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デバイスダイバー

デバイスダイバー3

作者: 星野☆明美、chatGPT
掲載日:2025/10/13

古びたPCに潜り、亡き父の設計図を探す依頼。

だが待ち受けていたのは、黒いウイルスの罠だった。

感染しかけたアイボーを救うため、俺は決断する――。


ドキドキの潜行と、ちょっと笑えるラスト。

近未来SF短編シリーズ第3弾。


デバイスダイバー3 ―ウイルスの影―


「うわっ……通路が勝手に閉じていく!?」

 黒い壁のようなデータが、目の前でざざざっと覆いかぶさってきた。


「ご主人! これはウイルスです!」

 アイボーが慌てて警告アイコンを点滅させる。

「侵入者を飲み込むために擬態したファイルです!」


「ったく、よりによって亡くなった父親のPCにこんな仕掛けかよ……」

 依頼は「父の設計図データを取り戻してほしい」というありふれた内容だった。

 だが、潜ってみればこの有様だ。


 黒い壁は液体のように揺れながら、じわじわと迫ってくる。

 逃げ場は――ほとんどない。


「アイボー、解析できるか?」

「頑張ってますけど……あ、やばっ!」

 次の瞬間、アイボーのディスプレイが真っ赤になり、顔アイコンがぐるぐる目に変わった。

「感染しました! 体が重いです〜!」


「おいおい、こんなときにポンコツ化するな!」

 俺は叫びながら、壁の一部に指を突っ込む。感触は粘つく泥。引き抜けば手のひらに黒いコードがまとわりつき、皮膚感覚をざわざわと蝕んでくる。


「うぅ……ご主人、わたしのデータが削られていく……」

 アイボーの声は弱々しい。


「まだ終わっちゃいねぇ」

 俺は必死にコードを掴み、逆に壁へと叩きつけた。

 黒い波が揺らぐ。だが、すぐに再生して迫ってくる。


「クソッ、埒があかねぇ!」


「ご主人、ちょっと……お願いが……」

 アイボーが小さな声でつぶやいた。

「わたしのコアを、この壁に投げ込んでください」


「はぁ!? 自爆しろってのか!」

「そうしないと……このウイルスは消せません……」


 俺は一瞬、息を呑んだ。

 このポンコツを見捨てれば、俺だけは助かる。

 だが……。


「冗談じゃねぇ」

 俺はアイボーをぐっと抱き寄せ、逆にウイルスの中心へと突進した。

「お前を道連れにするくらいなら、一緒に切り抜ける!」


 黒い渦の中、アイボーの目がぱっと青に変わった。

「ご主人……! 認証完了! 感染の鍵を逆利用します!」


 渦の奥から、白い光が一筋走った。

 アイボーの内部で再構築が始まり、黒いコードを逆に食らい尽くしていく。

「ウイルス、無力化完了ですっ!」

 にっこり顔がぱっと浮かぶ。


 壁は砂のように崩れ落ち、代わりに青白いフォルダが現れた。

 中には、依頼人の父親が残した設計図データと……一枚の写真。


「……これは?」

 そこに写っていたのは、父親と依頼人が肩を並べて笑っている姿だった。

 まるで最期に「大事なのは仕事じゃなくてお前だ」と伝えているように。


 依頼人にデータを渡すと、彼は目に涙を浮かべて深く頭を下げた。

「ありがとうございます……本当に……」


 事務所を出るとき、アイボーが得意げに一回転した。

「ご主人、わたし役に立ちましたよね?」

「まあな。ポンコツのくせに、やるときはやる」

「えへへっ」


 俺は思わず笑ってしまった。

 今日も命懸けだったが、最後にこうして笑えるなら、それでいい。


「行くぞ、相棒」

「はいっ!」


 ――デバイスダイバーとアイボーの迷惑な仕事は、まだまだ続いていく。

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