接触
「俺は封凪玲。先程海埜義宗のスマホで電話していた者だ」
「・・・どういう仕組みだ?」
「異世界QUESTで取得したスキルだ。レベルが上がれば取得できる。【Door Warp】と呼ぶスキルをな」
いきなり来て何を言っているんだ?黒ローブを来た男は被っているフードを取って顔を見せてくる。
目にかかりそうなぐらい伸びた前髪、髪色は赤、瞳の色も赤、そして目の上下には紋章のような刺青をしている。なんだこいつは。
V系のボーカルか?これは夢か?俺は両頬を引っ張てみる。普通に痛かった。これは・・・夢じゃないのか!
「死咲巧翔だな?これで俺の事を信じてくれたか?」
「海埜のスマホだ。それを見せてみろ」
海埜のスマホは見た事がある。スマホケースは青色でカバーの後ろには×印のテープを付けている。そんな事をする奴は居ない。
てかスマホにはロックがかかっているから本人以外には見られないんじゃないか?
「これか?」
男は左手を突き出し、スマホを見せてくる。そのスマホは青いスマホカバーだった。俺はそのスマホを手に取って裏を見る。
・・・×印のテープが貼ってある。俺はスマホの電源をONにするが、ロックがかかっている。
「ロック解除の番号は?」
「・・・4739」
俺は言われた通りに数字を入力する。ロックは解除された。俺はスマホの情報を見るため、設定画面を開く。・・・そこには
海埜義宗と書かれた名前と海埜の電話番号が書かれていた。
これは・・・間違いなく海埜のスマホだ。本当に…本当に死んだのか!?
「何でロック番号を知っている?」
「スマホケースを外した中に番号が書かれた紙が入っていた。それでわかっただけだ」
男は真剣な表情でそう言い、俺は男の目を見る。・・・嘘をついているようにも思えないし、海埜のスマホがここにあるのも証拠か。
でも死んだかはわからない。それを確認する方法は目の前に居る封凪玲しかいないのか?
「海埜の実家に連絡する」
「!?待て!」
「・・・なんでだ?海埜が死んだことを確認するだけだ」
「まだ・・・まだ俺しか知らないんだ。だから事を荒立てたくはない。このままだと俺が犯人に」
「俺は最初からお前が怪しいと思ってる。そして今の行動で確信した。お前が海埜を殺したんだな?」
実家に電話するのを止めるなんておかしい。普通なら家族は知っているものじゃないのか?
警察とかにもすぐに家族へ報告するんじゃないのか?怪しすぎる・・・。封凪玲、お前が犯人だろ。
「違う!!違うんだ!!」
「異世界QUESTとかどうでもいい。警察もいい。俺がお前を・・・殺す」




