同居二日目、買出し。
イケメンは二次元に帰れこのやろぉぉぉぉ!!
何で三次元から出てきやがった。
よしんば出てきたとしても私を巻き込むなといいたい。
いや、ただ単に横の男のせいで女性からの視線が痛く腹立たしいだけなんですけどね。
女の子は可愛い。
そして可愛いは正義!!
女の子は正義!!
正義を守る!!
それを信念に騎士道貫いてます!!
本当は騎士になりたかったのですが、今の時代無いので軍で手を打ちました。
無念。
そんな私の信念を崩す隊長はいかんともしがたいです。
しょせん女なんて顔か!!
やっぱ可愛いから許す!!
そうだ、怒りのあまり状況を説明するのを忘れていました。
上に立つ者として恥しい限りです。
家に料理の材料や日用品の備蓄などもあることはあったのですが、僅かなもの。
時間がたち馴れてしまえばどちらかが買い揃えてしまうという無駄に行動力のある私たちの事を考えたのでしょう。
性格上足りないものがあると落ち着かないのです。
なので揃って有給を取らされどちらかが買いに行くという時どちらも譲らず結局二人で買いに行く事になってしまうのです。
上司なんだからパシリにでもすればいいのに。
トイレットペーパーを持ったイケメンってそれでも様になるんですね。
まずは日用品をと思いあらかた買い終わった。
両手に持った日用品が庶民臭さを出しているにも関わらず輝きが衰える事を知らない。
奥様方の熱い視線が隊長に注がれ冷たい視線が私に突き刺さる。
平凡な顔で悪かったですね。仕方が無いんですよ!!
そして最初に戻るわけです。
これだから面の良い奴は!!
あぁもうあの男の所為で最近こんなんばっかだな。
待て、クールになれ頭を冷やすんだ私。
妬みは何も切り開けないぞ。
良し!!食料を買いに行くぞ!!
無言で私の後を着いてくる隊長を引き連れてギラギラとした奥さん方が買い物をしている中へつっきていく。
私の国と違い地下に食料を溜め込んでおくのが主流なこの国は買い貯めを良くする。
昔頻繁に戦争をしていた名残だそうだ。
保存食が豊富なのが特徴で何故か魚介類が好き。
今では新鮮な魚介類が手に入るが内陸だから昔は干物などが多かったらしい。
新鮮な魚介類を求めてわざわざ行く人も多かったそうで。
まぁ今でもいますが。
隊長も好きなのだろうかと魚介類コーナーへ向かうとあからさまに気になっている様子が分かる。
好きな魚介の前になると歩みが遅くなるので隊長が押しているカートの中にポイポイと入れていく。
何故自分の好きな物を入れていくのか不思議な顔で私を見るが存外、外では分かりやすい人らしい。
意外だ。
外でも自分の考えを見せぬ人だと思っていた。
調味料は揃っているから魚のスープにでもしようと思う。
家路に着くときさり気なくエスコートしてくれる隊長が不思議で堪りません。
車を運転する時も扉を開けるときも後ろにいたはずなのにいつの間にか前に出てくる隊長。
任務時では男女関係無く指示を出す隊長は紳士だったようです。
紳士を妬むなど私は愚かな事をしていたようです。
これからは心を引き締めて背後を守らせていただきます!!