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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.2
51/74

独眼竜・伊達 政宗

伊達政宗。出羽国と陸奥国の戦国大名で、伊達氏の第17代当主。近世大名としては仙台藩の初代藩主。

この異世界でもネットは繋がるようだ。簡単にウィキで調べてみたが、相当修羅場を潜り抜けてきたんだな。

独眼竜どくがんりゅう」の異名で有名でもある。



その伊達政宗と俺は戦う事になる。一気にレベルを上げての戦いだ。これに勝てば俺は海埜の下へと近付ける。

さて何処から来るんだろうか?



『異世界QUESTをSTARTします!』



「ん?」



このアナウンスが流れたって事は何処からか敵が来るってわけだ。でも見当たらない。

と思った瞬間だった!



シュバッ!!



「ぐっ…!!」



俺は右足に何かの攻撃を喰らう。これは・・・弓矢!伊達政宗を遠方から弓で矢を放ってきた。

そして伊達政宗はゆっくりと姿を現した。



仲間は居なく、馬に乗っての登場だ。兜は三日月の兜をかぶっており、意外にも長髪だ。そして右目を眼帯で隠している。

迫力がある・・・ようにも見える。扉の近くに居る玲は冷静に伊達政宗を見ている。



矢を抜き、右足からは血が溢れ出てくるが、少し経つと傷は消えていき、正常な状態へと戻る。

海埜の能力は自然回復か?こんな能力を俺にくれたのか。



『貴様が相手か。・・・弓矢も避けられない、雑魚だな』



「・・・は?」



『雑魚は雑魚だ。貴様はオレには勝てない』



「そんなの誰が言った?誰が決めた?未来でも見たか?・・・俺は海埜に近づくためには負けない。例えそれが有名な武将でもな!」



俺は物干竿を片手で持ち、伊達政宗の下へ走り出す。まずは馬から降りて話せ!!

ザンッ!!



残酷かもしれない。馬には何も罪はないが俺は馬の脚を斬り落とす。この物干竿に斬れないものは無いんじゃないかと思うぐらい切れ味がすごい。伊達政宗はバランスを崩して馬から強制的に落ちる。



この瞬間を見逃さない!俺は伊達政宗の身体目掛けて物干竿を振り下ろす!



キィーン!!



「なにっ…!?」



『今までの相手だと、これで終わると思うよな?』



俺は寝転んでいる伊達政宗に攻撃をしたが、剣で止められてしまった。そして剣でそのまま押されて、俺は足を崩した。

こうなる事を読んでいたのか?



『オレを簡単に倒せると思うな。これでも…1つの軍団を率いていたんだ。そう易々と命をくれてやるわけにはいかねぇーんだよ!』



伊達政宗は立ち上がり、弓を構えた。足を崩している俺に目掛けて矢を放つ気だろう。

矢なんて刀でガードすれば大丈夫だ。まずは矢を防ぐことにしよう。



だが伊達政宗はそんな簡単な事をする男ではなかった。これは異世界での戦いで、普通の人間とは思えない力を発揮できる場所でもある。

俺が使っている回復や刀の能力も同じだ。



それが・・・俺達だけが持っていると誰が言っただろうか?その力は敵も持っていてもおかしくないんだ。

矢を放つ伊達政宗は放ったと同時に走りだした。



その速度は目にも見えない速さ・・・いや全然見えなかった。矢が俺に到達する直前に俺の背後まで移動していた。

そして右手に持つ剣を俺の首元目掛けて振り下ろしてくる。



「終わりだな。首を落とせば人間は死ぬ」



当たり前の事を言い、伊達政宗に俺は首を斬られそうになるが、何とか刀で剣を受け止めた。矢は左脇腹に刺さったかが、首を斬られるよりはマシだ。死より痛みを我慢する方がまだ良いからな。



瞬間移動かと思う速度での攻撃。伊達政宗の1回の攻撃で敵にも俺達と同じ能力を持っている事がわかった。

ここからどう戦うかだが、伊達政宗は遠距離・近距離攻撃のどちらも行える。



俺には近距離攻撃しかない。近づかなければ伊達政宗に攻撃をすることはできない。ならば近づく事あるのみ。

伊達政宗もガードされた事に遺憾の思い何だろうか、矢を使わずに接近してくる。



『戦の場数が違うんだよ。てめーら戦を知らない平和の凡人共と!オレの速度にも着いて来れないだろう!』



速度を上げて伊達政宗を何度も剣を振って攻撃をしてきた。俺は最初の5回目ぐらいまでの攻撃は防ぐ事が出来たが、それ以降は出来ない。

身体には切り傷が増えていき、血もあふれ出している。



これはマジでやばいかも。伊達政宗は攻撃をやめる気がない。このまま斬り刻まれて俺の敗北で終わるか?

