第十六話 フーランの迷い森と、魔物と話す少年
鳥車でおよそ五時間。
ごとごとと揺れる車輪の振動がようやく弱まり、御者が「着いたぞー」と声をかける。視界いっぱいに、濃い緑の森と、奥に連なる山々が広がっていた。
「おじさんありがとう!! はいこれ、お金!」
御者台から飛び降りたリノアが、ぱっと笑って荷台から支払い袋を差し出す。
「聖女様、こちらこそありがとうございます。旅の無事を心から祈っております。……それと、この森に入るなら、くれぐれもお気をつけて。迷いやすいって、昔からの噂でしてな」
皺だらけの手で帽子を押さえながら、御者は真剣な顔でそう告げると、鳥車に軽くムチを入れて森道を戻っていった。
残されたアデルたちの周囲には、背の高い木々が壁のように立ち並び、遠くまで見通せない。湿った土の匂いと、葉擦れの音がやけに近く感じられる。
四人は少し森の奥へ歩き、木々の密度がやや薄くなった開けた場所で足を止めた。
「ん? うおおおお!! でっけー山じゃねえか!!! しかも何個もあるぞ!!」
目の前には、いくつもの巨大な山の稜線が、空を切り裂くように連なっている。
「近くに村があるはずだ。そこの村長が依頼を出してきたからな」
ルインが手元の地図と周囲を見比べながら呟く。
「ねえねえ!! あの鳥見て!! 色が紫で、日の光でキラキラしてるんだけど!!」
リノアが指さす先、枝の上には、紫の羽根をふわりと震わせる小鳥が止まっていた。陽光を浴びて、羽根一枚一枚が金属みたいにきらめいている。
「わあ! 本当ですね!! 綺麗です!!」
ゼーラが目を輝かせる。
「なんか不味そうな鳥だなぁ」
「アデルは黙ってて!!」
即座にリノアのツッコミが飛ぶ。
「鳥の事はいいから、早く行くぞー。俺が先頭に立つから、着いてきてくれ」
ルインが地図を掲げて歩き出そうとすると――
「はあ? なんでルインが先頭なんだよ!! オレが先頭行く!!」
「じゃ、ギルドから貰った地図見て、先行ってくれ」
「任せろ!!」
勢いよく地図をひったくったアデルは、どや顔で森の奥へと歩き始める。しかし――
しばらく歩き続けるうちに、妙な違和感が四人に広がった。
「……あれ? おかしいぞ!! なんでまたここに着くんだよ!! あの木、オレがさっきしょんべんした木だぞ!!!」
アデルが指さした木の根本には、確かにさっき見たような、土の濡れた跡がある。
「何やってるのよ!! バカアデル! わたし達、迷子になっちゃったじゃない!!」
リノアが腰に手をあて、怒りに頬を膨らませる。
「近道だ! とか言いながら、木々へし折ってたからな。森の妖精ドライアドを怒らせたんじゃね」
ルインが呆れたように肩をすくめる。
「ドライアド? なんだそれ?」
「森を管理してる妖精さんらしいですよ。私は見た事ないですけど」
ゼーラが少し真面目な顔で答える。
「とりあえずどうするの? わたし達、迷子になっちゃったよ!」
リノアが不安げに周囲を見回した。
「……今度は俺が先頭に立つ。いいよな? アデル」
「お、おう……」
さすがにバツが悪そうに返事をしたアデルを横目に、今度はルインが先頭に立つ。彼は進むたびに、近くの木の幹をじっと見つめてから、ナイフで小さく印を刻んでいく。
「ねえ、ルイン。さっきから木を見てから進んでるけど、木と会話してるの?」
「そんなわけねーだろ! 迷わないように、木に傷をつけてるんだよ。それ見て、傷が付いてたら一回通った場所だってわかるから、傷が付いてない方に進んでんだ」
「さっすがルイン!! アデルとは大違いね!!」
「うっせ! アホリノア!」
軽口を叩き合いながらも、ルインは真剣に木々を確認し、進路を決めていく。だが――
「……ん? あれ?? おっかしいなぁ??」
「ルイン、どうしたんですか?」
ゼーラが立ち止まった彼に声をかける。
「いや、それがな……また同じ所ぐるぐるしてるかもしれない……」
「おい! ルイン!! 何迷ってんだよ!! 木に傷付けて、迷わないようにしてただろ!」
「してたけどよ! あそこに生えてる、地面からにょっきり出てる赤キノコ、見るの三回目なんだよ!」
ルインが顎で示した先、太い木の根本に真っ赤なキノコが生えている。つやつやしていて、どう見てもさっきも見たソレだ。
「ええええ!! そうなの!! わたし達、一生この森から出られないの!!」
「御者さんが言ってた事は本当だったんですね……」
ゼーラもさすがに青ざめる。
