島 左近
左近は大剣を水平に振り被る。攻撃範囲が広いから避けるのに精一杯だ。もし連戦するならば島左近から攻撃をあまり喰らわない方が良いはず。
その時、俺は気付いてしまった。島左近だけの攻撃ではなく、もう1人居る事に。
ヒュゥン!!!
「あっぶね!」
矢が俺の右頬すれすれを通り過ぎて行った。遠くから弓で攻撃してくる敵が居た。長髪の美形の男。あれが石田三成!?
『出てくるのはえーよ大谷吉継』
『三成様には恥をかかせたくはないのでね。2人で倒しましょうよ左近』
『ここはわいに任せろって。こんな奴、すぐに真っ二つにしてやるから』
大谷吉継と呼ばれた男は島左近を睨みつける。この2人は石田三成の配下か?まさか石田三成を倒すまでに2人の敵を倒さなきゃいけないなんて。レベル6~9までは1人の敵しか居なかった。3人は・・・正直きついな。
「やるしかないよな」
俺は物干竿を構え、島左近へ向かって行く。島左近同じく俺の方へ向かって走り出している。そして剣を大剣がぶつかりあったが、俺は島左近の力を見くびっていた。
「ぐっうう!!!」
『おおぉー耐えるとはな!』
馬鹿力すぎて、物干竿がすぐにでも折れそうだ。でも折れないから本当に強力な武器なんだろうな。何とかガードして後ろへと下がる。
力での勝負は負ける。ならばやはり技術に頼りしかない。
好機とみた島左近は追撃をしてくる。俺は物干竿の持つスキルを使う。島左近の攻撃は遅くなり、簡単に避けられた。
そして避けたと同時に水平に物干竿を振り、斬撃を与える。
『何だ?わいの攻撃を避けて、さらに攻撃をしてくるだと!?』
今の俺はレベル9だ。身体能力も高くなっているなら、島左近よりも動きが速いのではないか
島左近へと休む暇もなく攻撃を仕掛ける。
『ん?何だ!?』
「有名な武将かもしれないが、今の俺なら簡単に倒せる・・・はずだ!」
『何だと!?だが隙だらけだ!』
大剣を俺の頭上から振り下ろそうとする島左近。俺は攻撃を避けて、島左近の首元へと物干竿を振り下ろす。
今の身体能力なら身体を斬れるはずだ!
「いけえええ!!」
『ぐっ…ま、まじか…』
首元まではいかなかったが、肩辺りから真っ二つに島左近を斬ってしまった。
あっという間に終わる戦い、それを見ていた大谷吉継がこちらへと歩いてきた。
島左近は地面に大量の血を流して倒れ込んでいる。もう動くことはないだろうな。
『左近が一瞬でやられるだと…?お前は何者だ?』




