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情報収集します

その日は結局、リズムとロクに顔を合わせる事なく放課後になった。帰り支度をしている俺に勇希が声をかける。


「帰り、あの子も一緒に帰るのか?」

「あー、いや、どうかな? 約束はしてないし、またどこかへ行ってるみたいだから……」


教室を見渡すがリズムの姿はなかった。


「帰るか」


今日は海斗も部活で、航も生徒会の仕事があるとかで授業後、直ぐに教室を出て行った。

俺は残った勇希と2人で教室を出た。


「あ、善さん! もうお帰りですか?」


ちょうど教室へ戻ってきたリズムが駆け寄ってくる。


「リズム、お前どこ行ってたんだよ。俺達もう帰るけど、お前はどうする?」

「そうですね〜、私はまだ調べたい事があるので先に帰っててください」

「そっか。家は分かるよな?」

「はい、位置情報はしっかり記録してありますからご心配には及びません」

「位置情報?」


勇希が首を傾げる。俺は慌ててフォローした。


「あ、あれだろ、あの地図アプリのこと」

「あー、そっかスマホってそういう事も出来るんだったな」

「そうそう、アレは便利だからお前もアプリ入れた方がいいぞ?」

「うーん、でも上手く使いこなせる気がしないしなぁ」

「そんな難しいもんでもないけどな……。あ、じゃあ俺たちは先帰るわ」

「はい、お気をつけて!」


リズムは俺たち2人を見送ると、またどこかへと走り去っていった。



リズムは誰もいない廊下を1人歩いていた。


「とりあえず、情報収集はこのくらいでしょうか? もう少し欲しい気もしますが……」


窓の外を見ると、すでに日も傾き、部活動を終えた生徒達がグラウンドの片付けを始めているのが見えた。

階段を降りて昇降口に向かう途中、リズムは階段の影にうずくまる人影をみつけて声をかける。


「あの、何かお困りですか?」

「……!!」


声をかけられた生徒はビクリと肩を振るわせ、怯えた表情で振り返った。


「あれ、貴方はたしか3組の皆月さん……」


リズムは見覚えのある生徒の情報を記録から呼び出そうとした。すると、数人の女生徒の話し声が聞こえ、その声を聞いた皆月は不安げな表情をより一層深めた。


「あの…ごめんなさい……!」


皆月はそう言うと声のする方とは逆方向へ走り去っていった。


「……どうして謝るのでしょうか?」


彼女の走り去った方を見ながらリズムは首を傾げた。


「いたぁ?」

「ぜんぜん見つかんな〜い」

「あっちの方探してみよ〜」


数人の女生徒はリズムには目もくれず、そのまま通り過ぎていった。


「……そろそろ帰ってレポートをまとめましょう」


そう言うとリズムは近くにあった扉を開く。扉の先はリズムのシェルターへと繋がっていた。


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