無謀な願い
『異世界QUESTに海埜義宗は参加した。そこで・・・死んでしまったんだ』
「・・・その話は本当なのか?」
『嘘ではない。本当の話だ。そして海埜義宗から死咲巧翔を紹介された』
海埜が俺を?なんの為にだ?俺とは当分会っていないし、連絡もあまり取っていない。
今日は偶然海埜の事を思い出しただけだし。
これは海埜も関わっているのか?やっぱ死んだなんてありえないだろ。
どうする?・・・俺の力なら危険な場合、暴力で解決するのもありだ。
「もし海埜が死んだって話が本当だと仮定して、海埜は俺に最後、何て言った?」
『・・・何かを言おうとしてたが、その前に力尽きて・・・』
「やっぱ信用できねぇーよ。何で俺を紹介する?何のメリットがある?よくわからないが詐欺が横行している中で、信じられる物なんて少ない。それもあんたはわかるだろ?」
『・・・・・・どうすれば信じてくれる?』
「海埜が死んだという証拠を見せろ。遺体とかあるんだろ?まず自殺なのか殺人なのかわからない。異世界QUESTっで死んだと言ったから殺人なんだろうな。その人物を俺の前に連れてこい」
『遺体は無い。犯人に取られてしまった。殺した犯人は知っている。その人物をすぐに連れてくる事は不可能だ。異世界QUESTを行えば、必ず会う事は出来る』
「やっぱ詐欺だろ。・・・わかった、すぐに俺の目の前に出現してくれるなら考えてやろう。無理だろうけどな。まぁ30秒以内ってとこか」
『それでいいのか。ならすぐに行く。死咲巧翔の居場所を教えてくれ』
・・・何を言っている?そんなの無理に決まっているのに頭おかしいのか?
ゲームや漫画じゃあるまいし、絶対に出来ない事をお願いしたんだ。
「東京の中野区大和町だ。サービスで俺のスマホのGPSをオンにしておく。これでわかんだろ」
『わかった』
そう言って、封凪って奴は電話を切った。これで終わりだろうな。俺の目の前に出現できるはずがない。
結構長い間電話してしまったが、俺はこれから何をしようとしていたんだろう。
「飯でも食いに行くか」
俺は近くにあるファーストフード店へと向かおうとする。その時に目の前の空間が歪みはじめ、
突如灰色の扉が出現する。・・・なんだこれは?
扉は徐々に開き、その中から黒いローブを来た者が現れる。
誰だ?
「来たぜ、死咲巧翔」
「・・・・・・え?・・・えええ!?」




