同居十九日目、そんな理由。
それは、談話室の近くを通りかかった時です。
クイール隊長は数人の男性と談笑していました。
遠目からでも爽やかな笑顔を浮かべているのが分かりました。
当時は訓練生の身分。
若くして出世した彼と接触するのは任務時ぐらいしかないだろうと思っていました。
すぐに通り過ぎようとした時思いがけない声が聞こえてきたのです。
「このルリ? っていう女、目がでかくて気持ち悪いな!!」
なん……だと?
おいおい待ってくれよジョニー。
いやいや、ジョニーって誰だよ。
大混乱している脳内ではジョニーが大暴れしていた。
「もうちょっとちっちゃくすればいいのにな」
そう言ってバサリと机の上に投げた雑誌には当時、私の嫁であったルリちゃんが上目遣いで表紙を飾っていたのです。
おぃぃぃぃぃぃ!!
おまっ!?
少女漫画程でかくないだろう!!
それにそのパッチリしたおめめがいいんじゃろがい!!
よりによって気持ち悪いだとぉぉぉ!!
その時、脳内のジョニーと叫んでいましたよ。
そして私の目は、その雑誌を読んでいただろう男性の引きつった笑顔を見逃しませんでした。
貴方もルリリストなんですね。
同士よ……
敵はいつか取ってやります!!
熱くも悲しい感情が私の中に芽生えたのです。
他にも私の身長が低いやら、空気が読めない発言をしたり、
たまに遊びに来ては馬鹿でかい声で喋っているので嫌でも会話が入ってきます。
私は大人しく書類整理をしたいんです。
隊長に話しかけているから近くにデスクがある私は直撃ですよ。
わざわざ私に近いとこで陣取って会話しますからね。
隊長もよく喋りかけられながら仕事できますよね。
それと私の隊の女子はお茶くみじゃないんですよ!!
自主的にやっていますが……
っち、面が良いっていいですよねぇ。
爽やかな顔をしているからってあんな暑苦しいのの何処がいいんだか。
ケーキもっぐもっぐしながら喋るせいでいつ書類にケーキが降りかかるかそれも心配です。
まぁ、私の分のケーキも用意してくれるのでちょっぴり嬉しいですが。
そんなこんなでルリちゃんの怒りが大幅にしめてますが私はクイール隊長が苦手なのです。
それにしてもこんな近くに寄っているんだから起きろと思うのですが。
まだ時間があるので放置してご飯を作る事にしました。
テーブルの上にメモを乗せ私は早々と出勤しました。
隊長が起きてくるかと思ったら起きてこなかったので珍しく飲みすぎたのだろうなと思ったので薬も一緒に置いて置きました。
二人でちゃんとわけて食べてください。
そのメモを書いたとき私はお母さんかと思い少しへこみました。
結構くだらないですが、塵もつもればなんとやら。
そもそも彼のキャラ自体が苦手らしいです。