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異世界QUEST  作者: ヴェイン
Act.1
19/74

入峰 是郁

入峰いりみね 是郁ぜいくSIDE】



現在の時間は午前2時。とある工場跡地、そこにはある者達が揃っていた。その者達と俺は仲間であり同志である。



「是郁、見つかった?」



「いや・・・簡単には見つからない」



「そうか・・・こっちもだよ。強力な参加者は居ないな」



タバコを咥え、ライターで火をつけて吸い始める。金髪に身体には所々刺青が入っている。その男の名は【久喜夜くきや瀧人たきと

俺と同じく【異世界QUEST】の参加者を探っている男の1人だ。



「やっぱきついよな!こっちには7人しか仲間が居ないんだ。最近だと誰だっけ?あの綺麗な子」



「宇敷紗耶香か。今日でレベル5になっていたな」



「マジかよ!じゃあもうすぐ青じゃねーか!宇敷ちゃんやべーな!」



宇敷はレベル5になったのは驚きだ。一応同じ仲間だから情報は筒抜けになっている。レベルや攻略した【異世界QUEST】の数などが全てわかっている。でも…違和感ある。



今回の相手が2人も居た事だ。それが加藤清正と福島正則。この2人を倒すには2人で挑むのが定石だ。

1人で倒す事なんて出来た人は数少ない。宇敷は誰か一緒に攻略したって事になるな。



・・・誰だ?宇敷と親しく【異世界QUEST】を知っている人物なんて居たか?

友達とか・・・ではないよな?



「こりゃーすぐに宇敷ちゃんに抜かれちゃうなー!俺も頑張らねーと!」



瀧人はタバコを吸い終えて、工場跡地から出ようとする。俺達は一応ある目的で動いてる。それは【異世界QUEST】の終結だ。

突然始まった【異世界QUEST】だが、原因は不明だ。



でも最近・・・仲間のリーダーがそれを突き止めた。リーダーは【異世界QUEST】を開始された直後から行っており、

未だに続けている。レベルも既に30は超えている。



俺は【異世界QUEST】のアプリを見ていると、ある人物のレベルに驚いてしまった。



「ウソだと!?」



「ん?どうした是郁」



俺は昨日出会った男、海埜義宗のレベルを見た。普通ならレベルはそう簡単に上がらない。

なのにコイツは既にレベル5になってやがる。



・・・海埜義宗か。コイツは【異世界QUEST】を終結させられる人物かもしれない。



「1人見つけた!」



「お!?マジかよ!」



瀧人はこちらへと戻ってきて、俺の持っているスマホを取る。

何でスマホを取るんだよ。



「うみのよしむね・・・?なるほどね!レベル5!」



「でもコイツは既に目を付けられてる。奴にな」



「奴って~?俺の事?」



工場跡地の入口から聞き覚えのある声が聞こえた。何でこんな時間に来るんだ?

コツコツと足跡を立てながらこちらへと向かって来る。

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