一撃
ここまで来て俺は負けてしまうのか。レベル9まで何とか戦ってきたんだ。
ギルドにも誘われたが、断って1人の力で異世界QUESTを終わらせると決めたんだ。
誰が作ったかわからないこの異世界QUESTをCLEARして、終わらせると。
でも無理だな。レベル10相手にこんな状態だと・・・もう。
『終わりか?動かないならこれで終わるはずだが・・・』
・・・・・・あれ?
俺はまだ生きている?何故か知らないが、身体の痛みが消えていく。
そして視界に色が戻り始める。
何故こんな事が起きている?完全に俺の身体は回復していた。
よくわからないけど、今なら石田三成を倒せるじゃないか?
『こんなものか。対した事ないな』
石田三成との距離が離れていく。今背中を向けているはずだし、俺が動くとは思わないだろう。
俺は静かに立ち上がり、物干竿を右手に持って歩み寄る。
まだ気付かない。石田三成との距離は3メートル程だ。このまま走り出せば気付かれて攻撃を防がれるかもしれない。
一撃喰らわせれば状況は変わるはずだ。
『・・・ナギト、お前の計画通りなのか?』
「!?」
ナギト?石田三成は急にそう呟いた。ナギトって誰だ?計画通り?異世界QUESTの事か?
今の呟きで攻撃のタイミングを失ってしまった!
『ん?・・・お前!!』
「やべっ!」
石田三成は何故か後ろを振り向き、俺が攻撃を仕掛けようとした事がばれてしまった。
俺は刀を振り下ろして何とか一撃だけでも喰らわせようとする。
だがそう簡単にはいかない。石田三成は攻撃をガードする。もう駄目だろこれは。
俺は起死回生の力かわからないけど、復活をとげた。
2度目は無いだろうな。どうする?石田三成の早さを見切るしかないか?
・・・一撃だけ喰らわせれば状況は変わるんだ。
『次こそしっかり首をはねるか。そうすれば確実に死ぬからな』
石田三成は再び雷の力を使い、攻撃速度が早い攻撃を放ってくる。俺は物干竿のスキルを使い、
攻撃速度を遅くさせた。
それでも早い。・・・だが見切れる!
一撃だ。一撃だけ・・・喰らええええええええ!!!!
「おらあああああああああああああああ!!」
シュンッ!!!
ギリギリで石田三成の攻撃を避けた瞬間に物干竿を振り下ろした。
もう当たればいいと思い振り下ろしたから、石田三成のどの部分に命中したかわからない。
「ど、どうだ?」