「どうすれば良いんだよおおおお!! いっその事、全ての木をへし折って突き進んでやるわ!!」
アデルが両手を振り回しながら怒鳴る。
「おいおい、そんなんで無駄に体力を使うな」
「だったらどうすんだよ!!」
「もう、いっその事大声で助け求めれば、誰か助けにきてくれるんじゃない?」
「何言ってんだよリノア、こんな森で人が呑気に散歩してる事なんてあるか?」
「ルインの言う通りだ!! こんなしょうもない場所、誰もいねえよ!!」
「わっかんないじゃない!!! 狩人が獲物狩りにきてるかもしれないでしょ!!」
「確かにリノアさんの言う通りです!! 希望を捨ててはダメです!! 私が最初に声を出します! そしたら順番に『助けて』って言ってください!」
ゼーラがぐっと胸に手を当て、大きく息を吸い込む。叫ぶ寸前――
遠くから、
「たすけてええええええぇぇーーー!!」
と、耳をつんざく悲鳴が飛び込んできた。
四人は驚愕し、同時にその声の方を振り向く。
「おい!! 人いるぞ!!」
アデルが真っ先に駆け出した。
「ねえ! アデル待って!!」
「ゼーラ!! 俺達も行くぞ!!」
「はい!!」
ルインとゼーラ、少し遅れてリノアも、声の方へ全力で走る。悲鳴は徐々に大きくなり、切迫感を増していく。
やがて、木々の合間から少し開けた空間が見え――
「おい!! 前を見てみろ!!」
アデルの指差す先に、一人の少年が尻餅をつき、地面に手をついたまま動けずにいた。その目の前、今にも飛びかかろうとする、紫色の巨大な蜘蛛。
「ソルマ・アクス(岩針)!!」
ゼーラが即座に詠唱し、地面から生えた岩の塊が、蜘蛛の胴体を下から突き上げた。紫の巨体は、悲鳴のような鳴き声をあげて宙に跳ね上げられる。
「大丈夫?!」
リノアは転んだ少年の元へ駆け寄る。
「あああああ!! ありがとうございます!! えええ!! 聖女様!!」
目の前に白銀の髪を風になびかせたリノアを見つけて、少年は一瞬、別の意味で声を裏返らせた。
「早くここから逃げて!!」
その頭上、吹き飛ばされた蜘蛛が重力に引かれて落下してくる。
「ゼーラ!! よく頭上に吹っ飛ばせたな!! 行くぜ! 蜘蛛野郎!!」
アデルが地面を蹴り、一気に跳び上がる。
「プラーガ・カルキス!!(踵の一撃)」
振り下ろされた踵が、落ちてくる蜘蛛の腹を捉え、爆裂音と共に地面へ叩きつけた。
「どうだ!! オレの一撃!!ーーーって、はあ!?」
土煙の中、アデルは勝利を確信していた。しかし、土煙の向こうで、蜘蛛は不快な音を立てながらゆらりと起き上がる。
「なんだよ! コイツ!!!」
「アデル!! おまえの攻撃じゃ軽いんだよ!! くたばれ、虫が!! ゲネシス・マレウス!!(生成・槌)ヒット!!」
ルインがマナを練り、腕の先に巨大な岩の槌を生成。そのまま真上から、起き上がった蜘蛛の頭部へ叩きつけた。
そこへ、ゼーラの頭上に影が差す。
「……うわ、上にいっぱい」
見上げれば、空中に、鋭い岩の針が何本も生まれている。
「ルイン! どいてください!! ソルマ・クラヴィス!!(岩釘)」
ルインが身を翻すと同時に、何十もの岩の釘が蜘蛛へ向かって降り注いだ。衝突音と共に、周囲は濃い土煙に包まれる。
「最後はわたしだね!! アネマ・ラミーナ!!!」
リノアの風魔法が渦を巻き、土煙を吹き払う。視界が晴れると――
紫色の蜘蛛は、ズタズタに貫かれ、ビクとも動かず息絶えていた。
「みんさああああん!!! 凄すぎですううう!!!!」
茂みの陰で、恐怖で固まっていた少年が、蜘蛛が死んだのを確認するなり、歓声をあげながら飛び出してくる。
「皆さん!! 強すぎます!! このパイソンスパイダーに毒吐かせる前に倒されるとは!! もしや?! 凄腕の冒険者様ですか!! んーでも見た目からして僕とあまり変わりないですね! 同い年ですかね!! なんにせよ!! とても助かりました!! ーーって、いでっ!!」
少年の頭に、アデルの拳骨が落ちた。
「アデル!! 急に知らない人にゲンコツしないの!!」
「だって、なんかうるせえから」
「『だって』じゃない!」
リノアとアデルの言い争いを横目に、ゼーラが心配そうに少年へ近づく。
「あのー、大丈夫ですか? 頭さすってますけど……」
「ご、ご心配して頂きありがとうございます! ぼ、僕は大丈夫です!! ーーえっ!!」
ゼーラはそっと少年の頭に手を添える。
「ヒール」
淡い白光がゼーラの掌から溢れ、少年の頭を包み込んだ。
「お、おおおお!! これが聖女様の癒し!! ヒール!! ありがとうございます!!」
