イヴィリナード
ここまでの話を整理するか。久しぶりに海埜に電話をかけたら、聞き覚えのない男の声が聞こえてきた。
そしてその男は海埜が死んだと言ってきた。
男の名前は封凪玲。俺は本当に海埜が死んだ事、遺体は何処にあるのか?家族は知っているのか?その辺の情報を聞き出そうとするが、
遺体は無いし、家族も知らないと言った。
封凪玲が怪しいと思い、今すぐに俺の場所まで来れたら少しは信じると言うが、封凪玲は一瞬で俺の場所まで来た。
・・・すぐに証拠を見せてもらい、海埜が死んだこと、封凪玲とは別の者に殺された事がわかった。
「行くぞ」
「マジで移動出来るのか?」
「この扉の先は高野台だ。俺の仲間がいる」
封凪玲の事は完全に信じたわけじゃないが、言っている事は嘘とは思えない。だから協力することを決めた。
海埜を殺した奴を・・・倒すって事を。
封凪玲はまず仲間を紹介したいと言った為、封凪玲が居た高野台まで移動する事にした。
扉を出現させて、俺は一緒に扉の中へと入った。
3秒程経った後、さっき居た場所とは別の場所に着いた。ここは・・・何処かの工場跡地か?
何もない空間に3人の男女が居た。封凪玲と俺を合わせて計5人か。
「紹介しよう、俺のギルド【イヴィリナ―ド】のメンバーだ」
「ちょっと待て・・・!」
「なんだ?」
「ギルドってなんだ?イヴィリナ―ドって?急に意味が分からないワードだ。説明してく・・・
いや違うな。まずは異世界QUESTってなんだ!?」
「リーダー。コイツが海埜が託した男なのか?ただの半グレにしか見えないが」
「・・・やるか?やってもいいぜ?」
「死咲巧翔、お前じゃここの誰にも勝てない。レベル1のお前ではな」
レベル1?何の話をしている?俺はまだ異世界QUESTを1度もやってないし知らない事をわかってるのか?
しかもいきなり半グレって呼ばれるし・・・・・・やるか。
「封凪玲」
「ん?」
ドカッ!!
俺は封凪玲の右頬を思いっきり右拳で殴った。その瞬間に他の3人は「リーダー!」と叫ぶ。
これでとりあえずスッキリした。俺は地面に座って胡坐をかく。
「説明してくれ。異世界QUEST、ギルド、レベル、そしてお前達何者なのか?海埜殺した者の正体。全てだ。話してくれ」
「・・・ぐっ、結構痛いな」
「おい!お前偉そうだぞ!?リーダーに何やってんだよ!」
「いや良いんだ瀧人。俺が何も説明をしていなかったのが悪い。・・・わかった、説明するよ。
イヴィリナ―ドは俺達のギルド名だ」
「そこが先かよ!」




