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同居十五日目、アングラ。


薄暗い階段を少しずつ降りていく。

周りには人影が見えず此処にいるのは私だけ。

こんなところを歩いているなんて他の人間は知らないだろう。

もう待ち合わせている人間は着いて私を待っていることだろう。

私の望むものは既に手配してある。

紙を渡せばいいだけの事なのに握りしめた手が汗ばむ。

初めてだから緊張しているんだ。

そう、此処に来るのは初めて。

そしてアレを買うのも。

いつも買おうか悩み、諦めていた物を強い勧めに負けて買ってしまった。

一つ手に入れてしまえば転げ落ちるのは簡単なのに。

何て自分は弱い人間なのだろうか。

越えてはいけない壁を叩き割ろうとする音が足音と共に近付いてくる。

軽い扉を開けると明るい光が溢れてくる。

見渡せば思い描いた以上の光景が広がる。


そう此処は、


オタクならば必ず来るという知る人ぞ知るオタクの聖地。


みるぽん☆マジック


そこで私は、ミルフィたんの等身大抱き枕を買ってしまおうとしているのです。

もうね!!ミルフィたんは俺の嫁というか何と言うか。

抑え切れぬ衝動が私を突き動かしたわけでしょうがない。

しょうがないんだと自分を騙しながらやってきてしまいました・・・。

私は大人しいうさぎのような子が好きなんですよ!!

理想の嫁像がいたら買うしかないでしょ!!

ロリで猫耳で巨乳で大人くてちょっと泣き虫。

語ると恐ろしい事になるのでやめておきますが、昨日あんな訓練があったにも関わらず愛ゆえに来てしまいましたよ。

もうね、オタクなんだからいいかなぁって持っていたらドン引きされると分かっていても欲求に耐え切れませんでした。

それにしても室内全てがほぼ美少女。

流石はオタク界のカリスマ☆ジョージさん

みるぽんは俺の嫁と言ってブームが過ぎているにも関わらず未だに愛しているジョージさんは凄いです。


本当は宅配にしようかと思ったんですが万が一隊長が受け取るとまずいじゃないですか。

ミルフィたんが出てる箱庭の鈴を作っている会社は宅配の梱包が恐ろしく地雷な事で有名なのも問題です。

堂々と女の子がプリントされているのを見られたら爆死も厭いません。

自宅の方は受け取れないし、直接受け取って新しい枕を買ったんですと言った方が安全だという事で落ち着きました。

最近は隊長と休みが被るのでどうしようもないのです。

本当は別々の方がいいのですが、あの憎き上司のいらん気遣いのせいです。

おもいっきり楽しんでやがりますね。


意外と広い店内を見渡しながら進むと背中を押してくれやがった友人のルゥカが居ました。

今、人気キャラのフィギュアを真剣な目で見ていると何だかほっとするのは何故でしょう。


「ルゥカお待たせ。」


「みっちょーん。こっちとこっちどっちがいい?」


「第一声がそれかい。スク水一択で。」


「このスク水好きめが!!」


「ロマンを求めて何が悪い!!」


しょうもない二人ですみません。

友人には口が悪いです。

ルゥカはスクール水着をきている桃色の少女と魔法使いのような服に身を包んだ黒髪の女の子で悩んでいたようですが私に聞いた事が間違いなのです。

スク水の方は制服が着脱可能なのも良いと思います。

自分も昔は着ていたのに二次元に求めてしまうのは何故でしょう。

プールに行って子供を見てもなんとも思わないんですけどね。

可愛いとは思いますが萌えは感じません。


「じゃぁこっちにしよう。みっちょんは取りにいかないの?」


「んーまだ来たばっかだから見てからにする。フィギュアも欲しいし。

早く受け取ると動きづらいじゃん。」


「それもそうだねー。そういえば新作のストラップ出てたよ。」


「まじでか!?」


「まじでだよ。」


「いくぜ戦友!!」


「えっ何そのテンション引くわ・・・」


「・・・・」


ちょっと鬼畜なのが彼女のいいところです。

それにしても女性が私たちしかいないのは少しつらいです。

女だって来たっていいじゃないか。

最近増えてきているんですよ。

男性程外に出ないだけで影では暗躍しているのです。

コスプレとかは有名ですけどね。

私はしたことありませんが。

友人に進められても断ってます。

ルゥカはスタイルが良くて人気があるみたいですが私にとっては未知の世界です。

既に仕事がコスプレみたいなもんですけどね。


ルゥカの鋭い一言にへこみつつ買いたい物もがっつり買い、

抱き枕も受け取って店を出ました。

お昼ご飯はルゥカの要望でオムライスのお店に。

しばらくしていなかったオタクトークは心を癒します。

決して隊長と同居したことなんて言いません。

どんなネタにされることやら・・・・恐ろしい。

その後は軽く買い物をして別れました。

抱き枕が予想以上に邪魔臭い。

カバーを外しても存在感があるので後日ちゃんと遊ぼうということに。


帰ったら隊長が出迎えてくれました。

どうやら寂しかった様子。

先日贈ってくれた服を着ていなかった事が不満らしいですが、あんなフワフワしたものを着てルゥカにあったらどんな目に合うか。

確実に弄り倒されます。

少し機嫌が悪そうな隊長もご飯を食べたら機嫌は治りました。


抱き枕は自宅に帰れた時にでも置きにいくことにします。

流石に使用はしません。

持っているだけでいいんです。

勿体無い考えでしょうか。







抱き枕がラインだと思ってます。

あれっていくらぐらいするんでしょうか。

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