「いえいえ、大した事ではないので」
謙遜気味に笑うゼーラを横から、アデルがつっつく。
「ゼーラ、たかがタンコブで回復魔法はやり過ぎじゃねぇか?。こんなの唾つければ治るし。それよりおまえ、誰だ?」
「も、申し訳ございません!! 自己紹介遅れました!! ぼ、僕は、ユーリと申します、冒険家です!」
「冒険家?」
「はい! 皆さんとは違い、世界を探検してます! って言っても、まだトーメル諸島しか探検出来てないですけどね……」
ユーリは頬をかきながら、少し照れたように笑う。
「世界探検して終わりなのか?」
「ち、違います!! 僕は世界を探検して、世界地図を作るのが目標なんです! なので世界のあちこちに出向こうと思ってます!」
「世界地図?? なんでそんなもん作ろうと思ってんだよ」
「せっかく世界を旅するので、記録として残しておきたいんです! あと、地図は出回ってますが、あんまり詳細が少なくて……実際行ってもその場所が存在しないって事がありますので、そうならないように、僕がちゃんとした地図を作ろうと思ってるんです!」
「そうなんだな。じゃ、この地図はユーリが作った地図か?」
ルインが手に持っていた地図を差し出す。ユーリはそれを受け取り、右下の角を確認した。
「はい!! これ僕が書いた地図です!! ここ見てください! 僕の名前が書いてありますので」
指さされた場所を見ると、小さな文字で「ユーリ」の名が刻まれていた。
「僕の地図、買ってくれてありがとうございます!! どうですか? 目的地につきましたか?」
「ふざけんなボケ!!」
今度はアデルが、怒りで顔を真っ赤にして噛みついた。
「どどどど、どっしたんですかああ、めっちゃ怖い……」
「どうしたもこうしたもねえ!! この地図、でたらめじゃねぇか!! 地図通り進んだのによ、何回も同じ場所に着くんだよ!! どうなってんだ!!」
「そ、そそそんなはずないですよ!! 地図の見方、間違ったんじゃないですか!?」
「んだとこのやろう!!」
「アデル!! 落ちついてよ!! 怒ったってどうしようもないでしょ!」
リノアが必死になだめる。なおもユーリを殺意のこもった目で睨むアデルの前に、ルインが割って入った。
「なあユーリ。俺もこの地図見ながら村に向かって移動してたけど、何回も迷うんだよ。あそこに生えている木の下の赤キノコ、三回ぐらい見てんだよ」
「ん? 赤いキノコですか? 確かにありますね! でも……あの木、なんか雰囲気おかしいですね? もしかしたら!!!」
ユーリは赤キノコの生えている木の元までぱたぱたと駆け寄り、幹にそっと手を添える。そして、何やら小声でぶつぶつと話しかけ始めた。
四人は、その奇妙な光景を黙って見守るしかない。
しばらくして――
「皆さん!!! お待たせしました!!」
ユーリがぱっとこちらへ振り返った瞬間、アデルが飛びかかる。
「おいてめえ!! 何、木に向かってブツブツ言ってたんだよ!! ふざけてるのか!!」
「ふざけてないです!! しかも、アナタのせいで怒ってるじゃないですか!!!」
「はあ? てめえ何言ってるんだ!!」
「実はですね!! あそこに生えてる木は、ただの木じゃなくて、魔物です!!」
「「えええええええええ!?」」
四人の驚きの声が、森に響き渡る。
「そんな全員驚かなくてもいいじゃないですか!」
「ユーリさん、『魔物』とはどういう事なんですか?」
ゼーラが眉をひそめる。
「そうよ! ただの木が魔物ってどういう事!」
リノアも首をかしげた。
「あれは、ウォークウッドって言う魔物です。そこらに生えてる木とまんま変わらないですけど、立派な魔物です!」
「で! なんでオレのせいでキレてんだ!!?」
「確か、もう一人の聖女様にアデルって呼ばれてましたね! アデル!! 好意的に、枝をどんどん折っていきましたね!?」
「は? 枝折った? ああ、折ったよ。前進むのに邪魔くせえから!!」
「それです!! そんな事するから、ウォークウッドが怒ったんです!! 他のウォークウッド達と連携して、アナタ達を道に迷わせて、餓死させようとしてたんです!」
「アデルゥウウウウ!!! むやみに自然を破壊するから、こんな事になったじゃない!!」
「そうですよ!! アデルさん!!」
「アデルー、だから言っただろ。むやみに枝折るなって……」
「んだよおおお!! 皆して寄ってたかってよ!!! あああ!! そうだよ!! オレのせいだよ!! 悪かったよ!!! じゃ、どうすればいいんだよ!!!」
