サメ映画
※本作はフィクションです。実在の法律・人物・団体とは一切関係ありません。
今日も今日とて、B級サメ映画の撮影にビーチにやってきた某サメ映画監督。
ふと見上げると、空の一部がフワフワと歪んで見え、そこから巨大なサメが姿を現しました。
「なんてこった…全長8.1m、ホホジロザメじゃないか!」
流石サメ監督、目測にも熟練の経験とプライドを感じます。
とにかく、突然空から現れた巨大サメにビーチはパニックです。
この状況に監督は、
「これじゃあ…これじゃあ……まるでブレ◯・ウィッチ・プロジェクトのサメ版じゃないか!!!」
と、歓喜の雄叫びをあげました。
【ブレ◯・ウィッチ・プロジェクト】
ホームカメラ片手に、ある森の怪異の謎に挑んだ学生映画サークルの面々が、森で本物の怪異に遭遇し行方不明になる。後日見つかったカメラには、その恐怖の一部始終が映っていた。
という内容の映画です。
出演者自らが手にするホームカメラ視点で進むストーリーが「本物っぽい」とウケにウケて、超低予算作品ながら異例のメガヒットを記録した傑作であります。
そして現在。
サメ映画を撮影中のサメ監督が奇妙なサメに襲われる。まさにサメづくし。サメ監督の心は躍ります。
「キタキタキタァー!!俺の頭にインスピレーションがガンガン来たぁ!!!おいブロンドぉ!お前一番先に喰われろ!!次はそこのチャラ男、お前な!メガネは逃げ切れ、そういう役回りだ。おいカメラぁ!!撮り逃がすなよっ!!!」
キャストやスタッフに次々と指示を飛ばすサメ監督。ご乱心です。
さて、こちら上空のサメ君。
この子、サメ映画のレジェンド「オジョーズ」のラストで爆発四散したサメの幽霊でした。
オジョーズにて人々を恐怖のどん底に陥れたサメ君。
しかし、その後のB級サメ映画の粗製乱造ぶりに、いつしかサメは恐怖の対象からネタ扱い。
そんな風潮にちょっぴり傷つき腹を立てていたサメ君は、幽霊になってサメ監督をちょっと怖がらせに来たのです。
「僕、8.2mだもん…」
プライドのぶつかり合いです。
最近では、六つ首にされたり、メカにされたり、竜巻の中や地中を泳いだり、果てはもう結果だけ教えろとか言われたり、
同胞が散々な目に遭っているので、仕返しに怖がらせてやろうと考えていたのですが、サメ監督は予想を超えてイカれていました。
「なんかあの人、関わりたくないなぁ」
当然の感想です。
サメ君に向かってサメ監督、
「よっしゃぁ!来いゃサメェ!俺を喰えぇ!!あ、でも一番最後でお願いします。それが一番盛り上がるんです」
くるりとカメラに向かってサメ監督、
「ああ誰か助けて下さいほんの気まぐれだったのこんな恐ろしいことになるなんて思わなかったのパパママ愛してるわ怖いのああサメが来るサメが来る………」オーマイガッオーマイガッ
「…あの人監督より俳優のほうが向いているんじゃないかな?」ラストシーンノオマージュデスネワカリマス
さもありなん。
「おい、どうした!?来いよベネット、銃なんか捨ててかかってこいよ!!」
ベネットでもなければ銃も持っていません。
とはいえ、ここまで挑発されて、もしこのまま帰ってしまえば、サメは良い笑いものです。
少しくらいは驚かせてやろう。そう心に決めたサメ君とサメ監督のバトルが幕を開けました。
おしまい。




