同居一日目。
どうも、前回の三日後です。
言われた次の日にもう家用意したから~と気軽に言われて急ピッチで荷造りしましたよ。
本当に仕事出来るなこの男、腹が立つ。
流石に上司の前で学生時代のジャージとかネタシャツ着れないのでその為の買い物とかしなきゃいけないので必死でした。
同居の為の参考資料あるから使ってね。と渡された分厚い資料。
もはや凶器のようなこの物体読めと言うのですか。
パラリと捲ってみると噛み砕いた表現がとてもむかつきます。
同居で注意する事や家の管理の仕方が図入りで丁寧に書かれてある。
他にもトラブルに対する対処の仕方やらご近所付き合いまで書いてある。
ホームパーティーを開く際のホストの役割とか誰がやるか!!
恋人でもない人間が共同生活をしている家に誰が呼ばれるんだと問いただしたい。
気まずいわ!!
とまぁ、そんなこんな仕事を片付け半休をもらった午後、ある意味新居に足を踏み入れ隊長とともに家の間取りなどを確認しています。
職業病とでも言うべきかとっさに怪しいところはないか探っている自分が居ます。
それにあの上司なら盗聴器も仕掛けられたりしてそうで発見器と罠の確認、魔法の痕跡が無いかとか本気で探してしまいます。
こんな殺伐とした引越し初めてです。
まぁ素敵な一軒家!!何て思うと思ったか?三分でホームシックにかかったわ!!
いつ終わるかわからないから解約してない為残っているマイホームに早く帰りたい。
そして引きこもりたい。
積んであるゲームを全部クリアしたい。
幻想に片足を突っ込みながら点検する事三十分。念には念を入れてみました。
お付き合いいただけた隊長にはほんと頭が下がります。
この人も苦労してるな・・・。
失礼な事を考えながらやっと腰を落ち着けて隊長と向かいあった。
すっかり忘れていたけど私が誰とか隊長がどんな人とか説明してませんでしたね。
ゲームで言えば説明書らしき物が見当たらない。
中古であったら値引きされてますよほんとに。
まずは私から
ミディナ・ブロウリー
19歳 独身 職業 オタク兼軍人。
小さな国からこの王都まで上京してきた田舎物です。
国といっても大陸の中であればまとめてひとつの国といった感じで文化は違うが
同じ大陸内であれば公用語が必須科目として小さい頃から勉強させられています。
そしてゲームや漫画はほとんど公用語で作られるから必死に勉強しましたとも。
入隊理由が当時はまっていたゲームの制服に似ていたからという。
とりあえず給料はいいのだけどもゲームやら漫画やらを買うのに節約していたせいかお金は溜まりました。
その為一人でなんでもこなしていたから炊事や洗濯など家事は得意です。
いつかオタクグッズを全て収納できるような特別な家でも建ててやろうかと痛い事考えてます。
夢ってとても大事だと思う。
そしてもっぱら好きなのは少年漫画とギャルゲーやRPGなど。
仮想空間でキャラになりきるものより操作する方が好き。
仕事で毎日冒険のようなものをしているのに何故ゲームでもせにゃならん。
主人公達も苦労するがいい!!
屈折した愛が今日も爆走するってもんですよ!!
他には地味に育成ゲームで和んでいます。
いつ死ぬかわからない職業だからそういうとこに癒しを求めちゃうんです。
娘を育成するゲームをしたんですけど嫁にいった瞬間泣いた。
表情筋コントロールできて良かったと思った去年の夏の日。
仕事中泣きそうで本当にやばかったです。
わかります?お父さんじゃなきゃ結婚したくないって言った娘があの人お父さんに少し似てるんだ・・・
とか言いながら嫁にいく姿を!!高性能AIのせいかリアルな娘ができるこのゲーム。
どんなに手塩にかけて育てた事か!!
いかないでくれと何度思った事か!!
後はフィギュアが好きだったりオールマイティな複合型です。
趣味が多すぎて自分でも把握しきれてません。
紹介内容ほとんど趣味の話しですが私に語れるものは他にありません!!
他にも副隊長だったり隊の役割など話すんでしょうがめんどくさい!!
きっといつか明かされるはず。
むしろ明かされなくても問題ありません。
今の議題はロリッ子は縞パンか白パンどちらがジャスティスかそれだけです。
同居する相手の隊長は
ルーディアス・フォン・グラディオス
25歳 独身 職業 軍人
名門貴族の軍人を多く出してきた家柄らしいです。
フォンとかテンプレで噴いた。
本当は恐ろしく長い名前らしいのでカットしておきました。
そして色々と謎過ぎて説明しずらい。
何考えているかわからない。
ぼーっとしているのかと思ったら小難しい事考えてるしめんどくさがり屋に見えて仕事出来る。
そして顔が良い。
スタイルの良い高身長に綺麗な銀髪、均整のとれた顔立ちとか賞賛の言葉しか出てきません。
すみません。男性の表現したことないから適当で。
とりあえず男前です。
そして声もいい。
声フェチの友人に聞かせたら絶対憤死する。むしろ私が嫉妬で奇襲かけられそうなぐらいです。
ぼそりと喋るけど聞き取りやすい低くて良い声をしてらっしゃいます。
私は声優オタクじゃないので良くわかりませんが。
生活能力があるのかは未知数。
仕事以外の会話をした事がないとか・・・
けれどもこの人が酷い人では無い事はわかっているのである意味安心できる。
安心できないのは私という存在だしね!!(オタクという意味で)
ヒャッホウ!!自分で言って悲しくなってきた。
自己紹介はこのへんにしといて話を進めます。
とりあえずあの凶器を元に話し合う事にしました。
~その一
まずは自己紹介をしましょう。
相手の宗教や生活における重要性などを理解しておかなければトラブルの原因となります。
「合わせる」
「了解しました」
終了。
隊長、楽です。
~そのニ
役割分担をしましょう。
相手に寄りかかるだけでは信頼関係は気付けません。
助け合い相手を尊重してポイントを稼ぎましょう。
ポイントとか二人とも見てるんだから言っていいのか?
誰向けなのこれ。
「隊長は家事などをなさった事がありますか?」
「掃除は出来る。」
この人の事だから
全部捨てる。
家具以外のゴミといる物の区別絶対つかない。
「それは……」
「捨てる」
「必要な物もですか?」
「買えばいい。」
ほら当たったよ!!買えばいいって無い間どうすんだよ!!
絶対この人執事とか家に居たよ!!
「・・・私は一般の出なのでそのような生活に慣れていません。出来ればゴミと思われる物以外は確認を取っていただければと思います」
「わかった」
大丈夫かなこれから。
いやいや隊長は状況判断はできる人だからきっと大丈夫なはず。
そう思わないとやってられるか!!
そうして話し合うこと二時間。
やっとこさ全ての確認が終わり各自の部屋に引っ込んだ。
目を背けていたんですが部屋の内装ピンクのレースが乱舞するお姫様のような部屋なんですが、私に何を求めているんでしょう。
隊長のは落ち着いた部屋なのに……
目がチカチカして眠れんわ!!
こうなったら私の密やかな趣味のアイマスクが火を噴くぜ!!
今一番のお気に入りは見るものに恐怖を与える戦慄の破壊者シリーズです。
隊長に見られたら殉死目指して特攻するしかない。
そんなひそやかなスリルを味わいながら一日目が終了しました。