アデルが髪をかきむしっている間にも、ユーリはいつの間にかウォークウッドの元に戻り、再び幹に手を当てて小声で話しかけていた。
「おい!! てめえ!! また独り言か!! おい!! 返事しろ!!」
「うっるさいですよ!!! アデル!! 今、ウォークウッドと会話してるので黙っててもらえますか!!!」
「かい……わ……だと??」
しばらくすると、ユーリは満足そうに頷いてアデルへ戻ってくる。
「ウォークウッドとの会話が終わりました! アデル! ウォークウッドに謝ってください! ただ謝るだけじゃなく、ちゃんと誠心誠意、謝ってください!!」
「は? なんで謝らないといけねえんだよ!! たかが木ごときに!」
「そうしないと、僕達、ずっとこの森から出ること出来ません!! いいから謝りに行ってください!!」
「アデルさん、謝りましょう! そして、早くクエスト達成しに行きましょう!!」
「そうよアデル! ささっと謝って、早くここから出たいの!」
「一応、謝ってこう。アデル」
「ああああんもおおお!! わかったよ!! 謝ればいいんだろおお!! おい! へなちょこ!! どいつに謝ればいいんだよ!!」
「僕はへなちょこじゃありません!! ユーリですっ!! この方に謝ってもらいます! アデルに三回枝折られたそうです!!」
ユーリの指差す木――先程、彼が話しかけていたウォークウッドだ。
アデルは渋々その木の前に立つ。
「えーっと、まあ、すまん!……これでいいだろ!! 謝ったぞ」
ユーリはすぐさまウォークウッドの幹に手を当て、耳を傾ける。
「……全く誠意が感じられないみたいです! やり直しです!!」
「はあああ?! ざけんな!! 謝っただろうが!!」
「ちゃんと謝ってください!! ずっとこの森にいたいんですか?」
「謝るって、何言えばいいんだよ!!」
アデルが髪をぐしゃぐしゃと掻きむしっていると、ゼーラがそっと近づく。
「アデルさん。今から私が言う事をしっかり覚えて、それをそのままウォークウッドに言ってください」
ゼーラがアデルの耳元で、ゆっくりと言葉を囁く。アデルは何度か口をぱくぱく動かしながら暗唱し、ふんっと息を吐いた。
「よし!!」
もう一度ウォークウッドの前に立ち、深呼吸をして――
「この度は大変失礼な、もの……いや、大変失礼なまねをしてしまい、とても……じゃなくて……大変申し訳ありません、でひゅた!!」
最後だけ思いっきり噛みながらも、アデルはがばっと頭を深々と下げた。
「あいつ最後噛んだよな」
「アデルさん、頑張りました!」
「バカアデル、噛んだけど……あれでいいの?」
リノアとゼーラがひそひそ話す横で、ユーリは再びウォークウッドと短く会話を交わす。
「……一旦許すと言ってますが、条件もあるみたいです!」
「はあ?! 条件ってなんだよ!!」
「二本の毒針を持ってるサソリを倒して欲しいみたいです。きっと、レッジスコーピオンの事を言ってると思います!!」
「レッジスコーピオンだと!! だったら丁度いいわ! オレ達も元々レッジスコーピオン倒す為にここに来たからな!」
「そうなんですか!! 早速伝えます!!……そういう事は先に言えと言ってます」
「んな事知るか!! で! どうなんだ?」
ユーリが聞き終えて周囲を見渡すと、ざわ……と森が揺れた気がした。足元の感覚が変わり、木々の位置が微妙にずれていく。
「こんな所に道があったのかよ!!」
鬱蒼としていた木々が道を開くように退き、真っ直ぐに伸びた獣道が姿を現した。
「ウォークウッド、こんなにいたのか!」
「びっくりしました……」
「これで地図通り行けるね!! ルイン、先頭よろしく!!」
「おう!! 早速行くか! ユーリ、ありがとうな!!」
「……あの、おおお!! 僕も少しついて行っていいですか?」
ユーリが勢いよく身を乗り出す。
「なんでてめえもついてくんだよ。世界旅するんだろ?」
「実は、僕にも仲間がいるんですけど、逸れてしまって。それで、襲って来なさそうな魔物に、仲間の事を色々聞いてたら、聖女様が向かう村にいるって噂を聞いて、向かおうとした所、パイソンスパイダーに襲われたんです!! だからお願いです!! 聖女様が向かう村まででいいので、ついていかせてください!! お願いします!!」
ユーリは深々と腰を折り、頭を地面に付きそうな程下げた。
「わたしは全然いいよ!! 魔物の声聞ける人なんて初めて聞いたから、色々聞きたい!!」
「私も大丈夫ですよ! 一緒に行きましょう、ユーリさん!」
