表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

漫才『迷惑メール』

迷惑メールをどうにかしたいコンビの漫才です。


ボケ⇒ボ

ツッコミ⇒ツ



ボ「あんなぁ、今日はお前に相談したいことがあって来たんよ」


ツ「んー、なに。どうした?」


ボ「実は最近、迷惑メールにすっげぇ悩まされてるんだわ」


ツ「迷惑メール? 迷惑メールって、詐欺の業者が何件もブワ~って送ってくるっていうアレですか?」


ボ「うん。あの手この手で俺に金を振り込ませようと、めっちゃ送ってくるんよ。いや俺ってやっぱり純粋じゃん? だからついつい騙されちゃうんだよね」


ツ「今どき迷惑メールで騙される大人も珍しいですけどね。んで、めっちゃ来るって1日にどれくらいくるんですか?」


ボ「1件」


ツ「いっけん!? たった1件のみ!?」


ボ「いやお前、1日に1回も詐欺に遭うって相当だろうがよ。もし毎日オレオレ詐欺来たら、いっそ性別変えたくならない? 『いえ、私は私ですから。オレじゃないですから』」


ツ「いやならないわ! あと下手な女声やめろ気色悪い……でもたしかにそう考えると多いかもしれませんね、1日1件というのは」


ボ「だからね。今日は俺がこれ以上迷惑メールで詐欺に遭わないよう、ちょっと練習に付き合ってくれない?」


ツ「練習~? はぁ、まぁいいですけど」


ボ「じゃ俺が迷惑メールを受け取る被害者の役やるから。お前は迷惑メールの業者が捕まって牢屋で反省する役やってくれる?」


ツ「いや、終わってるから! 事後! 事件もう解決してるから!」 


ボ「えっ?」


ツ「すでにハッピーエンドだから。貴方はそこから何の対策をするつもりなの!?」


ボ「いや、色々あるじゃん? 二度と同じ過ちを犯さないように、徹底的にお前を追い詰めて……」


ツ「怖いよ!! 迷惑メールの業者より怖……いや胸元からナイフをチラつかせる仕草すんのやめて? 僕、まだ何もやってませんからね?」


ボ「アイツまだ罪を認めてねぇぞ……」


ツ「だからやってないからね!? いや、もう貴方が業者やって。僕が被害者の手本見せるから」


ボ「ちっ、逃げやがったか」


ツ「なんだコイツ……あっ、また迷惑メールが着たよぉ~。いったいどんな内容送ってきたんだ?」


ツッコミ、スマートフォンを操作する演技を始める


ボ「大阪で売れないコンビ芸人をやっています。最近相方が冷たくて、アナタに会いたくなってしまいました……」


ツ「貴方じゃん! 詐欺じゃなくて貴方だからねソレ!」


ボ「返信はこちらのメールアドレスに送ってね」


ツ「知ってるから! 貴方のメールアドレスなんて、中学の頃から知ってるわ!」


ボ「お前のアドレス帳、俺と母ちゃんと、飯奢ってくれる都合の良い先輩しか登録してないもんな」


ツ「黙れよ!! 僕のアドレス帳事情をここでバラすな! それに何だその『相方が冷たくてアナタに会いたくなる』って! 恋人じゃなくて新しい相方探してんじゃねぇか」


ボ「いや、朝お前の家に行ったら冷たくなってて……」


ツ「物理的に!? 僕死んじゃってるじゃん! こうして生きてちゃんとネタやってますからね!? ったく、これが終わったら楽屋で話し合いするからな……ほら次!! どんどん送って来い!!」


ボ「お前、メル友が居ないからって自棄(ヤケ)に……」


ツ「ちげぇから! あーなーたーがーやーりーたーいーって言ったのー!! 早くやれ、しばくぞ!」


ボ「おめでとうございます! 賞金、1000万円が当選しました!!」


ツ「あー、そういうタイプね。だいたい何もしていないのに、そんな大金が当たるわけがないじゃないですか。バレバレですよね、こんなん」


ボ「なので当選者様の口座を……」


ツ「あ、きたきた。これで僕の口座番号を聞き出そうとするんですよね」


ボ「特定して振り込んでおきました!!」


ツ「振り込んじゃったの!? 詐欺じゃないじゃん! いや、何『あっ、やっちまった』って顔してるの!? 馬鹿なの?」


ボ「え、えっと……お金持ちが亡くなったので、遺言で貴方の口座に3億円振り込みました」


ツ「また振り込んでる!? それもう振り込んでる詐欺じゃん! 僕の口座、3億と1000万が振り込まれてるの!? 逆に怖いわ!! もう貴方、絶対に詐欺なんか向いてないわ……え、どうしたの急に」


相方がしゃがみ込んで泣き始める


ボ「だってお前……3億も大金があったら、もう俺と芸人やってくれないだろ?」


ツ「えっ?」


ボ「こんなマトモに迷惑メールも送れないような相方と一緒に芸人しなくたって、お前ひとりで生きていけるじゃん!」


ツ「いや、迷惑メールは送らないで欲しいんですけど……バッカだなぁ!! たとえ僕に大金があったとしても、貴方と芸人を続けるに決まってるじゃないですか」


ボ「お前……ありがとう! やっぱ俺の相方はお前しかいねぇよ!!」


抱き合う2人


ツ「これからも仲良くコンビやっていこうな!!」


ボ「クックック、ずっとこの時を待っていた……」


ツ「え?」


ボ「お前が油断した今こそ、復讐を遂げるチャンス……覚悟ッ!!」


胸元からナイフを取り出す。


ツ「だーまーさーれーたー!?」





御覧くださりありがとうございました。


もし面白かったらブクマ、☆評価などいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