首謀者
いきなり何を言い出すんだ?異世界QUESTの首謀者?急展開すぎて頭がついていけない。
何で俺はそんな権利を獲得したんだろうか?
石田三成を倒したから?強かったけど、権利を獲得できるほどの強さだったか?
普通なら苦戦する相手だったのだろうか?
「俺はこの時を待っていた。一緒に倒すぞ、アイツを!」
「待て待て!まずあんたは誰だ?」
「時間が無い。とりあえず入るぞ」
俺は黒ローブの男に腕を掴まれて、一緒に黒い扉へと入っていく。よくわからないまま入ったけど、大丈夫なのか?
扉の中の世界は真っ暗の闇だった。
「何も見えない」
「すぐに光は灯るだろう」
コイツは何故そんな事を知っている?もしかして首謀者はコイツとかいうオチ?
入峰達も怪しいし、急に現れたのもおかしい。
男が言った通りに光が灯る。でも何もないただの平原?いや草が全て黒色だ。
空も黒く、ただ月だけが俺達を明るく照らしている。
「決着をつけるぞ、ナギト!」
『この声は・・・レイか』
黒ローブの男がそう叫ぶと、目の前に突然人間が出現した。・・・何もないただの人間だ。
鎧や厳つい防具をつけているわけでもなく、ただタキシードを着た青年が立っている。
黒の長髪でオールバックにしており、顔には右目に一本線の傷がはいっている。コイツが首謀者?
「お前が異世界QUESTの首謀者か!?」
『ここまで来る者が居るとはな。実に・・・2年半振りか』
「ナギト・・・俺はそれまでこの異世界QUESTを何度も攻略してきた。そして俺のレベルは既に30だ」
『まだ30か?出来た当初から初めてまだ!?』
「これも今日で終わりだろ。この男が軌跡を起こしてくれた」
え?軌跡?俺がこの首謀者へと辿りついたって事?特に何もしてないし、ただ戦ってきただけなんだが。
未だに意味がわからないし、そもそも誰?レイとナギトは何者?
『私はレイと戦う予定はない。戦うのはそこの男だ、海埜 義宗!』
「俺かよ」
『レベル10を1人でCLEARする者は居なかった。しかも石田三成を倒すなんて・・・興味深い男だ』
「興味深くも何もない。急に巻き込まれたし、マジでふざけんなよ!お前を倒せば異世界QUESTは終わるんだな?なら終わらせる!」
俺は物干竿を両手で持ち、ナギトと呼ばれる首謀者へと向かって走り出した。
倒せば終わるんだ、この異世界QUESTを終わらせられるんだ!!
『巻き込まれた・・・か。まぁそうだな、誰かお前を"招待"したんだろうな?』
「招待!?」




