……
星は僕たちにとって一つシャボン玉みたいだ…
七色の光を出して、その光が漆黒の宙を一瞬裂き、そしてはじけてきえる……
僕たちはそんな星を散歩しながら見つけては、ちょっと観察してまた歩き出すんだ。
あいかわらず宇宙の風は優しく頬を撫でる………
「おい。」
『なに?』
「見ろよ、あれ。」
『あぁ〜あ……綺麗な星が…』
「なぁ………」
『僕、生き物って嫌いだよ。汚すだけ汚して死ぬんだ。』
「俺もだよ。あれって、中々珍しいよな。」
『うん。宇宙にまで出てきてるね。』
「生き物は暮らせる範囲が決まっているのにな……頑張りすぎだ。」
『ね………て、思ったんだけどそれって誰がきめてんの?』
「お前…何年ここで暮らしてんの?」
『さすがに僕たちも生きすぎたしね……忘れたよ。』
「まぁ、誰が決めたって訳でもないんだけど……しいて言うなら、神様かな。」
『神様?』
「神様。」
『あ〜……はいはい、なるほどね。つまりはこの漆黒の宙ね』
「そういうこと。」
僕たちは黙って星が一つ消滅していくのを見ていた……
歩くのを止めると風が来ないからいやなんだ。本当はね……
でも、なんか気になるから…………
あんなに蒼くて綺麗な星なのに……
「おい。」
『うん?』
「そろそろ終わるよ。」
『あぁ……本当だ…』
蒼い星は見る見るうちに赤くなって、最後の光を放ち…
そして、散った。
この瞬間はなんとなく綺麗だと思った……
一つの星がたくさんの宝石になって鮮やかな光を放つ……
そして、混ざり合う……
「そろそろ行くか?」
『……うん。』
僕たちは蒼い星があるとこから離れはじめた。
また優しい風が頬を撫でていく。
「お。」
『ん?』
「あっちになんかある…」
『いく?暇だし…』
「行くか…」
『またあんなの見せられたくない気もするけど…』
「綺麗じゃないか…」
『……うん。』
僕たちは星の残像を視界に捉えながら加速していく……
優しい風を頬にうけて………
そしてまた漆黒の宙を散歩していく……
綺麗な綺麗な宝石を探しに……
とある星━…
『あ!ママ見て!流れ星だよ〜!』
子供は漆黒の宙に浮かぶ宝石のような綺麗な瞳をしていた。
「あらあら、あれは彗星っていうのよ。」
『すいせい?』
「うん。宇宙を気ままに散歩しているのよ。…あら、双子の彗星ね…めずらしわ。お願い事をしたら叶えてくれるかもしれないね?」
子供は綺麗な瞳を見開いて彗星にお願いしていた……
母親は暖かい瞳で子供を見つめている。
「なんてお願いをしたの?」
『うんとね、すいせいさんになりたいってお願いしたの!』
「彗星に?」
『だって綺麗なんだもん!それひ、あたしも誰かの願いを叶えたいの!』
母親は微笑み、彗星が鮮やかな光の糸をつむぐのを見ていた。
「………じゃあ、彗星さんにさよならを言よっか!」
『うん!…彗星さん!さよなら〜』
母親と子供は手をつなぎ、家に入っていった……………
END
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