ギルド結成と条件
俺は机を挟んで、封凪の目の前へと座る。春にお茶を用意させてと言ったが既にお茶は封凪が座る目の前の机に置かれていた。さすが出来る男は違うな。
「ブラッドに依頼か?」
「依頼ではないが、知っておいて損はない事を教えておこうと思ってな。ギルドを作る事と異世界QUESTの収入についての話だ」
そういえば封凪と初めて異世界QUESTをCLEARした時に話した気がする。異世界QUESTは金が貰えるかどうかの話。それよりも・・・封凪は俺にウソをついていた。それの事について聞かなきゃいけない。
「封凪、その前に俺に言う事はないのか?」
「言う事?」
「俺はお前からイヴィリナードの人数を聞いていた。だが実際は違った。俺を入れて8人と言っていたがもっと居るじゃねーかよ」
「・・・」
「どういう事なんだ?」
「無田と魔堕羅のことか。アイツらは俺にとっては仲間ではない。だから俺が真の仲間と呼べる者の人数だけを言っていただけだ」
「じゃあ何でイヴィリナードに居るんだよ!」
仲間じゃ無いならイヴィリナードに居なければいい。封凪は何の為に2人をイヴィリナードに入れたんだ?意味が分からない事を言ってるのは・・・俺なのか?
「イヴィリナードは仲良しこよしのギルドではない。皆が全員敵だと思い励んでいるギルドだ。死咲にはやはり合わなかったか。まぁいい、それよりも俺の話を聞け」
「・・・収入の話か?てか誰が異世界QUESTに金なんか支払うんだ?」
「異世界QUESTの情報機関だ。この情報機関は政府が裏についている。この日本の総理大臣も知っている事だ」
「規模がでかいな。日本の総理大臣が知ってるのかよ」
「3年前に突如現れた異世界への扉。当初はニュースにも大きく取り上げられていたが、突然消えていった。それは政府が圧力をかけた。異世界QUESTについて報道をしないように。だから世間では都市伝説と化している」
政府や情報機関。話の規模が大きくてよくわかんなくなってきたな。結局は国から金が出るってわけなのか?でも未だに収入はない。その辺も教えてくれるのか?
「まずギルドを作るにはその異世界QUESTの情報機関へと申請しなきゃいけない。ただここで条件が発生する。ギルドを作成できるのは作成者のレベルが10以上かつ仲間が3人以上すぐにギルド加入できる事だ。ここまでは死咲は条件が達成しているだろう。だが1つだけ無理なものがある」
「何だそれは?」
「その3人は全員がレベル10以上じゃないといけない。死咲と夜形の2人はレベル10以上になっているはずだがもう1人が居ない。これじゃギルドを作成する事はできない」
封凪の話からすると、ギルドを作成するには、
①ギルド作成者がレベル10以上
➁仲間が3人以上すぐに加入できる事
③仲間の3人もレベル10以上
この3つだとわかった。①と➁は何とかなるとして、問題は③か。確かにレベル10以上には異世界QUESTを1度でもプレイした人ではないと無理だ。かといって今からレベル10に上げるのもな。
俺がレベル10の異世界QUESTへと行って敵を倒す。それでレベル10に一緒に行った者もなるはずだが、ギルドを作成するだけなら既にレベル10の者をギルドに加入する方が良い。
「封凪。宇敷さんをイヴィリナードから脱退させられないか?」
「何故だ?」
「宇敷さんと昨日話して俺のギルドに入れれば入ると言っていた。でもイヴィリナードから抜けられないから無理ってなったが、封凪ならマスターだから脱退をさせる事もできるだろう。俺の時にみたいに」
「まぁできるが・・・宇敷は魔堕羅と親しい仲だ。もし俺が脱退をさせたら、魔堕羅が何をしてくるかわからない」
魔堕羅か。魔堕羅組の組長の1人娘である魔堕羅 杏。アイツを尾行していてわかっている事がある。勘が以上に鋭いって事だ。しかも冷静沈着
で組員も一目置いているぐらいだ。
厄介な相手だな。宇敷を引き抜くのはやめておこうか。ならば・・・強くてすぐにレベル10へと上げられる奴が適任か。
「春、お前が異世界QUESTをやれ。そしてすぐにレベル10になってくれよ」
「僕ですか!?無理ですよ!!運動苦手なんですから!!」
「お前もメンバーになるんだぞ?」
「いやー話を聞く限り、僕は少しずつ上げていく方が似合ってますよー。妃菜ちゃんとかどうなんです?」
「妃菜を危険な目にあわせられるわけがねぇーだろ!」
「うわー妹思いというか・・・」
結局春も妃菜も無理だ。ならば・・・アイツに声をかけてみるか。
「封凪、収入についてはまた今度だ。とりあえずギルドを作成できる状態に持っていく。明日までにはな」
「何かアテがあるのか?」
「1人・・・強い奴を知ってるんでな。しかも、今日試合だしな」
俺はスマホで検索して、今日行われるプロボクシングの試合を見る。そこには日本フェザー級タイトルマッチが東京で行われる事が書いてあった。ここにアイツは居る。
ギルドを作成するため、そして海埜を助ける為には手段は問わない。アイツも多分乗ってくれるだろう。
「お前の力必要になってくるとはな・・・三守」




