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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.2
57/74

入峰是郁③

入峰が来栖を撃った。手に持っている銃で撃った!俺達は驚いた表情をしている。何がどうなっている?

すると今まで動いていなかった織田信長と明智光秀がこちらへと向かってきていた!



もしかして来栖が撃たれたから?何か能力を使って2人の行動を封じていたんだろうか?

この場で2人は倒せない!



「来栖・・・お前は知りすぎてしまった。だからここで殺す」



「ぐっ・・・ふざけやがって・・・俺は・・・最初からお前を怪しいと・」



「死ね」



バンッ!!



「えっ!?」



入峰は来栖の頭を銃で撃ち抜いた。これって異世界QUESTだから死んだってわけじゃないよな?この世界じゃ死んでもレベルが1になるだけで本当に死ぬわけではないはずだ。



「本当に殺したのか?入峰!」



「死咲、しゃがめ!」



俺は入峰の言った言葉をすぐに実行に移す。しゃがんだと同時に織田信長と明智光秀へと銃を発砲する。織田信長の腕、明智光秀の足でと銃は命中する。入峰はそのまま銃を捨て、別の銃を取り出した。



「俺は銃を自在に出し入れできる。別空間からな。これも異世界QUESTだけでの能力・・・いや異世界での能力だ」



「異世界?」



「来栖を始末したからここには用はない。織田信長と明智光秀を殺す」



そう言って入峰はアサルトライフルを取り出し、銃を連射する。



ドドドドドドドドドッ!!



織田信長と明智光秀はハチの巣のように銃弾を何発も受けて、大量の血が吹き飛んでいる。なんだこれは?さっきまで刀や槍で戦っていたが、なんか一気に近未来に来た感覚がある。



一瞬で2人を倒した入峰。そのお陰か異世界QUESTの終了を告げるアナウンスが流れ始める。



『あと1分でこの場所は消滅します。扉から出なかった場合は強制的に退場となります』



「さて・・・お前らは2人も殺すか。俺が異世界転生者だとばれたようなもんだ。片づけるしかない」



俺は今ここで死ぬわけにはいかない。でも死んでもここは異世界QUESTの中だ。だから死んでも死なないはずだ。

それも入峰もわかってる事だろう。だから来栖も撃ってこれ以上喋らせないようにしたんだ。



「死咲、夜形・・・死んでもらおう」



「避けろ!死咲!」



ドドドドドドッ!


夜形の声を聞いて、俺は咄嗟に横へと移動する。俺が居た場所へ入峰が放った弾丸が通り抜けていく。

何故だ?夜形は俺を助ける為に叫んだのはわかる。でも死んでもリスクあないはずだ。



「死咲、何で避けようとしない!」



「いや・・・ここは異世界QUEST内だから実際に死なないはず」



「違う!それは違う!!現実の人間が人間を撃てば死ぬ!現実通りに死ぬんだよ!」



「・・・え?」



「来栖は死んでいる。だって普通なら死体は残らないだろう。戦国武将みたいに消えるはずだ。でも・・・来栖の死体はそこにある」



「その通りだ。異世界QUEST内の敵は所詮本物ではない。実際に人物に似せている幻みたいなものだ。だからそいつら殺されても死ぬ事はない。だがな、本物の人間からの攻撃は現実と同じだ。・・・来栖はもう死んでる」



・・・俺はそれを聞いた瞬間に全ての空間の音が聞こえなくなった。何故かわからない。

そしていつの間にか1分は経っており、俺達3人は異世界QUESTから脱出した。



『死咲 巧翔はLv18になりました。次のLvまであと1人の自分より高いLvの敵を倒す必要があります。』



異世界QUESTから出て、俺達は見知らぬ場所に居た。ここは・・・神社か?とりあえず現実には戻ってきたみたいだな。

俺は周りを見ると、夜形が入峰に拳銃を突き付けているのを目撃する。



「夜形!?」



「入峰 是郁。お前を殺人容疑で逮捕する!」



「逮捕?俺が誰を殺した?特に死体はないのに・・・誰を殺したんだ?」



「とぼけるな!確実に俺は目撃した。来栖を殺したところを!」



「それを信じるのか?異世界QUESTを信じていない警察が?・・・逮捕しても証拠不十分で終わりだ。そしてお前は警察の者から迫害の目で見られる。・・・それでも逮捕したいなら、俺を殺せばいい。まぁ、お前が逮捕されるだけだがな」



夜形はそれを聞いて・・・それ以上何も言う事はなかった。入峰はそのまま神社を後にしようと歩き出した。

アイツは・・・異世界転生者と言った。どういう事なんだろうか?異世界という場所が存在するってことなのか?それは本当にあるのか?



「くそ・・・くそっ!!」



夜形は地面を脚で蹴りつけて、自分の不甲斐なさを呪っている。結局謎は増えたばかりだ。来栖を何故入峰は殺したんだ?仲間だったはずだろう。元々悪いのは来栖だったはずだ。でも何かがおかしい。入峰は北郷というケガをした女性と一緒に異世界QUESTに行った。



「嫌な予感がする」



俺はすぐに封凪に電話をする。何故か封凪は異世界QUESTに現れなかった。来栖を始末すると言って出て行ったのに。もしかして最悪の状況になっているかもしれない。



『もしもし死咲か。どうした』



封凪はすぐに電話に出た。俺はそこでホッとして、来栖の事と入峰の事を話す。封凪は驚きの声を何度も出していた。やっぱり入峰が異世界転生者なのは知らなかったのか。



『今どこだ?』



「えっと・・・八雲神社ってところだ。住所は・・・」



俺は住所を言って、封凪が来るのを待つ。ここで夜形と封凪を会わせるわけにはいかない。



「夜形、お前はこれからどうするんだ?」



「入峰 是郁について調べる。アイツは色々と知っているはずだ。異世界QUESTについて」



「わかった。また連絡するから今日はもう休んでくれ」



「ああ。死咲も気をつけろよ」



夜形も神社を後にし、俺は神社の座って封凪を待っている。スキルを使ってすぐに来ればいいのに遅いな。

5分程待っていると、封凪が神社に現れた。



「封凪、お前何してたんだよ。来栖を始末するって出てったのに!」



「まずい事になってな。ナギトに捕まってしまってな」



「ナギト?」



「ナギトはさっきお前が言った入峰と同じ、異世界転生者の1人だ」

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