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意識が沈んでいく。
真っ暗闇の穴に落ちていくように、深く、深く。
誰の手にも触れられないような奥底に、沈んでいく。
手も足も溶けてしまった。全て、消えてしまう。
――ああ、たすけて。
祈りが届いたかのように、一筋の光が差し込み、朧げな人影がゆらりと立ち昇る。
真っ黒な瞳に、真っ直ぐにこちらを射抜く、強い目。
思わず手が伸びる。しかし、人影は掴む前に霧散した。
――いかないで。
知らず頬を涙が伝う。
――あなたは、わたしの…………――。