「わあー!! あ、ありがとうございます!!」
「男子共! いいよね!!」
「わかったわかった」
「ちっ!」
アデルの舌打ちを聞かなかったことにして、五人は地図に記載されている村を目指して歩き出した。
道中、リノア・ゼーラ・ルインは、魔物と話せるユーリに興味津々で質問を浴びせかける。ユーリも、一つ一つに真面目に答えていく。
「ねえ! ユーリ! なんでウォークウッドが、レッジスコーピオン倒して欲しいって言ったの? 理由あるの?」
「えーっとですね。ウォークウッドは森の奥にひっそりと暮らしてるんですけど、ある時、レッジスコーピオンが現れて、ウォークウッドを多く襲ったんです」
「ウォークウッドって、魔物をなんで襲うんですか? 見た目、ただの木にしか見えませんけど……」
ゼーラが不思議そうに首を傾げる。
「実はですね、ウォークウッドの中心部に蜜を貯める空間があって、それがとても甘くて美味しいんですよ! だからレッジスコーピオンは、それを食べる目的でウォークウッドを襲って……ウォークウッドは逃げる為に、このフーランの谷まで移動してきたんだと思います!」
「へえー、そうなんだね!! それよりユーリは、いつから魔物と会話できるようになったの?」
「僕が物心ついた頃から、会話できるようになりました。あたり前のように魔物と会話してたので、周りの人からは気味悪がられましたけどね………。皆さんも、そう思いますよね……」
ユーリは笑顔を作りながらも、その瞳の奥に寂しさを滲ませる。リノアとゼーラ、ルインは、なんと言えばいいか迷い、視線をさまよわせる。
その空気を、アデルの声がぶった切った。
「てめえって、なんでそんな考え方がへなちょこなんだ?」
「へなちょこですか……」
「おい、へなちょこ!! オレはおまえが羨ましいわ! なんだよ魔物と話せるって! ちょっとカッコいいじゃねえかよ!! オレだってな、魔物と話して、魔物しか見つけられねえ食べ物聞きたいわ! ボケッ! だから自分の事を悪く言うんじゃねえ!! 次言ったらパンチくらわすからな!! わかったか! へなちょこ!!」
「…………っ」
ユーリの目に、ぽろぽろと涙が溜まり始める。
今まで彼に向けられてきたのは、「気味が悪い」「魔物寄りだ」といった否定の言葉ばかりだった。生まれて初めて「羨ましい」と言われ、「カッコいい」と認められた。
心の底から嬉しくて、胸がぎゅっと熱くなり、涙が堰を切ったように溢れ出す。
「おい、へなちょこ!! 何泣いてんだ!! オレが泣かしたみたいじゃねえか!!」
「バカアデル!! なんでいつも言い方がキツいのよ!! もっと優しく言えないの?!」
「そうですよ! アデルさん! もう少しだけ優しく言ってください!」
「俺もそう思う……」
「おいルイン!! てめえ!! なんでそっちの味方してんだよ! オレの味方しろよ!!」
「……」
「オレから目を逸らすんじゃねえ!!」
そんなやりとりを見ているうちに、ユーリはいつの間にか、泣きながらも声をあげて笑っていた。
一通り泣き笑いした後、ユーリはきゅっと拳を握りしめ、アデルの前に立つ。
「アデルくん!! 僕と友達になってください!!」
「なんだ? いきなり」
「ダメですか……」
「ダメとは言ってねえよ。友達が増える事は、オレにとって嬉しい事だからな!」
「そうなんですか……?」
「ああ! そうだ!」
アデルは、幼い頃パニア爺に言われた「友達は多い方が楽しいぞ」という言葉をふと思い出し、屈託のない笑顔をユーリに向ける。
「オレはアデル!! よろしくな!!」
差し出された手を、ユーリは震える手でぎゅっと握った。
「アデルくん!! ありがとうございます!!」
五人は再び歩き出す。
「もうすぐ着きそうですね! 僕、この道見た事あります!」
「遂に村に着くんだな! 食いもんねえかなー。オレ、腹減った!」
「村に着いたら、なんか食べてからレッジスコーピオン挑むか!」
「賛成〜」
「私もです!」
そう話しながら進んでいくと、周囲の様子が変わってきた。さっきまで普通に生えていた木々の中に、折れた木、根こそぎ倒された木が目立ち始める。
「これは一体なんなの!」
「レッジスコーピオンの仕業です!!! ウォークウッドを追って、村の近くまで移動したかもしれません!!」
ユーリの声が震える。
「だったら早く行かねえとやべえだろ!! ルイン!!」
「わかってる!! 移動スピード上げるぞ! ユーリ、着いて来れるか?」
