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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.3
71/74

安生の地

妃菜から異世界QUESTというワードが出た。しかも高校で流行っているだと?

なら高校に転生者と呼ばれる者が居るってことか?それか大人が高校性を異世界QUESTに誘っているかだ。



「お兄ちゃんは異世界QUEST詳しいの?」



「・・・いや、よくわからないな」



ここは本当の事は言わない方が良い。妃菜も異世界QUESTをやるとか言い始めたらたまったもんじゃない。自分の妹を危険に晒す兄は居ないだろう。



「あれ?拓翔さんやってましたよね異世界QUEST」



「春!!」



「あ・・・これ言っちゃいけなかったやつですね」



春の野郎まじでふざけんな・・・。妃菜は俺の事を見て睨んでいる。妃菜は嘘が大嫌いだからだ。どう言い訳するにも無理だろうな。



「お兄ちゃん、何で嘘ついたの?」



「いやそれは・・・」



「何で?」



「妃菜を危険な目にあわせないために・・・だ」



「許さない。そんなじゃ許さないからね!」



そう言って妃菜は事務所から出て行こうとする。これはもしかして母さんにチクるパターンじゃないか?面倒な事は避けたいから全力で謝るか。



「ごめん妃菜!本当にごめん!」



「そんなんじゃ許さないから」



「じゃあどうしたら許してくれる?」



「異世界QUESTに参加したい。それで許してあげる!」



妃菜は振り返って笑顔でそう言った。こいつ・・・最初から異世界QUESTに入りたい為に芝居をしていたのか?この笑顔は絶対そうだ。異世界QUESTは危険なゲーム?だ。海埜も死んだかもしれないし、妃菜には関わらせたくはない。



「私が異世界QUESTに参加したら、ギルドってやつにも入れるみたいだし、あと楽しそうだし!」



「ギルド?」



「そう!なんだっけなー・・・何とかの地?って名前のギルドがあるみたい。一応私の高校に居る人しか入ってないみたいだけど、一部卒業生が居るって」



何とかの地?確かギルドランキングで似たような名前のギルドがあったような・・・。俺は異世界QUESTアプリを開き、ギルドランキングを確認してみる。すると【安生の地】というギルドが4位にあった。



「安生の地・・・じゃないか?」



「そう!安生の地!やっぱ詳しいねお兄ちゃん!」



安生の地にも1人転生者が存在するのか?それか他のギルドの者が招待をしてそこから仲間を増やしていったかはわからない。でも俺は妃菜に異世界QUESTをやらせたくはなかったが、もしやった場合の事は考えていた。



「本当に異世界QUESTをやりたいのか?」



「うん!てかやらせてくれないとお兄ちゃんと一生口聞かないよ?あとママにも色々言うからね!」



「何だそれ、脅迫みたいなもんじゃねーか。・・・仕方ないな、異世界QUESTに招待はしてやる」



「やった!」



「ただし条件はある。もしギルドに入る場合は安生の地ではなく、俺が作ろうとしているギルドに入れ」



「え!?お兄ちゃんギルド作るの?」



「ああ。色々あってな。・・・春と妃菜には聞いといてもらうか」



俺は異世界QUESTを始めた経緯やイヴィリナードの事、そしてギルドを作る理由などを簡単に説明した。2人は驚きつつも真剣に俺の話を聞いてくれた。



「拓翔さん、そんな事あったのに何で相談してくれなかったんですか?僕もブラッドの一員なんですから頼ってくださいよ」



「俺も頭の整理に時間がかかってな。夜形には言ってあるし、アイツはもう異世界QUESTをやってる」



「夜形さんもやってるんすね!」



「ああ。そんな事より、妃菜はもう家に帰れ。さすがに夜も遅いだろ。春、妃菜を家に送っててくれないか?」



「任せてください!」



妃菜と春は車に乗って、家へと向かって走り出した。俺は1人で自分が座っている椅子へと座り、スマホを片手に異世界QUESTアプリを開いて色々考えていた。



安生の地は妃菜の通い高校が拠点。その高校に転生者が存在するって事なのか?てかそもそもギルドって何があるんだ?こんなランキングもよくわからないし、1位になったから何がどう変わるっていうんだ?



その辺はやっぱり封凪に聞いた方が早いのかな。そう思い、スマホを触りながら俺はいつの間にか眠ってしまっていた。




「・・・さん、拓翔さん!!」



「んー・・・誰だー・・・」



「お客さんですよ!しかももう朝の9時ですよ!」



「・・・ん?やべっ!いつの間にか寝てたのか」



俺は春に起こされて、すぐに姿勢を整えて、ソファーに座っているお客さんを見る。



「封凪!?」



「死咲に話があってな。事務所まで来た。今大丈夫か?」

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