死咲 巧翔②
俺はこの大和町で育った。中学、高校と優秀な成績でもなく平凡な成績で卒業した。ただ俺は荒れ狂っていた時期がある。
高校の2年、そこで俺は親をぶっ殺そうと考えてしまった。
それを全力で止めてくれた男が居た。海埜義宗という男だ。俺の大事な親友だが、最近は連絡取れていない。
何で急に思い出したんだろう。高校生が居たからか?
スマホから俺は海埜義宗に連絡する。
プルルルルル!プルルルルル!
『お前は・・・死咲巧翔か?』
ん?聞き覚えのない男の声が聞こえた。誰だ?てかいきなりお前ってなんだ?
もしかして間違えたか、海埜が電話番号変えたか?とりあえず海埜の電話番号なのか確かめるか。
「もしもし、海埜の電話か?」
『そうだ。海埜義宗のスマホだ。・・・もう1度聞くが、死咲巧翔か?』
「ああ・・・誰だあんた?」
海埜の電話番号であっているようだ。なのに本人が出ていないっておかしいな。
変わりに仕事の仲間が出たのか?でもいきなり俺の名前を確認するのもおかしい。
普通なら『海埜のスマホで○○です。』みたいな出方をするだろう。
常識が無いだけか?お前っていきなり出るのは失礼だろ。
「俺は死咲巧翔だ。あんたは誰だ?」
『・・・俺は封凪 玲だ。そっちから掛けてくるとは運がいい』
封凪玲?聞いた事ない名前だ。やっぱ会社の仲間か誰かか?運がいいってどういう意味なんだろう。
俺に何か用でもあるのか?
「何の用だ?海埜はどこにいる?」
『・・・海埜義宗は・・・死んだ』
「・・・・・・ちっ、新手の詐欺か何かか?」
『違う。海埜義宗は俺の目の前で・・・死んだ』
急に何を言ってるんだこの男は。海埜が死んだだと?そんなの信じられるわけがない。
海埜は今危機的状況に居るのか?何処かに監禁されてるとか?
そして死んだと嘘をついて、真実を確かめる為に俺は海埜の様子を確認しにいく。
そこで俺も捕まえて、多額の金を手に入れるとかそういう企みか?
「引っ掛からない。くだらない嘘をつくんじゃね」
『死咲巧翔・・・さん。あなたは今何処に居ますか?』
「言うわけねぇーだろ」
『あなたが必要なんです。【異世界QUEST】を終わらせる為には』
異世界QUEST?確か3年前ぐらいに扉が見える者だけが参加できる謎のゲーム的何かだったはずだ。
日本中のニュースになり、一瞬だけ社会現象にもなった。
しかし扉が見える者は少なく、自然と話題は消滅していった。
俺も当時は少し調べたが、情報は全然無いからすぐに諦めた。
「異世界QUESTと海埜はどういう関わりがあるんだ?」