「がんばり……」
「オレが背負って行くから心配すんな!! 行くぞ!!」
アデルが半ば強引にユーリを背負って駆け出し、五人は足を速める。折れた木、えぐられた土、巨大な爪痕――悲惨な爪あとを横目に、ひたすら奥へ。
やがて、ぽっかりと開けた空間に出た。
「なんでここだけ広くなってるんでしょう?」
ゼーラが眉をひそめる。
「ユーリ! なんでこうなってるかわかる!?」
「おそらくですけど……レッジスコーピオンの寝床になってるかもしれません。周りの木を掘り起こして、こうなってるのかもしれません」
「ん?……なんだあれ?」
アデルが、木々が薙ぎ倒されたあたりを指さした。
「何だろう?」
「葉っぱか、あれ? 左右に別れてんだけど」
「でも先端尖ってません?」
「み、み皆さん!! あれはレッジスコーピオンの尻尾です!! 先端には毒針が付いてます!!」
その言葉を聞いた瞬間、アデルの目がギラリと光る。
「先手必勝だああああ!!!」
叫ぶや否や、毒針に向けて猛ダッシュ。
「おい!! 待てアデル!! 無闇に突っ込むなってあれほど……ゼーラ!! アデルの援護頼む!! リノア!! 俺達もアデルに続くぞ!!」
「はい!」
「わかったわ!!」
レッジスコーピオンの尻尾に蹴りを入れようとした瞬間――地面がぐぐっと盛り上がり、アデルは反射的に後退する。
次の瞬間、地面を割って巨大な胴体が這い出してきた。
「気持ちわりい色した虫だ!!」
レッジスコーピオン。全身は暗い青で、黒い斑点模様がまだらに走っている。二本の巨大なハサミには、鋭い棘がびっしりと生え、揺れるたびにぎちぎちと不快な音を立てる。
「皆さん!!! あのハサミの棘にも毒がありますので、気をつけてください!!」
ユーリは叫ぶと、すぐ近くの茂みに飛び込んで身を潜めた。
「アデル! どうする!!」
「決まってる!! 突っ込む!!」
「待って!! アデル!! ここはわたしとゼーラで最初行くから! ゼーラ、行くよ!!」
「はい!! リノアさん!! ソルマ!!」
ゼーラの岩弾がレッジスコーピオンへ向かうが、サソリは長い尻尾をしならせ、その一撃で岩弾を粉砕した。
その上空――いつの間にか、リノアが風に乗って跳躍していた。
「アネマ!!」
真上から、圧縮した風の塊を叩きつける。
「ゼーラ! お願い!」
「ソルマ・クラヴィス!!(岩の釘)」
レッジスコーピオンの周囲から、尖った岩が次々と飛び出し、視界が砂煙で遮られる。
「す、すごい……です!!」
茂みから覗いていたユーリが、震えながらも感嘆の声を漏らす。
「おいユーリ!! 危ねえから隠れてろ!!」
「アデル! アイツがあの魔法くらって、まだ動くなら俺達で仕留めるぞ!!」
「当たり前だ!!」
だが、砂煙の中から、突然尻尾攻撃がゼーラへ襲いかかる。
「ゼーラ!!」
リノアは即座に風の鞭――フラッゲルムをマナで生成し、尻尾を打ち払った。
「ゼーラ!! 大丈夫?!」
「ありがとうございます! リノアさん!」
砂煙を掻き分けるように、レッジスコーピオンが二人目掛け突進してくる。
「ゲネシス・グラディウス!!(生成剣) クイス・オキデレ!!(回転斬り)」
ルインが生成した土の剣を振るい、身体を回転させながら、突進の勢いを斬り返すように受け止めた。金属と岩が擦れるような音が響く。
「ボサっとしてんな!!」
「ありがとう、ルイン!!」
「次の攻撃がくるぞ!!」
突進を阻まれたレッジスコーピオンは、怒り狂ったように尻尾の先端から毒液を飛ばし始める。
「あの野郎!! 毒液飛ばしてくるぞ!! ゼーラ、防いでくれ!!」
「ソルマ・パリエース!!(岩の壁)」
地面からせり上がった岩壁が、飛び散る毒液を次々と受け止める。だがそれほど毒液の威力は強く、岩の表面がじゅうじゅうと溶けていく。
「囮ありがとな!!」
その岩壁のさらに上――ゼーラたちの頭上を、アデルが飛び越えていた。
「クソサソリが!! これで頭かち割れろ!! プラーガ・カルキス!!(踵の一撃)」
渾身の踵が、レッジスコーピオンの頭部を正確に踏み抜いた。鈍い音と共にサソリの巨体が崩れ落ちる。
「アデル!! ナイスだ!! リノア!! ゼーラ!! 一気にたたみかけるぞ!!」
「アネマ!!」
「ソルマ・マレウス!!(岩の槌)」
「ゲネシス・マレウス!!(生成槌)ヒットォオオ!!」
風刃が甲殻の隙間を切り裂き、岩槌が外殻を砕き、生成槌がとどめのように叩きつける。レッジスコーピオンは青い粘液を外殻の隙間からだらだらと流し始め、もはや反撃する余力もない。
