死咲 巧翔の初戦
高野台のとある住宅街へと移動し、俺と封凪玲はスマホを操作する。
封凪玲は目の前に赤の扉を出現させた。
「これが異世界QUESTの扉?本当に存在していたんだな」
ニュースでは噂程度でしか聞いていなかった。それはそうだろう、実在するかわからない物、見た事無い物があるって聞いても、
それは本当にあるかわからないから。だって誰も扉を見えないから。
だが今目の前には存在している。赤い扉を封凪玲が出現させた。
見える者達は長年と嘘だと蔑まれて生きてきたってわけだ。その中で・・・戦って来ていたのか。
「俺は何も知らなかった。お前達は本当に・・・異世界QUESTで戦っていたんだな」
「同情か?そんなものはいらない。早くこの馬鹿げたゲームを終わらす事だけを考えるんだ」
赤い扉には文字が書かれていた。レベルと・・・人物の名前?これは歴史人物だよな?
【レベル2 穴山梅雪】
「あなやま・・・うめ・・・ゆき?」
「ばいせつだ。歴史の武将の1人で・・・武田信玄の軍に居た配下の1人だ。武田信玄は知ってるよな?」
「まぁ学校で習った気がする。でもそんなに詳しくは知らない」
「異世界QUESTでは歴史上の人物が相手になる。ただそれは・・・いやどうでもいいか」
「気になる。なんだよ」
「別にどうでも良い事だ。さっさと入るぞ」
何か言いたげだったが、先に封凪玲は赤の扉へと入っていった。この先が異世界QUEST・・・相手を倒せばいいんだよな?
ゲーム的なあれだからHPとか存在するのか?
俺も封凪玲の後に続いて赤の扉へと入る。すると一気に風景は変わり、何故か季節は冬だった。
寒さは感じないが、雪が積もっている。
「あとはお前次第だ。俺はここで見ているぞ」
雪が降りしきる大きな城の庭的な場所。ここで穴山梅雪って奴と戦うのか?
何処にも姿が見えないが、急に襲ってきたりするのだろうか?
俺は辺りを見回して、人が居ないか確認する。ここは城の庭でも訓練場みたいな場所か?
兵士のマネキンが所々に置いてある。そのマネキンは雪が被っており、全然使われている様子はない。
「武器はどれだ!?」
「そこに落ちているだろ。物干竿という海埜が使っていた武器だ」
「これが?長い刀だな!?」
「歴史人物の佐々木小次郎が愛用していた刀だ」
「へぇー・・・これを使えと。結構重いんだな」