・・・俺は何で戦っている?海埜の死の真相を確かめる為?それも一理あるがそれだけではない。



正直な気持ちは何だ?俺は・・・



「俺は・・・死咲巧翔。ブラッドのマスター・・・そして異世界QUESTで最凶になるんだ。強い方ではなく、凶の方だ!」



『何言ってる?』



シュンッ!!!



伊達政宗の攻撃を避けた隙に物干竿を振り、剣を持っている右手を斬り落とした。伊達政宗の右腕から大量の血が溢れ出し、咄嗟に右腕を抑える。一瞬だけだが、伊達政宗の攻撃が止まって見えた。・・・これは海埜から引き継いだ力ではなく、俺自身が新たに取得した力!?



『ぐあああああああああ!!!』



「今だ!行け死咲!」



封凪が叫び、俺は伊達政宗に追撃を仕掛ける。こんなラッキー展開を逃すはずはない。俺の傷は自動で癒えていき、傷は1つも無くなった。俺はもしかして最強・・・強い方なのか?



『な・・・めるなあああああ!!!』




俺が追撃を仕掛けようとしたが、伊達政宗は地面に落ちた剣を左手で拾い、超スピードで俺の背後に移動した。振り返ると同時に剣が顔面に迫っていた。ラッキーが一瞬でアンラッキーになるのかよ。



ザクッ!



「ああああ!!!マジかよ・・・!」



『これで・・・ハァ・・・オレと・・・同じ状態だ・・・』



俺は右目を剣で突かれてしまい、強烈な痛みが右目に集中する。右目は一切見える事ができない。伊達政宗は確実に右側に居るだろう。ここは一旦退くか?視野を広くして状況を確認した方がいいかもしれない。



『吹っ飛べよ・・・・首!」



首?伊達政宗はそう言った。奴は俺の首へと目掛けて攻撃をしてくる気か?



「逃げろ!!!死咲!!」



『ハァ・・・討ち取った・・・・・』



キィーン



『・・・なにっ!?』



予想が当たった。右側の首付近を刀でガードしたら、伊達政宗の剣と衝突した。危機一髪って感じか?

もう体力もないし、右目の痛みがやばい。自動回復もさすがに遅く、すぐに目が復活する事は無いだろう。



一旦伊達政宗と距離を置き、確実に一撃を当てる事に集中する。でもアイツは一瞬で移動できる能力を持っているから、立ち止まっていたらやられる。考えろ・・・伊達政宗を確実に倒す方法を。



『・・・ハァ・・・ハァ・・・くそ・・・』



「あれ?」



伊達政宗は地面に右膝をついて、右腕を抑えている。・・・能力は無限に使えるわけではなく、使うと身体に影響が出るのか?それか右腕を失ったダメージが大きいか。どちらにせよ、これはチャンス。



『こんな奴に・・・・・・戦を知らないガキに・・・オレが・・・・負けるなんて許されない』



「ただの実力だ。しかもこれは戦でもただの戦ではないだろ。ゲームだろ」



『・・・戦は戦だ!戯言を言って』



ザンッ!!



「喋るすぎだ。ようやく右目も治ってきた。俺の勝ちだな、伊達政宗」



俺は伊達政宗の首を斬り、伊達政宗へと勝利した。これは現実なのか?非現実なのか?それはわからないが、特殊な力が使える現実なんてあるわけがない。



ゲームでは強かった敵にも勝てる事が出来る。自分自身が強くなれるシステムでもあるから。



『死咲 巧翔はLv12になりました。次のLvまであと1つの【異世界QUEST】、青の扉のCLEARが必要です。

あと1分でこの場所は消滅します。扉から出なかった場合は強制的に退場となります』




「何とか倒したな。驚いた、マジで倒すなんて」



「・・・封凪、異世界QUESTって何なんだ?こんなもの早く無くなれば良い」



「その為にはナギトを倒すしか・・・」



「ナギトって奴を倒して終わるのか?確信してるのか?嘘じゃ・・・ないよな!?」



「アイツが作ったから無くなるだろう。支配しているのはアイツだ」



「・・・もういい。とりあえず戻るか」



この場所から俺達は脱出し、現実へと戻った。それと同時に封凪に着信が来る。



「入峰か。どうした?・・・なにっ!?」



封凪は大声で『なにっ!?』と言った。何かあったのか?確か入峰はイヴィリナードのメンバーだ。

封凪の電話が終わると、すぐに扉を出現させた。



「何かあったのか?」



「死咲もメンバーだったな。・・・来栖優馬がメンバーの1人、北郷ほうごうっていう女性をナイフで刺して、逃げやがった」

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