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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.1
36/74

首謀者

いきなり何を言い出すんだ?異世界QUESTの首謀者?急展開すぎて頭がついていけない。

何で俺はそんな権利を獲得したんだろうか?



石田三成を倒したから?強かったけど、権利を獲得できるほどの強さだったか?

普通なら苦戦する相手だったのだろうか?



「俺はこの時を待っていた。一緒に倒すぞ、アイツを!」



「待て待て!まずあんたは誰だ?」



「時間が無い。とりあえず入るぞ」



俺は黒ローブの男に腕を掴まれて、一緒に黒い扉へと入っていく。よくわからないまま入ったけど、大丈夫なのか?

扉の中の世界は真っ暗の闇だった。



「何も見えない」



「すぐに光は灯るだろう」



コイツは何故そんな事を知っている?もしかして首謀者はコイツとかいうオチ?

入峰達も怪しいし、急に現れたのもおかしい。



男が言った通りに光が灯る。でも何もないただの平原?いや草が全て黒色だ。

空も黒く、ただ月だけが俺達を明るく照らしている。



「決着をつけるぞ、ナギト!」



『この声は・・・レイか』



黒ローブの男がそう叫ぶと、目の前に突然人間が出現した。・・・何もないただの人間だ。

鎧や厳つい防具をつけているわけでもなく、ただタキシードを着た青年が立っている。



黒の長髪でオールバックにしており、顔には右目に一本線の傷がはいっている。コイツが首謀者?



「お前が異世界QUESTの首謀者か!?」



『ここまで来る者が居るとはな。実に・・・2年半振りか』



「ナギト・・・俺はそれまでこの異世界QUESTを何度も攻略してきた。そして俺のレベルは既に30だ」



『まだ30か?出来た当初から初めてまだ!?』



「これも今日で終わりだろ。この男が軌跡を起こしてくれた」



え?軌跡?俺がこの首謀者へと辿りついたって事?特に何もしてないし、ただ戦ってきただけなんだが。

未だに意味がわからないし、そもそも誰?レイとナギトは何者?



『私はレイと戦う予定はない。戦うのはそこの男だ、海埜 義宗!』



「俺かよ」



『レベル10を1人でCLEARする者は居なかった。しかも石田三成を倒すなんて・・・興味深い男だ』



「興味深くも何もない。急に巻き込まれたし、マジでふざけんなよ!お前を倒せば異世界QUESTは終わるんだな?なら終わらせる!」



俺は物干竿を両手で持ち、ナギトと呼ばれる首謀者へと向かって走り出した。

倒せば終わるんだ、この異世界QUESTを終わらせられるんだ!!



『巻き込まれた・・・か。まぁそうだな、誰かお前を"招待"したんだろうな?』



「招待!?」

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