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意味がわからない事を言い始めたが、今はこの異世界から脱出した方が良い。
確実に俺はナギトって奴を倒した。首と胴体が切り離された状態で死なない人間なんて居ない。
そんな者が居ればそれは人間ではない。
「早く出るぞ!」
「ナギトが・・・本当に死んだのか?」
「良いから早く!そんな事考えている暇はない!」
俺は崩壊していく異世界を脱出する為に扉へと走り出す。死んだか死んでないかはあとで考えればいい。
入ってきた扉から俺とレイは異世界から脱出した。
「戻ってきた!これで異世界QUESTも終わりだろ!?」
「はぁはぁ・・・いやそんなはずはない。異世界QUESTがこんな簡単に終わるはずが」
「異世界QUESTアプリは消えてるぞ?」
「え?・・・ま、マジだ!!これが消えてるって事は?」
「終幕だ!異世界QUESTは終幕した!俺達はこれで戦う必要は・・・・ぐっ!」
な、何だ?急に重い頭痛が来た。それは一瞬だった。5秒も経っていない間、すぐに頭痛は治まった。
そして俺はスマホを見て恐怖した。
「・・・え?異世界QUESTアプリが復活してる?」
グサッ!!!
・・・・・・・え?
俺は背後から剣で腹部を刺されてしまう。何が起きた?何がどうなった?
目の前には・・・レイって奴がいる。
レイは驚愕して、俺の背後に居るであろう人物を見ている。
「ナ、ナギト!?」
『危ねぇー…マジで死ぬ所だった。でも私は生き返った!異世界QUESTはまだ終わらない!』
俺は地面へと倒れる。スマホが目の前に落下し、画面は異世界QUESTアプリが表示されている。
このままだと俺は死ぬ。結局・・・死ぬのかよ。
「しっかりしろ!海埜!お前は異世界QUESTに必要な男なんだ!死んだらいけない!」
「・・・無理だ。・・・・・・俺では・・・な」
俺は異世界QUESTアプリである項目を見つけた。それは招待という項目。俺の武器、スキルを・・・何とかして引き継ぎたい。
『やっぱり私は最強だ。負けるはずがない!!』
「おい・・・レイ・・・教えてくれ」
「何だ!どうしたんだ!?」
「引き継ぎたいんだ。俺の・・・スキル、武器を・・・」
「引き継ぎ?・・・・・・お前は死を受け入れるのか?」
「これ以上は無理だ。あんたなら何とか出来るだろ」
「・・・出来ない事はない。データを俺に転送すれば・・・」
俺は異世界QUESTアプリから転送という項目を見つける。何で死ぬ直前になると色々見つけるんだよ。
もういい。あとは託すぞ・・・。
「レイ・・・死咲 巧翔という奴に招待してくれ。そして・・・俺の・・・」
俺は最後まで伝える事が出来ずに意識を失った。その後の事は何もわからない・・・。
ただ死を迎える直前に俺は誰かに運ばれた気がする。
ここで俺の物語は終わったのだった。
タイトル【海埜 義宗の死】