「最後はオレだぜ!! じゃあな! クソサソリ!! ペガルイム・プルス!!(殴衝撃)」
アデルの拳が、衝撃波と共にサソリの頭部を完全に粉砕した。巨体がびくりとも動かなくなる。
「大した事なかったな!! オレだけでも余裕だぜ!!」
アデルは勝ち誇ったように胸を張る。
「そうかもしれませんね! アデルくん! でも、さすがに毒液飛ばしてくるのにはびっくりしました!」
ゼーラが真面目に感想を述べると――
「もぉーゼーラー、あんまりアデルを褒めると調子に乗るから〜。見てよ今のアデル、調子乗って変な踊りしてるよ……」
リノアがげんなりとした顔で、変なステップを踏むアデルを指差した。
「まあいいじゃないか、リノア。たまにはアデルに調子乗らせとけば」
「アデルはずっと調子乗ってるよ〜! もうアデル!! その変な動きやめて!」
茂みからユーリが飛び出してくる。
「みみみ皆さん!!! す、す、すごいです!!!! そんなに強かったんですか!!!! 僕は怖くてしょうがなかったんですけど……皆さん無事でよかったです!!!」
「ありがとな、ユーリ! レッジスコーピオン倒した事、村の人達に報告しないといけないな!」
「そうだね!! きっとレッジスコーピオンの事で頭抱えてるかもしれないし、早速村目指そう!! ユーリ、後の道案内頼めるかな?」
「も、も、もちろん!! 任せてください!!! 聖女様!!」
「ユーリ! わたしの事は聖女じゃなくて、リノアって呼んで」
「私の事もゼーラって呼んでください」
「わたし達も友達でしょ」
「は、はああい!! 友達です!! ゼーラさん! リノアさん!」
「おいユーリ、鼻の下伸びてるぞー」
「アデルくん!!! そんな事ないです!!!!」
そんなやりとりを挟みつつ、五人はユーリの案内で村を目指し、無事にフーラン村へと辿り着いた。
村は驚くほど平穏で、畑を耕す者、子供をあやす者、岩場で何かを採取する者――村人たちは、いつもと変わらぬ日常を送っているように見える。
「村の方々、慌てた様子とかないですね」
「確かにそうだわ。レッジスコーピオンの討伐を依頼してきたのにね。てっきりレッジスコーピオンの被害に遭ってるかと思った」
「とりあえず、村長に話聞くか!……ってアデル、何見てんだ?」
「なあ、あの男ども。岩から生えてるトゲトゲの奴を素手で取ってるんだけど、痛くねえのかよ」
アデルの視線の先には、岩肌から突き出たトゲトゲの実を、器用に剥ぎ取っている村人たちの姿があった。
「アデルくん、あれはこの村・フーラン村の名物、岩栗です! とても甘いんですよ!!」
ユーリが嬉しそうに説明する。
「なんだと!! ユーリ、本当か!! ちょっともらってくるぜ!!」
「バカアデル!! 今、食べ物の事はいいの!! 早く村長さんに会って、レッジスコーピオン倒した事報告するのが優先!! そうすれば、お礼に岩栗沢山貰えるかもしれないでしょ!!」
「た、確かにな……その通りだ!! 今回はリノアの指示に従ってやる!」
「僕、村長さんの家わかりますので、案内しますね!!」
ユーリの先導で、村の奥に建つ少し大きな家の前に着く。ユーリが扉をノックしようとした瞬間――
バンッ!! と勢いよく扉が開き、真っ白な何かが、ぷうーぷうーと奇妙な鳴き声をあげながら、ユーリの胸に飛び込んできた。
「いたい!! え……なんですか?……」
胸元でスリスリと擦り付いてくるふわふわの物体を見下ろしたユーリは、次の瞬間、ものすごい勢いでそれを抱きしめた。
「プク太!! よがったあああああ!!! はぐれて、もう会えないかと思っだあああ!!! 心配したんだよおおおおお!!!」
頬ずりし、キスをし、頭を撫で回すユーリ。その様子に、家の中から腰の曲がった初老の男が顔を出す。
「おお、やっぱりユーリくんの相棒だったか」
「おめえが村長か? 後、ユーリ! その白い物体なんだ?」
「いかにも! ワシが村長だ! 君達はユーリくんと知り合いなのかい?」
「オレはユーリの友達だ!! それでユーリ、そいつはなんだ?」
「アデルくん、これはプクプクって言う魔物です!! 僕の旅する相棒なんです!」
プクプクと呼ばれた魔物は、全身が真っ白で、うさぎのような長い耳が左右に垂れ下がっている。小さな目がちょこんと付き、口はよく見えない。体全体がふわりと浮いていて、名の通り「ぷくぷく」と空中に漂っている。
「ええええ!! すっごくかわいいいい!! ユーリ!! 触らせてええ!!」
