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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.1
4/74

武器

ここは…俺の目の前には焼けた城、地面には血を流して倒れている人間が居る。え?地獄に落ちたのか?



「いきなり酷な場所に来てしまったな…」



「…おい…お前…ぐっ…」



俺は脇腹にナイフ刺されていて、まだ痛みは消えない。立っても居られず、地面に膝をつけてしまう。

もしかして…死ぬのか?俺は死ぬのかよ!?



「この【異世界QUEST】では最初に怪我を全て治してくれる。だから赤の扉に入れたんだ」



「お前…何なんだよ!さっきの奴とグル…ぶはっ!」



目の前に口から血を吐いてしまい、咽てしまった。この怪我を放置していたらまずい。

先に治させてもらおう。それから言いたい事を言ってやる!



「怪我を治す。その為には…武器を手に取って、立ち上がらなければいけない」



「武器!?」



「光輝いている武器…それがこれから【異世界QUEST】で共になる武器だ。1度決めれば変更はできない」



地面の所々に光っている物体がある。あれのどれかを拾えば俺の怪我は治るのか。

遠くの武器は取れそうにない。近くにある物でいい!怪我を治ればな!



「これだ!」



俺はすぐ目の前にある光る物体を取得する。あれ…何か長くない?この武器…!



「なるほどな…珍しい武器を手にしたものだ」



俺は1メートルはあると思われる長い刀を手にした。そして立ち上がると、俺の怪我は一瞬で治ってしまった。

どうなっている?これも【異世界QUEST】の力なのか?



『異世界QUESTをSTART致します!』



「え?誰の声だ!?」



「【異世界QUEST】は異世界で敵と戦い、勝利した者が強くなれるゲームのようなものだ。実際にステータスは存在はしない。

ただ…負傷すればその分視界が白黒に変化していく。そして…負ければ…」



「負けたら死ぬとかそんなデスゲームじゃないよな?」



「それはない。負ければ【異世界QUEST】の参加権は剥奪される。ただそれはレベル1で負けたもののみだ。

最初に勝てばリスクは少なくなる。簡単だろ?勝ち続ければいいんだ」



正直に思う事がある。コイツは何を言っているんだ?全然理解できないんだが。俺はそもそも【異世界QUEST】に参加したくなかったんだ。

怪我も治ったし、すぐに負けて俺は【異世界QUEST】から抜け出したい。まだ始めてもいないが、これは面倒な事になる。



「じゃ負けますね!」



「は?」



「負けたら【異世界QUEST】に参加しなくてもいいんだろ?なら負けるに決まってる」



「じゃあ…お前は死ぬぞ?【異世界QUEST】に負けたら、怪我は治らない。扉に入る前と同じになる。

【異世界QUEST】という記憶事態だけが消えて、他は全て残ったままだ。怪我もな」



「……おいお前…それを先に言えって!!」



俺は負けたら死ぬ。結局デスゲームと何も変わんねぇーじゃねーか!結局戦わなきゃいけない。

これは神様の悪戯か?俺がズル休みをしたからか罰が当たったのか?



「戦うしかないだろ?あとその武器はかの有名な剣士、佐々木小次郎が使っていた【物干竿ものほしざお】。相当強力だ」



佐々木小次郎の武器?いまいちピンと来ないな。とりあえず強い武器ならラッキーだ。

多分扉に書いてあった名前の人物が相手だろう。



「行くぜ!」

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