「わ、私もいいですか!! ユーリさん!!!」
リノアとゼーラの目が一瞬でハートになり、プクプクに飛びつく。彼女たちは撫でたり抱きしめたり、ユーリにプクプクのことを矢継ぎ早に質問したりで大騒ぎだ。
ルインはそんな二人を見て、苦笑しながら肩をすくめる。
「リノア、ゼーラ。村長さんと話を聞きたいから、プクプク撫でるの一旦やめてくれないか?」
「ルイン聞いといて〜」
「ルイン頼んだ〜」
二人の返事はそれだけで、再びプクプクに夢中になった。
「んったく、しょうがないなぁー。アデル、村長に依頼の達成報告するぞ」
「早く報告して、ギルド帰ろうぜ」
ルインは村長に向き直り、レッジスコーピオンを討伐した事を端的に報告する。
「おお!! さすが冒険者じゃな! よくぞ倒してくれた!!」
村長は心底嬉しそうに目を細めた。
「おい村長!! 聞きてえ事があるんだけどよ! 村長がレッジスコーピオン依頼したって事は、村に迷惑かかってるから依頼よこしたんだよな? でもここの村人、ほのぼのといつも通り過ごしてんじゃねえか。レッジスコーピオンが襲ってくるかもって考えはなかったのかよ」
「何を言っておるんだね。お前さんらがしっかり倒してくれるんじゃろ? だから安心して過ごせるんじゃ。実際に討伐してくれたではないか。ワシはお前さんら冒険者を信じておるんだぞ」
ニッと笑ってそう言うと、村長は奥の部屋へと引っ込む。すぐに、木の皮で編まれた大きな籠を抱えて戻ってきた。
中には、黒くとげとげしい木の実がぎっしりと詰まっている。
「ほれ! ここの村名物・岩栗じゃ。せっかく来たなら食べておけ。すんごい美味いぞ〜」
「こ、これが!! ユーリが言ってたやつか!!」
アデルは目を輝かせ、村長に剥き方を教わると、その場で器用に殻を剥いていく。
「おおおお!! めっちゃくちゃ綺麗に剥けたぞ!! 中身もスッゲー黄色だぞ!!!」
そのまま一口でぱくりと食べる。
「うめええええええ!!!! あめえええええ!!!」
全身で幸福を表現するような声が、家中に響き渡った。a
その声に釣られて、先程までプクプク一色だったリノアとゼーラが振り返る。
「アデル!!!! なんで岩栗食べている事、言わないのよ!!! ズルい!!!」
「ルインもですよ!! なんで言ってくれないんですか!!」
「だってプクプクに夢中だったからさ……」
「うううう……それとこれとは別なんです!! 私も食べます!!」
ゼーラはルインの隣に座り、剥き方を教わりながら、熱々の岩栗を頬張る。一方、リノアはというと――
「てめえ!! リノア!! オレがせっかく剥いた岩栗を、よくも食ったな!!」
アデルの足元には、すでに何十個分かの殻が転がっている。その分、リノアの口には次々と岩栗が消えていく。
「え? わたしがすぐ食べれるように剥いてくれたんじゃないの?」
「そんなわけねえだろ!! アホリノア!! 自分で食べる分は、自分で剥け!!」
「別にいいじゃない!! こんなにあるんだから!!」
「絶対ダメだあ!!」
わーわーと騒ぐ四人を、村長とユーリは少し離れたところから、穏やかな目で眺めていた。
「お主の友達、元気じゃの〜」
「ものすごい元気ですよね!」
ユーリはプクプクを撫でながら笑い、それからアデルたちの輪の方へと歩いていく。
「おお! ユーリ!! そしてユーリの魔物! これ食え!! めちゃくちゃ美味いぞ!!」
「ユーリは一回食べてるから美味しさわかってるの! でもアデルがみんなの為に剥いた岩栗いっぱいあるから、ユーリ、プクプク、いっぱい食べていいよ」
「おい!! アホリノア!! 何勝手にどんどん渡してんだよ!! しかもリノアてめえ!! 一回も自分で剥いてないだろ!!」
賑やかな笑い声と、岩栗の甘い香りが、フーラン村の澄んだ空気に溶けていく。
ユーリはプクプクの柔らかい感触を確かめながら、その真ん中で騒ぐ仲間たちを見て――胸の中に、じんわりと温かいものが広がっていくのを感じていた。
岩栗
岩に中で成長し、実が付きそうな時期になると岩を砕きながら岩ので実を熟す皮は非常に硬いがコツ掴めば誰でも楽に剝く事が出来る、実は非常に甘い
魔物 レッジスコーピオン
餌を探す時以外地面の中で休んでいる、尻尾を出して敵が近ずくと先端から毒液を出す、自ら危険がなければ襲ってくる事はない、危険がわかると体の表面をベタベタさせる液体を分泌させる、触れるとくっついてしまう
本日もここまで読んでくださりありがとうございました!!




